2025.07.31 放送
ロシアの国花は向日葵です。極寒のイメージが印象的なロシアが向日葵とは意外な気がしますが、食用油の原料として身近な存在です。種は、つまみやおやつに欠かせないそうです。向日葵に、ロシア語が似合うと断言する感覚に共感できない人もいるかも。映画の名作「ひまわり」を、もう一度観てみたいです。
(監修:谷)
2025.07.30 放送
作者・梅屋は、正岡子規門で活躍した俳人です。松山で小学校の教員をしながら、俳句に打ち込みました。現代でも、この句のような景色に出合うことはあります。不便そうで辺りは荒れている中に、稲が伸びて青々とした田圃が一枚、目に飛び込んできます。その鮮やかさに胸を打たれ、人の尊い営みに出合った気がします。
(監修:谷)
2025.07.29 放送
「蜜豆にする?」と、女子が連れだって蛤御門を出て来ます。涼しげな夏の食べもの蜜豆に、みんなの意見が一致したでしょう。いや「ビールしよ!」と言い出した人がいたかも。蛤御門は、京都御所外郭西側の門。上ルは、京都では北に行くことですから、御所をさらに北に歩いて行くのですね。足取りも軽やかに。
(監修:谷)
2025.07.28 放送
「蝉時雨」は一斉に鳴き出す蝉の声です。急に降り出して間もなく止む時雨に似ていることで付けられました。蝉時雨の中に入っていくと、その声に圧倒されて気が遠くなるようです。かつては蝉の拠り所だった木が椅子になり、蝉の声を呼んでいる。鳴き声がぽっと止むとき、それは朽ちた椅子の命のようでもあります。
(監修:谷)
2025.07.25 放送
検診で、おなかの子どものエコー写真をもらったのでしょう。よく見たら、口をあけ、まるで欠伸をしているみたい。のんびりした様子に、ふっと肩の力が抜け、自然と笑みがこぼれます。ほんものの欠伸が見られるまで、あと少し。トマトを食べ、お母さんと赤ちゃんの栄養にして、夏を乗り切れますように。
(監修:神野)
2025.07.24 放送
トマトは南米原産の野菜です。かつてアンデス山脈からもたらされた種を、アステカ族が栽培していました。のちにアステカは侵略によって滅ぼされ、トマトがヨーロッパに持ち込まれて広まったといわれています。朝食にトマトを食べるとき、ふと、もう存在しない文明の時間に思いを馳せます。
(監修:神野)
2025.07.23 放送
「かぶりつく」と「がぶりよる」、ひびきの似た言葉をテンポよく並べ、楽しく仕立てました。トマトを食べながら、テレビで相撲を見ているのでしょう。がぶり寄りは、琴奨菊の得意技でした。長く土俵を沸かせ続けた琴奨菊のように、私もトマトをがぶりと齧り、どっしりと力を蓄えます。
(監修:神野)
2025.07.22 放送
太陽はいつか膨張し、最終的には赤くなって、今の二百倍から三百倍の大きさに膨れ上がると言われています。エネルギーを放出し続ける太陽の光を浴びて、トマトもぐんぐん大きくなります。はるかな太陽と、ここに実るトマトと。宇宙がいきいきと育つ夏です。
(監修:神野)
2025.07.21 放送
水分や気温の関係で、皮がさけて実割れしてしまったトマトもあります。でも、だいじょうぶ。煮込み料理に使えば、お日さまを浴びた旨みが、たっぷり溶け出します。大地の恵みをできるだけ無駄にせず、ほがらかに活用する姿勢、大切にしたいですね。
(監修:神野)
2025.07.18 放送
悪友と呼べるほど親しくしてきた友人も、還暦を迎えました。それを祝って一杯酌み交わしているのでしょうか。還暦を迎えたお祝いには赤いちゃんちゃんこを羽織ったりしますが、ここでは赤いトマトを頼みました。冷やしトマトをつつきながら、積み重ねてきた思い出を懐かしく振り返ります。
(監修:神野)
2025.07.17 放送
結婚しても毎日同居はせず、週末だけともに過ごすのが「週末婚」です。単身赴任などの場合もあれば、夫婦のスタンスとして平日は自由に過ごすという考え方もあります。一人の時間、トマトに塩を振り、さっと食事を済ませます。気ままな涼しさも、ほのかな寂しさも、トマトと一緒に味わいます。
(監修:神野)
2025.07.16 放送
句会では、作った俳句を持ち寄り、選び合います。中でも、その日一番よいと思った俳句を特選に推します。指導的な立場の人を主宰と呼び、その選句は特に参考にされます。特選に選ばれた人には、なんと主宰の畑でとれたトマトが賞品に。地域に密着した、アットホームな句会です。
