2020年12月の俳句

  • 家の灯を増やして メリークリスマス

    2020.12.25 放送

    作者:森岡智子

    「クリスマス」とは、キリストのミサという意味です。キリストの降誕を祝う日といわれますが、キリスト誕生の日は記録にはなく、ヨーロッパで冬至を祝う風習と結びついて、12月25日がクリスマスになったようです。日本では、キリスト教徒でない人たちにも習俗として定着し、俳句にもよく詠まれています。この句は、ふだんより増やした「家の灯」がいかにも一般家庭のクリスマスらしいです。

    (監修:池内)

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  • ふるさとの 海を旅して 年惜しむ

    2020.12.24 放送

    作者:波戸岡旭

    今年も、あと一週間となりました。この時期、おのずから過ぎた一年が思い起こされ、懐かしさ、残念さなど、さまざまな思いが沸き上がって来ます。「年惜しむ」は、そうした年が暮れる頃の感慨のこめられた季語です。年末に帰郷した作者は、懐かしいふるさとの海辺を巡りながら一年を振り返っています。ふるさとの海は、年惜しむのに最もふさわしい所かもしれませんね。

    (監修:池内)

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  • 子が買うてくる 朝市の注連飾り

    2020.12.23 放送

    作者:所山花

    注連飾はお正月の飾りですから新年の季語ですが、注連飾を作ったり売ったりするのは年末の行事で「注連作」「飾売」といい、冬の季語です。年の市や正月用品を売る天幕張りの出店で、門松などの正月飾とともに、注連飾が売られます。作者のお子さんは、朝市へ買物に出かけたついでに、注連飾も買って来たのでしょう。今年も余すところ一週間ほどとなりました。

    (監修:池内)

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  • 水鳥を統べ 白鳥の鳴き交はす

    2020.12.22 放送

    作者:大串章

    水に浮かぶ鳥をまとめて「水鳥」といいます。鴨、雁、鳰、鴛鴦、鷗など。多くは秋に北の方から渡ってくる冬鳥です。そんな水鳥の中でも、最も大きくて美しく、王者のような貫禄があるのが「白鳥」です。頸が長く、目元の部分は羽毛がなく、鮮やかな黄色の嘴をしています。そんな白鳥の家族が、多くの水鳥たちを統率するための号令を出すかのように鳴き交わしています。

    (監修:池内)

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  • 小康の妻に 柚子湯を沸かしけり

    2020.12.21 放送

    作者:小倉英男

    今日は冬至。冬至の日には柚子の実を浮かべたお風呂に入り、無病息災を願うという風習があります。これが「柚子湯」です。五月の菖蒲湯とともに、植物の薬効から生命力をもらうためと考えられます。作者は92歳の方。同じくご高齢で病気がちの奥様も、何とか小康状態を保っておられるようです。老夫婦が芳しい香りの柚子湯を楽しんでいる、ほっこりとする情景が浮かんでくる作品です。

    (監修:池内)

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  • さよなら三角 またきて四角 おでん食ぶ

    2020.12.18 放送

    作者:武井日出子(松山市)

    「さよなら三角またきて四角」、なつかしい言葉遊びをつぶやきながら、おでんを食べています。そういえば、おでんの中には、こんにゃくやはんぺんなど、三角や四角のかたちをした種がたくさん。「さよなら」とつぶやいた少し寂しい気持ちを、おでんがあたたかく癒やしてくれます。つい口ずさみたくなる、心にしみる一句です。

    (監修:神野)

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  • 仕事終え おでん屋台で 待つ電車

    2020.12.17 放送

    作者:北村達也(松山市)

    仕事を終え駅へ向かうと、ちょうど電車が出たところ。地方都市では本数も少ないので、次の電車が来るまで数十分あります。そんなときには、駅前のおでん屋台をのぞきます。おでん屋も、時間をつぶす需要を見込んで、駅前に陣取っているのでしょう。さてさて、飲み過ぎて、もう一本、乗り損ねてしまわないように。

    (監修:神野)

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  • 完売の 学園祭の おでんかな

    2020.12.16 放送

    作者:宍野 宏治(松山市)

    学園祭ではよく、クラスごとに屋台を担当します。たこ焼き、綿菓子、フランクフルト。その中で、おでんが完売したのです。お客さんで賑わった学園祭だったのでしょう。もしかしたら、少し肌寒い日だったのかもしれません。家庭や居酒屋の印象が強いおでんを、ユニークな場所に見つけ、若々しく詠みました。

    (監修:神野)

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  • おでん屋を 出れば真っ暗 深山星

    2020.12.15 放送

    作者:岩渕晃三(松山市)

    夕方、軽く飲もうと、おでん屋に立ち寄ります。あたたまるひとときを過ごし、会計を済ませて出れば、外は真っ暗。いつの間に、時間が経ったのでしょう。夜空には美しい山のシルエットが浮き上がり、その上には冴えざえと、冬の星が輝いています。人間の営みを包む、自然の懐の深さを思います。

    (監修:神野)

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  • 真向ひに海 コンビニのおでん旗

    2020.12.14 放送

    作者:みなと(北海道)

