2026年10月の俳句

  • さざ波の 星零しゆく 神の鹿

    2026.10.14 放送

    作者:井上和美(砥部)

    奈良の春日や広島の宮島など、鹿は神さまの使いとして、大切にされてきました。星のきらめく夜、岸辺を鹿が歩んでいます。一歩一歩にさざ波が光り、まるで星がこぼれてゆくようです。人間の知らない夜の時間、神々しい自然の風景を、美しく描き出しました。

    (監修:神野)

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  • 十二番札所は遠し 鹿近し

    2026.10.13 放送

    作者:秋本 哲(松山)

    お遍路の十二番札所は、徳島の焼山寺です。標高938メートルの焼山寺山の八合目付近に位置し、八十八か所の中でも難所のひとつです。焼山寺を目指して登る途中、山道に鹿を見つけました。札所は遠く、鹿は近く、遠近を対比させたテンポが、お遍路の風景を軽快に彩ります。

    (監修:神野)

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  • 相触れて たかぶりあへる 曼珠沙華

    2026.10.09 放送

    作者:三好潤子

    曼珠沙華はこの時期、田んぼの畦道や堤防などに群生します。三〇センチほどのすっと伸びた茎に、真紅の花数個を輪状につけて咲きます。白い曼珠沙華も見かけますが、この句の花は赤でしょう。天に向けて開くあの燃えるような赤。曼珠沙華どうしが揺れて触れ合い、高ぶっていく赤です。

    (監修:谷)

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  • 柿くふも 今年ばかりと 思ひけり

    2026.10.08 放送

    作者:正岡子規

    柿が店先に並ぶようになりました。柿好きだった子規の随筆「くだもの」によると、書生時代には樽柿ならば七つか八つを食べていたそうです。樽柿は渋を抜いた柿です。明治三十四年、身動きもままならない病人になっていましたが「今年ばかり」と、しみじみ柿を楽しみました。翌年、柿の季節の到来を待たずに亡くなりました。

    (監修:谷)

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  • 秋さびし ああこりやこりやと うたへども

    2026.10.07 放送

    作者:高柳重信

    俳句では「秋は」立秋の八月八日頃から、立冬の前日までを指します。空気が澄んで爽やかになる反面、枯れしぼむ衰退の季節でもあります。さみしさに囚われて、いっそ「ああこりゃこりゃ」と歌ってみます。「こりゃこりゃ」は、歌の中や終わりに入れて調子をとるための言葉。声を張り上げてみても、心の調子は整わないままの秋です。

    (監修:谷)

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  • 鶴を折る 十月の音 すこしして

    2026.10.06 放送

    作者:須山つとむ

    折り紙で鶴を作る時には、なんとなく自分がしおらしくなっている気がします。一枚の色紙をこまごまと折っていき、最後に羽をピンと伸ばす。据わりが少々悪くても、出来上がった鶴に愛情を感じます。十月の音とは、秋が深まって少し冷ややかな音でしょうか。折ることに一心になった人に聞こえた、鶴の声かもしれません。

    (監修:谷)

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  • 胴伸びる ときの無想や 秋の猫

    2026.10.05 放送

    作者:橋 �關ホ

    「秋思」という言葉があるように、秋は感傷的な気分の中で思索し、もの思いに浸ります。それがこの猫はどうだ、と半ばあきれ顔あるいは羨ましく眺めているようです。胴を伸ばした猫の、目を細めた辺り構わぬ顔を「無想」と哲学的に表現しました。秋思どころか、心に思うことなど何もないと言った顔です。

    (監修:谷)

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  • 日暮るると 椋鳥の百 騒ぐなり

    2026.10.02 放送

    作者:石田郷子

    椋鳥は東北地方などに繁殖して、秋に南下します。全長25センチほどで、全体灰褐色です。特に椋の実を好んで食べる事から、この名が付いています。「百」は多い事を現します。電線に並んでいたり、日が暮れると木々の中で騒ぐ声に遭遇します。うるさくもあり、怖くなって思わず竦みます。鳴き声を離れると、ほっとします。

    (監修:谷)

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  • 秋の夜や 古き書読む 南良法師

    2026.10.01 放送

    作者:与謝蕪村

    秋の夜は長く、月もきれい。虫の声が聞こえ、そして灯火に親しみます。「南良」は、奈良県のこと。僧侶が読む古書は、仏教に関する本を想像しますが、荒法師として名高かったという東大寺や興福寺などの僧は、軍記物を好んだことも想像されます。ともあれ、蕪村の時代から、読書に親しむ秋の夜に変わりはないようです。

    (監修:谷)

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11月のお題は
「七五三」 です

応募フォーム、メールアドレス、ハガキの中からご応募ください。メールアドレス、ハガキでのご応募は、お題を含む俳句(ふりがな)・氏名(ふりがな)・住所・電話番号・メールアドレスを記載してお送りください。一人何句でも応募可能です。選ばれた俳句は、EBC Live News「きょうの俳句」コーナーでの放送のほか、テレビ愛媛のホームページ等で紹介します。作者の氏名(ペンネームの場合はペンネーム)、お住いの市町名(ジュニアの場合は学校名)も紹介されます。
(採用された方には放送日を事前に連絡し、記念品を贈らせていただきます。)
※俳句の募集は、毎月第2月曜日、午後6時から開始します。

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・応募作品は未発表で、ご自身の作品(著作権がご自身にある作品)に限ります。
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