2017年1月の俳句

  • 日脚伸ぶ 来し方よりも 行く末を

    2017.01.31 放送

    作者:高岡すみ子

    日脚とは、太陽が移動する速度と同時に、日中の時間の長さを表します。日中の時間は冬至のころ最も短く、その後は少しずつ長くなります。今日の日脚は、冬至の日より30分以上も長くなっています。「日脚伸ぶ」は、そこまで来ている春を喜ぶ心の感じられる季語です。作者は、過去よりも未来を考えながら、春を迎えたいと願っているようです。

    (監修:池内)

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  • 竹馬の 高きわが子へ つい拍手

    2017.01.30 放送

    作者:有吉桜雲

    「竹馬」は古くからある子供の遊びです。昔は笹の葉のついたままの竹を馬に見立て、またがって遊んだようです。今の竹馬は二本の竹に横木の足場を作り、乗って高足で歩くもので、冬の季語となっています。竹馬に乗って上手に歩くわが子の意外な高さにお父さんも思わず賞賛の拍手を送っています。

    (監修:池内)

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  • ラグビーの勝者 敗者を称へけり

    2017.01.27 放送

    作者:山内繭彦

    冬の球技として人気の「ラグビー」は、イギリスのラグビーという町で生まれました。学校の体育でのサッカーの最中に、エキサイトした生徒が突然ボールを抱えて敵のゴールへ突進し、それを阻止しようと相手方の生徒がタックルする。それを見た先生が考案したといわれます。試合が終われば、勝者も敗者も互いを称え合うのが、ラガ一の姿です。

    (監修:池内)

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  • 煮凝りの ふるへるといふ 凝固かな

    2017.01.26 放送

    作者:石井いさお

    煮魚を煮汁ごと寒い場所に一晩おくと、煮汁ごと固まって寒天のようになります。これが「煮凝」。煮凝ができるのは、魚の骨に含まれているゼラチン質が冷えると凝固するからです。特に鰈、?、鮟鱇などは煮凝のできやすい魚です。熱いご飯の上にのせると、煮凝はじわりと溶けてきます。この句は、煮凝の固まってゆくプロセスに注目しています。

    (監修:池内)

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  • 臘梅に 海のしののめあかりかな

    2017.01.25 放送

    作者:友岡子郷

    「臘梅」は冬も終わりのころ、葉に先立って裸のままの枝に甘い香りの黄色い花を咲かせます。まるで臘細工のように、半透明で光沢があるところから名づけられました。中国原産で、日本へは江戸時代の初めにもたらされました。この句は、海沿いの地方の夜明けの情景。明るくなり始めた東の空からの日の光が、臘梅の花をきらめかせています。

    (監修:池内)

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  • 寒林に 日差したつぷり 影たつぷり

    2017.01.24 放送

    作者:小圷健水

    葉を落とし尽くした木々が、ひっそりと並び立つ林が「寒林」。「冬木立」も同じような季語ですが、「寒林」は白樺林や櫟林のように、すっきりと立った幹が続いているのが奥まで見通せるような林です。冬でも暗い感じはなく、たっぷりと届く日ざしの中に木々が影を落とし合っています。そうした寒林の意外な明るさに注目した一句です。

    (監修:池内)

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  • 探梅や 日にふくらめる 海に沿ひ

    2017.01.23 放送

    作者:村中のぶを

    梅は別名を「春告草」とも呼ばれ、いちはやく春を告げる花。春に先立って早咲きの梅を探して野山を歩くことを「探梅」といいます。梅を観る観梅は春の季語ですが、探梅は冬の季語です。庭の梅を鑑賞するのとは違って、野趣に富み風雅の心も感じられる季語です。日当たりのよい海沿いの道には、はやくも梅がほころび始めているようです。

    (監修:池内)

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  • 大寒や どこかが軋む 家の闇

    2017.01.20 放送

    作者:岡田貞峰

    今日は二十四節気の「大寒」。文字どおり1年中で最も寒さの厳しい時期です.。しばらくは日本海側は雪、太平洋側は乾燥という、典型的な冬型の気象が続きます。寒さの中でも春は着実に近づいており、そろそろ早咲きの梅や椿が咲き始める頃です。この句、闇夜に軋んでいるのは柱か梁か。家のどこかが軋む音が、大寒の寒さを如実に表しています。

    (監修:池内)

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  • 寒雀 日ざしを得ての はしやぎやう

    2017.01.19 放送

    作者:平井さち子

    雀は四季を通じて人の暮らしに近く見られる野鳥ですが、殊に寒中は餌を求めて人家などに近づきます。そんな寒中の雀が「寒雀」です。全身の羽毛を膨らませて寒さから身を守る姿から、「ふくら雀」とも呼ばれます。人家に近づいても人にはなつかない寒雀ですが、暖かい日差しが嬉しいのか、まるではしゃぐように囀り交わしています。

