2025年8月の俳句

  • 鬼百合が しんしんとゆく 明日の空

    2025.08.13 放送

    作者:坪内稔典

    坪内稔典は、伊方町出身の俳人です。ふだんの言葉を使った「口語俳句」で知られ、俳句の特徴は、簡単に覚えて口ずさみやすい「口誦性」にあると考えました。この句も、シンプルな言葉で感覚が言いとめられています。鬼百合の花のオレンジは、まるで激しい夕焼けの色のようです。夏の日差しを受けて暮れてゆく鬼百合に、明日の空、未来の時間を想像します。

    (監修:神野)

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  • 昼顔や 蓬の中の 花一つ

    2025.08.12 放送

    作者:内藤鳴雪

    内藤鳴雪は、松山藩の教育行政に携わり、東京で学ぶ松山の学生たちの寮・常磐会寄宿舎の監督になりました。そこで20歳年下の学生・正岡子規と出会い、弟子として俳句を教わりました。蓬が生い茂る中に、昼顔の花が一輪、しらじらと花をひらきます。蓬の濃い緑と草の香りが、昼顔の花の清らかさを、いきいきと際立たせます。自然を静かに見つめた俳句です。

    (監修:神野)

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  • ふるさとの 幾山垣や けさの秋

    2025.08.07 放送

    作者:芝不器男

    芝不器男は、明治36年、現在の松野町に生まれました。ゆたかな調べにみずみずしい感性を輝かせ、俳壇の期待を集めましたが、病を得て26歳で夭折しました。今日は立秋です。「けさの秋」は、立秋の朝を指す季語です。ふるさと松野の山々も、立秋を迎え、どこかすっきりと見えます。幾山垣というゆったりとした言葉に、ふるさとへの思いが懐かしく香ります。

    (監修:神野)

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  • 爆心地で汗する 無数の黙に合ひぬ

    2025.08.06 放送

    作者:相原左義長

    松山市出身の相原左義長は、戦後の愛媛俳壇を牽引した俳人です。青年時代に広島駅で被爆し、爆心地をさまよった経験から、原爆や戦争、平和への思いを詠んできました。被爆した人の汗、その後の広島で黙祷する人の汗……。言葉にならない思いが汗に滲みます。今日は広島に原爆が落とされた日です。戦後八十年目の夏。失われたものを悼み、平和の実現を祈ります。

    (監修:神野)

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  • 汗しつつ 大いに笑ひ 汗垂れたり

    2025.08.05 放送

    作者:石田波郷

    石田波郷は、松山市に生まれ育った俳人です。人生や生活を詠み、俳句を通して生きることと向き合いました。この句は「汗」という夏の季語が二回繰り返されています。汗をかきながら、語り合って大いに笑い、さらに汗が垂れてきます。汗をかくことは生きて居る体を、笑うことは生きている心を、それぞれ感じさせます。人間の本質を見つめた一句です。

    (監修:神野)

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  • 草枕の 我にこぼれよ 夏の星

    2025.08.04 放送

    作者:正岡子規

    正岡子規は、明治時代に活躍した松山出身の俳人です。新しい時代に合わせて俳句を革新し、病と闘いながら、現在の俳句の基礎をかたちづくりました。草枕とは、旅の途中で眠ることです。病気になる前の子規は、旅が好きな青年でした。野原に寝ころんで夜空を仰げば、涼しい夏の星がきらきらと輝きます。若い子規は、未来にどんな夢を見ていたでしょうか。

    (監修:神野)

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  • 青葉騒 悲しいときは 歯を磨く

    2025.08.01 放送

    作者:なつはづき

    「青葉騒」は、青葉が風で触れ合う音を感覚的に現わした季語です。青葉の頃のきれいな言葉です。さて、悲しいときに起こす行動を想像してみます。思いっきり泣く、趣味に没頭する、部屋を片付けるなど。この人は、歯を磨くというユニークな行動にでます。無心に磨いていると、曇った心もすっきりしそう。

    (監修:谷)

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テレビ愛媛ではみなさまから
俳句を募集しています!

9月のお題は
「水澄む(みずすむ)」 です

応募フォーム、メールアドレス、ハガキの中からご応募ください。メールアドレス、ハガキでのご応募は、お題を含む俳句(ふりがな)・氏名(ふりがな)・住所・電話番号・メールアドレスを記載してお送りください。一人何句でも応募可能です。選ばれた俳句は、EBC Live News「きょうの俳句」コーナーでの放送のほか、テレビ愛媛のホームページ等で紹介します。作者の氏名(ペンネームの場合はペンネーム)、お住いの市町名(ジュニアの場合は学校名)も紹介されます。
(採用された方には放送日を事前に連絡し、記念品を贈らせていただきます。)
※俳句の募集は、毎月第2月曜日、午後6時から開始します。

応募規約

・応募作品は未発表で、ご自身の作品(著作権がご自身にある作品)に限ります。
・他人の作品に著しく類似、または他人の作品の盗用など、第三者の権利を侵害する可能性があると判断した場合は、応募の対象外とします。
・テレビ愛媛は応募作品による権利の侵害等に対し、一切の責任を負いません。

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〒790-8537 テレビ愛媛「きょうの俳句」係

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