2025.06.27 放送
季語「汗」は、夏の体温調節のために出る汗のことを言います。「汗ばむ」、「玉の汗」、「汗水」など暑さによって汗の表現が変わります。汗をかきながら、ひたすら目的地まで歩きます。途中で目に入るポストは、常に赤。当たり前のことですが、その赤が今日は暑さを増幅させる感じ。もっと速く歩くよう、促されているようなのです。
(監修:谷)
2025.06.26 放送
蚯蚓は梅雨の頃、よく地上に出て来ます。土を食べ、その土が蚯蚓の腸の中を通って排泄されると、肥えた土に生まれ変わるそうです。有難い生き物なのですが、見た目で人に嫌われがち。そんな蚯蚓の行方を楽しそうに見つめています。待望の雨を待ち望んでいたのは、蚯蚓も同じ。人目など気にせず、のびのび進みます。
(監修:谷)
2025.06.25 放送
夏の季語「氷菓」は、かつては果汁や砂糖水を凍らせたアイスキャンディーのことでした。現在はアイスクリームやソフトクリームが人気です。てっぺんが好き、と始まって、何かと思えばソフトクリーム。なるほど、と膝を打ち、そこからのジャングルジムへの意外な展開もまた愉快です。どちらもてっぺんに魅力があります。
(監修:谷)
2025.06.24 放送
梅雨は五月雨の降る時候のことですが、五月雨、五月雨は、雨そのものを言います。庭の花が乏しくなって、屋内にも飾れず、なんだか殺風景。花好きの人なのでしょう。近所の花屋を覗いてみましたが、そこにさえこれといった花が見当たりません。諦めた気もしますし、一、二輪求めて、五月雨の中を帰ったでしょうか。
(監修:谷)
2025.06.23 放送
梅雨は梅の熟す時期の雨のことです。また、青葉の頃なので青梅雨とも呼び、梅雨のイメージを明るくします。庭に繁った樹々が雨に打たれて、窓を流れる雨粒は、まるで緑色に染まるようです。その大きなガラス窓の部屋では、ピアノの前で歌のレッスン中。背筋をピンと張り、力の限り歌う歌と、雨音の交響です。
(監修:谷)
2025.06.20 放送
制服が夏服に切り替わると、教室も一気に夏らしくなります。国語の授業、今日の教材は、平安時代の随筆「枕草子」。その冒頭は、春夏秋冬それぞれの心惹かれる風物をしたためるところから始まります。「枕草子」の言葉の向こうに、これから訪れるさまざまな夏が、きらめきます。
(監修:神野)
2025.06.19 放送
衣替えをしたら、どこへ出かけましょう。この句では、なんとパリの凱旋門を訪れました。パリに住む人たちだって、衣替えはするのですから、季語は日本だけのものではないのですよね。涼しげな格好で、颯爽と闊歩すれば、夏の日差しが眩しく降り注ぎます。
(監修:神野)
2025.06.18 放送
衣替えの最中、吹いてくる風に雨の気配を感じ取りました。衣替えをするころは、梅雨も近づき、雨も力強くなってきます。佳境という言葉が衣替えの作業の経過を示し、嗅いだ風の匂いにふと、季節のリアリティが匂います。雨が来る前に、片付きますように。
(監修:神野)
2025.06.17 放送
衣替えを済ませたあとか、その最中に休憩しているのでしょう。珈琲や紅茶に砂糖を掬い入れ、残った砂糖を匙の背の部分で平らにします。さりげない無意識の行動ですが、あるあると頷かされるリアリティ。砂糖のさらさら、匙のきらきらも、涼しさを呼んでくれます。
(監修:神野)
2025.06.16 放送
さいきん動物園に行ったのでしょうか。子どもが、フラミンゴの真似をして、片足立ちでポーズをとります。衣替えを済ませた半袖半ズボンから手足がすらりと伸びるさまは、すこやかそのものです。ささやかな一場面に子どもらしさが光る、楽しい一句です。
(監修:神野)
2025.06.13 放送