(監修:神野)
2025.07.15 放送
ミニトマトは、ひとつの茎にいくつもの実を連ねてつけます。熟れたミニトマトを摘んでゆくとき、そのさまを星座のようだと見立てました。今日の食卓のミニトマトも、星のかけらだったりして。小さなトマトと、大きな宇宙の星を結びつけた、ダイナミックな連想が光ります。
(監修:神野)
2025.07.14 放送
トマトは、夏を代表する野菜です。まぶしい太陽の光をたっぷり浴びて、丸くて真っ赤な実を育てます。バンズとは、ハンバーガーなどに使う丸いパンのことです。アルバイト先で、まかないにハンバーガーを作っているのでしょう。パンを豪快にあふれるトマトが、食欲をそそります。
(監修:神野)
2025.07.11 放送
句会の後には、しばしば二次会が用意されています。句会でぎゅっと頭を絞ったあとは、居酒屋などで緊張の続いた心身をほぐします。ここは、京都。鱧の骨切りのシャリシャリという音とコンチキチンの祇園祭のお囃子が調子よく響きます。なんだか上機嫌の句会後です。俳句の成績も良かったのでしょう。
(監修:谷)
2025.07.10 放送
和服は着るのも仕舞うのも大変そうで、日常では敬遠されがち。一方、簡易な浴衣は人気で、夜市や花火大会などの夏の風物詩を彩ります。紺の浴衣は昔ながらのどこか奥ゆかしい色合い。その紺の浴衣に自分の性格は納まらない、という自覚が可笑しいです。どうもぎこちないのでしょう。同感!と言いたい気分です。
(監修:谷)
2025.07.09 放送
夏の前半は大まかに梅雨期ですが、今年は六月に明けました。すでに、盛夏の空が広がっています。ビヤガーデン、ビヤホールは仕事帰りの人たちで犇めいていそうです。その一隅には詩人もいて、椅子を軋ませながら、口角泡を飛ばして詩論を繰り広げる情景です。他のグループとはちょっと違った雰囲気かも。
(監修:谷)
2025.07.08 放送
梅焼酎は、暑気払いの清涼飲料水として飲まれたので、夏の季語となっています。「青梅の実と氷砂糖を段々に重ねた広口のガラス瓶に焼酎を注いで家人が毎年梅酒を作る」と、小児科医で俳人の作者は解説しています。雨が好きになったのは、梅が採れる梅雨の時期から、夫人の梅焼酎が楽しみだから。
(監修:谷)
2025.07.07 放送
夏に実を結ぶ桑の実は、赤から黒く熟していきます。黒いほど、甘酸っぱくおいしいです。口をもごもごさせている子に「何を食べてるの?」と聞くと「桑の実」と答えた場面。開けて見せた口の中が紫色に染まって、きらきら輝きます。どこか懐かしい光景です。今は英語で「マルベリー」と呼ばれ、栄養価にも注目されています。
(監修:谷)
2025.07.04 放送
アステカもインカも、古代から続いてきた大陸の文明です。大航海時代、スペイン人によって滅ぼされ、植民地とされました。はるかな入道雲は、今も古代も変わらず、夏空にそびえ立ちます。現在の文明もいつしか滅びると思いながら雲の峰を仰ぐとき、地球の歴史が眩しく迫ります。
(監修:神野)
2025.07.03 放送
ふわふわと海を漂う海月も、夏の季語です。冷房の効いた会議室で、粛々と会議が続いているのでしょう。議論の中心に加わらず、ぼーっと聞いていると、海の中にいるような不思議な気分になってきました。とり落とされた舟の櫂が沈んでゆくように、しばし海月と幻想をたゆたいます。
(監修:神野)
2025.07.02 放送
白鳥座のデネブ、こと座のベガ、わし座のアルタイル。夏の夜空に輝く三つの星を結んだのが「夏の大三角形」です。夜、ぶらぶらと星を眺めていると、手持ち無沙汰が淋しくなって、自販機かコンビニで水を買いました。手の淋しさ、体の乾きの向こうに、心の空洞ががらんと広がります。
(監修:神野)
2025.07.01 放送
畑の南瓜は、秋のみのりを前にして、夏に黄色く大きな花を咲かせます。よく見れば、花びらだけでなく、その蘂も黄色です。花びらの黄色に蘂の黄色が「浮く」と表現したことで、花の立体感が描き出されました。鋭い観察がリアリティを呼び、暑い日差しの眩しさまで感じます。
(監修:神野)
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