    冬が近づくと売り出すコンビニのおでんも、今では定番となりました。全国津々浦々、真向かいが海という立地のコンビニでも、おでん販売を知らせる幟が立っています。冬の荒い海風が吹いてきたら、おでん旗は、激しくはためくのでしょう。眼前に広がる海の寒さは、おでんが冬の季語だということを思い出させます。

    (監修:神野)

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  • ボーナスや クリームパンを 二つ買ひ

    2020.12.11 放送

    作者:如月真菜

    年末賞与、ボーナスも冬の季語です。お財布にも少し余裕ができるころ、さて何を買いましょう。選んだのはクリームパン。二つだから、誰かと食べるのでしょう。日常のささやかな贅沢を描きました。今年はコロナ禍でなかなか厳しい状況ですが、クリームパンを食べる喜びくらいは味わいたいものです。

    (監修:神野)

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  • 静止衛星直下 熊の子眠るなり

    2020.12.10 放送

    作者:渡辺誠一郎

    静止衛星とは、赤道上空の軌道をまわる人工衛星です。周期が地球の自転と同じ24時間なので、地上からは静止しているように見えます。その衛星の下、地球のふところで、熊の子はすやすやと眠っています。衛星と熊の子を直接結びつけ、さえざえと広がる宇宙のスケールを描き出しました。

    (監修:神野)

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  • 妻の嘘 夫の嘘や 漱石忌 

    2020.12.09 放送

    作者:阿波野青畝

    今日は、明治を代表する文豪・夏目漱石の忌日です。大正5年12月9日、胃病の悪化により、49歳でこの世を去りました。漱石が書いた人生の機微は、いつの時代にも通じる普遍性をもっています。妻も夫も嘘をつきつつ、互いに生活を続けてゆくのも、人生のひとつの形。人間の複雑さに思いをはせる漱石忌です。

    (監修:神野)

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  • そもそも真珠湾がと 膝に冬帽子

    2020.12.08 放送

    作者:池田澄子

    昭和16年12月8日、日本海軍はハワイの真珠湾を攻撃し、日本はアメリカとイギリスに宣戦布告しました。今日は太平洋戦争の開戦日です。その後、悲惨な敗戦へ至るきっかけとして、真珠湾攻撃を振り返る人の姿を見据えました。握りしめた冬帽子が、失った誰彼への悔恨の情を示します。

    (監修:神野)

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  • 山鳩よ みればまはりに 雪がふる

    2020.12.07 放送

    作者:高屋窓秋

    一年を二十四の季節に分けた二十四節気、今日から「大雪」です。各地で本格的に雪が降り積もり、冬らしくなってきます。山に住む鳩のまわりにも、きっと静かに雪が降りはじめているころでしょう。山鳩の視点になることで、雪を見つめる純粋無垢な心が表現されました。

    (監修:神野)

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  • 枯蓮 折れ伸び倒れ 沈み浮き

    2020.12.04 放送

    作者:佐藤明彦

    夏には青い大きな葉を水の上に開いていた蓮も、冬は枯れ果てて無残な姿となります。そんな冬の蓮を表す季語が「枯蓮」。「枯はちす」とも読みます。葉は枯れて水中に沈んだり、折れ曲った茎を泥に突き立てたり、まことに哀れな有様です。この句は、敢えて動詞をいくつも重ねて使うことで、枯蓮の荒涼たる風情を、みごとに浮き彫にしています。

    (監修:池内)

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  • 湯豆腐の しやうゆの香り なつかしや

    2020.12.03 放送

    作者:友岡子郷

    豆腐を鍋で煮るだけ、という手軽なようで奥深い料理が「湯豆腐」です。土鍋に昆布を敷き、切った豆腐を沈めて煮え過ぎないように煮立て、葱や削り節の薬味を添えて食べます。出汁やポン酢なども使われますが、作者はシンプルな醤油味がお好きなようです。醤油の香りのする湯豆腐こそ、安直にして最も日本的な冬の食べ物といえるかもしれません。

    (監修:池内)

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  • 埋火の 透きとほりたる 赤さかな

    2020.12.02 放送

    作者:櫨木優子

    火鉢や囲炉裏の火種を長持ちさせたり、火力を調節するために灰の中に炭火を埋めたものが「埋火」。「いけ火」「いけ炭」ともいいます。消えたように見えても、芯はしっかり燃えています。胸中燃えあがる余力のあることの譬えにも使われる季語です。埋火の秘めたエネルギーを、色と姿でリアルに描いた一句。作者は大洲市にお住いの俳人です。

    (監修:池内)

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  • 天空を容れて甘やか 冬ざくら

    2020.12.01 放送

    作者:佐怒賀正美

    十一月ごろから一月ごろにかけて咲く桜が「冬桜」。春の桜にくらべると花は小ぶりな白い一重咲きで地味な感じですが、返り花とは違ってかなり多くの花が開きます。冬空の下に咲く姿は、儚さの中に凛とした風情を漂わせています。この句は「甘やか」という表現で、冬桜の独特の美しさを描いています。なお「寒桜」は冬桜とは別の種です。

    (監修:池内)

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(採用された方には放送日を事前に連絡し、記念品を贈らせていただきます。)
※俳句の募集は、毎月第2月曜日、午後6時から開始します。

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