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銅を“鉱石レベル”まで高濃度にする新しいバクテリア発見 愛媛大学などの共同研究【愛媛】 
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銅を「鉱石レベル」まで高い濃度にする新規のバクテリアを、愛媛大学などの共同研究チームが発見し、この仕組みを解明したと12日に発表しました。微生物を利用した有用な金属の回収などに繋がる重要な結果としています。

この共同研究をしたのは、愛媛大学大学院農学研究科の光延聖教授のほか、理化学研究所や九州大学大学院などの研究者たちのグループです。

愛媛大学の光延教授によりますと、研究チームは国内の鉱山の跡地では中性の水の中にある鉄の酸化物の沈殿物で、銅が2%の割合まで濃縮される現象を発見。世界で採掘される銅鉱石の平均の濃度の約3倍にあたり、背後に鉄を酸素で酸化してエネルギーを得るバクテリアの関与を予想しました。

研究では、沈殿物に付着する複数の種類のバクテリアを遺伝子解析した結果、ガリオネラ科のバクテリアが圧倒的に存在し、鉄の酸化反応と銅の高濃縮を主導している可能性が高いことを突き止めました。

ただガリオネラ科のバクテリアの多くは培養が難しいため、愛媛大学が独自に培養方法を開発。このガリオネラ科のグループの新規のバクテリアを世界で初めて獲得し、試験の結果、鉄を酸化させる能力が非常に高く、作られた鉄の酸化物に銅を強く吸着させ、高濃縮することが明らかになりました。

銅は非常に強い殺菌性があり、多くの微生物にとって猛毒であるものの、新規のバクテリアは銅の濃度が高い環境でも適応する能力があり、工業などへの応用性の高さを示しているということです。

光延教授は、自然環境で鉄を酸化させるバクテリアが銅を高濃縮する仕組みを実証したとしていて、世界で初めてということです。

銅は現代社会の基盤を支える重要な金属で、需要の急増に伴って世界で価格が高騰。今回の発見が都市鉱山などから銅を回収する際、省エネルギーで環境に優しい技術につながることが期待されるとしています。

光延教授は「愛媛県には閉山した別子銅山があり、微生物を使って銅の回収をできたら」と話しています。

この研究の成果は、アメリカの国際科学誌に11月30日付けで掲載されています。

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12月15日 14:29
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