ていれぎは、清流の水辺に生える草です。松山では食用に摘まれ、刺身のつまなど料理に添えられます。ていれぎの草が、川のふちでそよいでいます。水は流れ、風は吹き、涼しさが通り過ぎます。衣替えをするころの季節の風景を、すがすがしく切り取りました。
(監修:神野)
2025.06.12 放送
分からない未来は、たしかに不安です。でも、分かる未来など本当はありません。未来とは常に、何が起こるか、どう変化するか、分からないものです。未来を恐れながらも、衣替えをして、一歩踏み出します。大丈夫、きっと分からないからこそ、新鮮な夏が待っています。
(監修:神野)
2025.06.11 放送
衣替えをした夏服は、風通しがよく、シースルーの透ける素材もあります。半袖になった腕の時計でしょうか。歯車の構造がそのままあらわに見える、スタイリッシュなデザインです。歯車が透けているのも、なんだか涼しそう。軽やかに、夏の時間を駆け抜けます。
(監修:神野)
2025.06.10 放送
衣替えをすると、手首や足首があらわになるので、アクセサリーが目立ちます。腕に嵌める大ぶりのバングルも、衣替えのタイミングで、ちょっとメンテナンス。息を吹きかけて、布でキュッキュと磨けば、強くこぼれる夏の日差しに、バングルが分厚く光ります。
(監修:神野)
2025.06.09 放送
季節に合わせ、着るものも変化します。箪笥やクローゼットの衣服を夏ものに入れ替えるのが「更衣」です。長袖やニットを片づけ、涼しい素材やデザインの服を出すと、いよいよ夏を実感します。空を飛ぶ夢を見た朝、衣替えしようと思い立ちました。青空のすがすがしさが、涼しい気分を引き立てます。
(監修:神野)
2025.06.06 放送
野球のクライマックスとも言える満塁のシーンです。選手も観客も固唾を呑みます。野球ファンにはときめきの短歌です。この子規の歌碑が、松山市内の椿神社・伊豫豆比古命神社にあります。短歌の隣には、今週三日に亡くなった長嶋茂雄さんの名前が刻まれています。奉納をされた長嶋さんが、この短歌を選ばれたのでした。もしかしたら、満塁のバッターボックスに立った現役時代の自分が、蘇ったのかもしれません。
(監修:谷)
2025.06.05 放送
舟に乗って「鵜飼」を楽しんでいる句です。夏の風物詩鵜飼いは、篝火を焚いて飼い慣らした鵜を使って、鮎をとります。鵜とともに、自分の心も水をくぐって行くという、鵜との一体感を詠んでいます。火に照らされた川の中は、激しくもきらきら輝いているでしょう。日本三大鵜飼いに数えられる、大洲市肱川の鵜飼いが始まりました。
(監修:谷)
2025.06.04 放送
枇杷は果肉が三割ほどで、あとは数個の大きな種が占めています。ごろりと出てくる種は、つやつやして、とてもきれい。存在感が圧倒的です。この種あってこその枇杷だと、この人は実を啜りながら悦に入っている様子。そういえば西瓜や葡萄は種なしに人気が出てきましたが、枇杷は自信に満ちて、種を包んでいる気がします。
(監修:谷)
2025.06.03 放送
郭公は五月頃に南方からやってくる渡り鳥です。高原や平地の樹林などに住みます。紛れもなくカッコーと鳴くので、出会えばすぐに分かります。毎朝、楽しみにしていた鳴き声でしたが、住処を変えたのでしょうか。隣人のように表現した「引っ越し」に、さみしさと同時に、潔い諦めを感じます。郭公の居なくなった緑がやけに広いです。
(監修:谷)
2025.06.02 放送
六月頃、若い果実が自然に落ちる現象を「ジューンドロップ」と言います。例えば、柿の木の下に沢山の小さな実が落ちているのを見かけます。樹木自身が弱るのを防ぐ現象だそうです。ポストに行く途中に柿の木があって、自分を律する木の姿に敬意を表しているのでしょうか。きちんと髪を整えて、ポストに向かいます。
(監修:谷)
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