「聞ける俳句」は、
テレビ愛媛の夕方のニュースで
これまでに紹介された俳句を
『見て』『聞いて』
楽しんでいただけます。

監修:神野紗希、谷さやん

  • 春光に 触れなんとして 乗り換えす

    今日の俳句

    2025.02.07 放送

    作者:対馬康子

    長く厳しかった冬が終わり、ようやく春の気配が辺りに満ちてくる。そのような春の景色を「春光」といいます。電車の車窓を流れていく早春の景色に、心身のこわばりがほぐれて行くようです。春光に触れたいと、思わず電車を降りてしまう気持ち、わかる気がします。暖かい陽ざしに包まれ、心地よい風に当たりながら、目的地までの次の電車を待ちます。

    (監修:谷)

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  • 帰る雁 沖白う夜は風寒し

    今日の俳句

    2025.02.06 放送

    作者:藤野古白

    雁の鳴き声は高くてどこか寂しいです。日本で越冬し、春に再び北方へ帰っていく雁。海の夜空を延々と行く声は、尚更悲しく響くことでしょう。「沖白う夜は風寒し」の、漢詩のような韻律が胸に迫ります。古白は愛媛県上浮穴郡久万町生まれで、正岡子規と従弟です。二十三歳の時ピストル自殺で亡くなって後、子規が「古白遺稿」を出版しました。

    (監修:谷)

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  • 春暁や よいしよと妻の 掛声も

    今日の俳句

    2025.02.05 放送

    作者:藤田湘子

    春暁は春の夜明けの、東の空がしらみかける頃のこと。まだ薄暗く、鳥の声もこれからという時刻です。『枕草子』の「春はあけぼの」は、もう少しあとです。まどろみを破るように聞こえたのは、妻の「よいしょ」。およそ春暁に似合わないことばに思えて、笑いがこみ上げます。でも春の暁には、この掛け声もどこか艶やかに聞こえたかもしれません。

    (監修:谷)

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  • 落ち込むと 水仙の芽を よく見つけ

    今日の俳句

    2025.02.04 放送

    作者:城田怜子

    水仙の花には心惹かれますが、地上に出たばかりの緑の短い芽に、それとは気づかず過ごしそうです。気持ちが落ち込んでいると、うつむきがちです。うつむくのも悪くないなあ、と思わせてくれたかも知れません。水仙は、寒さに当たることが大事だそうです。冬の土を押し上げてまっすぐ出て来た芽に、勇気づけられました。

    (監修:谷)

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  • さざ波は 立春の譜を ひろげたり

    今日の俳句

    2025.02.03 放送

    作者:渡辺水巴

    今日は立春。一年を十五日ごとに区切った二十四節気の一つで、春が始まる日です。まだ肌寒いながら「立春の」と、冠すると何もかも春めいて見えてきます。さざ波が音符を広げていく、と描いた光景がすてきです。胸の中も、春のさざ波で満たされてくるようです。大きな海、あるいは小さな水たまりでも、今日はさざ波が譜を広げています。

    (監修:谷)

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テレビ愛媛ではみなさまから
俳句を募集しています!

2月のお題「薄氷」の
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ハガキからの応募:〒790-8537
テレビ愛媛「きょうの俳句」係

応募フォーム、メールアドレス、ハガキの中からご応募ください。メールアドレス、ハガキでのご応募は、お題を含む俳句(ふりがな)・氏名(ふりがな)・学校名(ジュニアの場合)・住所・電話番号・メールアドレスを記載してお送りください。一人何句でも応募可能です。選ばれた俳句は、EBC Live News「きょうの俳句」コーナーでの放送のほか、テレビ愛媛のホームページ等で紹介します。作者の氏名(ペンネームの場合はペンネーム)、お住いの市町名(ジュニアの場合は学校名)も紹介されます。
(採用された方には放送日を事前に連絡し、記念品を贈らせていただきます。)
※俳句の募集は、毎月第2月曜日、午後6時から開始します。

応募規約

・応募作品は未発表で、ご自身の作品(著作権がご自身にある作品)に限ります。
・他人の作品に著しく類似、または他人の作品の盗用など、第三者の権利を侵害する可能性があると判断した場合は、応募の対象外とします。
・テレビ愛媛は応募作品による権利の侵害等に対し、一切の責任を負いません。

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監修の先生のご紹介

  • 池内恵吾

    神野紗希(こうのさき)

    松山市出身。松山東高時代に「俳句甲子園」で優勝。お茶の水女子大学卒業。東京を拠点に俳人として活躍し、NHK「俳句王国」司会も担当。『日めくり子規・漱石』にて第34回愛媛出版文化賞大賞。第11回桂信子賞。現代俳句協会副幹事長。聖心女子大学・立教大学講師。2022年春から愛媛・伊予観光大使。句集に『すみれそよぐ』他。

  • 神野紗希

    谷さやん(たにさやん)

    松山市生まれ。西条市丹原町で育つ。松山大学卒業。1996年作句開始。句集『逢ひに行く』で宗左近俳句大賞受賞。『芝不器男への旅』、『不器男百句』(坪内稔典/谷さやん共著)、俳句とエッセイ『空にねる』。「船団」(2018年散在)を経て、現在「窓の会」常連。愛媛新聞カルチャー教室「さやんの楽しむ俳句」、「みんなで子規を読む」講師。

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