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三瓶分校最後の卒業式「スピリットは心に」14人涙の巣立ち「大切な仲間は宝物」105年歴史に幕【愛媛】
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春は旅立ちと別れの季節。愛媛県内では1日に74の県立高校や分校で卒業式が開かれ、約7700人が学び舎を後にしました。このうち西予市の宇和高校三瓶分校は最後の卒業式。地域の人たちに見守られながら105年の歴史に幕を下ろしました。

児島万代光校長:
「私たちがバトンを託す後輩はいません。しかし私たちに引き継がれた『三瓶スピリット』という伝統のバトンは全ての人の心に宿り、その周りの人にも伝わり続けていくのだと思います」

宇和高校三瓶分校で開かれた最後の卒業式。学び舎を巣立つのは14人。ほとんどが幼馴染です。児島万代光校長から卒業証書を渡され、目には万感の思いが詰まった涙が浮かびます。

卒業生代表・井上望愛さん:
「辛いときは励まし合い、たくさん声をかけ合いましたね。一緒に様々なことにチャレンジしてきましたね。こんなにも大切で信頼できる仲間がいたこと、これからも私の宝物です」

三瓶分校の前身は1920年に開校。三瓶高校時代の60年前には700人を超える生徒が在籍し、地元の朝日文楽を継承する部活動を立ち上げるなど旧三瓶町と共に105年の歴史を築いてきました。しかし少子化の影響で入学者が徐々に減少したため2020年度から宇和高校の分校に。おととしから新入生の募集も中止。ついに閉校を迎えました。

最後の卒業式には約200人の同窓生が集まり、懐かしい写真などを眺めながら思い出に浸りました。

初任地が三瓶高校だった教師:
「本当に人がどんどん少なくなっていったんだなとさみしい思いですね。自分がいた学校がなくなるって本当辛いです」

これまでに1万人以上の生徒が巣立った学び舎では、地元の鮮魚店とコラボして特産品を開発したり、プロの大工から手ほどきを受けながら地元特産のひのきを削りコサージュを作ったりとユニークな活動が行われてきました。

この日も卒業生の胸元には「ひのきのコサージュ」が飾られました。例年は後輩たちが制作するものの今回は在校生がいないため、教員と保護者が協力して作りました。

式では最後の校歌斉唱に続き、生徒会長の宇都宮吏聖さんが学校のシンボルである「校旗」を返納。14人の卒業生は先輩たちが作るアーチをくぐり、それぞれの思いを胸に会場を後にしました。

教室では最後のホームルーム。卒業生が一人ずつ保護者とクラスメイトに感謝の気持ちを伝えました。

卒業生・紀伊野来和さん:
「一番最後の生徒で、この学校と一緒に卒業できるのは他の学校の人には経験できないことだと思う。先輩方に見送ってもらったことを胸にがんばりたい」

卒業生・宮弓優斗さん:
「自分が“最後の世代”としてぎりぎりで入学した。三瓶に住む人としてバトンを(OBの)母親からつないだのかなとは思います」

105年の歴史に幕を下した三瓶分校。学校はなくなってもその思いは地域の人たちの心にこれからも生き続けます。

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3月3日 18:55
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