    (監修:池内)

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  • 高窓に 明けの明星 寒造

    2017.01.18 放送

    作者:小路智壽子

    「寒造」とは、寒中の水でお酒を醸造すること。できたお酒も「寒造」と呼ばれます。寒造は味がよく、長く貯蔵もできるので人気があります。現在は技術革新で、酒は季節を問わず醸造されますが、以前は冬の三ヶ月間に仕込まれました。これは寒造の最中の酒蔵の夜明けの情景。寒気の中に酒の香が漂い、蔵の高窓には明けの明星が光っています。

    (監修:池内)

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  • 凍淹の 奥に落ちゐる 水の音

    2017.01.17 放送

    作者:小西領南

    厳しい寒さで凍りついた滝を「凍滝」といます。寒中には、一夜のうちに流れ落ちる姿のまま凍ることもあります。真っ白に凍った滝には、冬ならではの凄絶な美しさがあります。この凍滝、正面はすっかり凍っていますが、見えない奥の部分からは、まだ流れ落ちる水音が聞えています。作者は西条市にお住まいの俳人。俳句雑誌「黄鳥」代表です。

    (監修:池内)

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  • 寒紅や をみなは神代より強し

    2017.01.16 放送

    作者:古賀しぐれ

    寒中に作られた口紅が「寒紅」。伝統的な日本の口紅は紅花から作られますが、寒中に作られたものが品質がよいとされています。ことに丑の日に売り出す「丑紅」が喜ばれます。寒紅は化粧品というだけでなく、口からの病を防ぐ毒消しの役割もありました。日本の女性は、大昔から寒紅を引くことで、心身をぴりっと引き締めてきたのでしょうか。

    (監修:池内)

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  • 豆殻の 付け火の爆ぜし 田のどんど

    2017.01.13 放送

    作者:児玉真知子

    明後日は一月十五日で小正月。この日を中心に行われる火祭りが「左義長」です。三つ又に組んだ青竹に正月飾りなどを積み上げて焼くので「どんど」「どんど焼」ともいいます。この句は田んぼで焚かれているどんど。火を勢いよく燃やすために、豆殼を焚き付けにしています。いかにも農村らしい、どんど焼の情景です。

    (監修:池内)

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  • 老いゆくは 新しき日々 竜の玉

    2017.01.12 放送

    作者:深見けん二

    藪や林に自生し、庭にもよく植えられている多年草「竜の鬚」の実が「竜の玉」です。竜が守っている玉という意味でしょうか。豌豆くらいの小さな球形で、冬の深まりととに艶のある美しい瑠璃色に染まってきます。作者は間もなく満95歳になる方。堅くてよく弾む竜の玉のように、年を重ねるとともに日々新しい生き方を目指しておられます。

    (監修:池内)

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  • 放つまで 時をとどめて 弓始

    2017.01.11 放送

    作者:田中春生

    新年に初めて弓を射る行事が「弓始」。もともとは宮中の行事であったものが、謙倉時代から武家の行事となり、江戸時代には正月十一日に行うのが恒例となりました。現代では各地の弓道場や大学の弓道部でも、弓始めが行われています。この句、弓始めの弓がゆっくりと絞られ矢を放つまでの、息の詰まるような緊張感が描かれています。

    (監修:池内)

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  • 拝殿に 社員溢れて 初戎

    2017.01.10 放送

    作者:三村純也

    一月十日は「初戎」。「十日戎」とも呼ばれる戎様の祭りです。戎様は福の神として商人に信仰され、九日の宵戎、十一日の残り戎と合わせ、三日間は商売繁盛を祈る人々で戎神社の境内が賑わいます。参道では鯛や小判を吊した福笹が売られます。この句は、社員が揃って参拝をしている情景。会社の新製品のヒットを願っているのでしょうか。

    (監修:池内)

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  • 水色の空 成人の日に匂ふ

    2017.01.09 放送

    作者:石井保

    きょうは「成人の日」。「おとなになったことを自覚し、みずから生きぬこうとする青年を祝い励ます日」として、昭和二十三年に国民の祝日に制定されました。平成十二年から一月の第二月曜日となりました。きょうも全国の市町村では、祝賀の成人式が催されました。水色に晴れた空も、二十歳になった人たちを祝福しているようです。

    (監修:池内)

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  • 山すその 風を踏みしめ 若菜摘

    2017.01.06 放送

    作者:江崎紀和子

    正月七日は一年の最初の節句。この日は春の七草をお粥に炊き込んで食べ、無病息災を祈ります。「若菜摘」は、野に出て七草粥のための若草を摘むことで、正月六日の行事となっています。この句は山裾での若菜摘みの情景。「風を踏みしめ」の中七に、一月の野山が如実に描かれています。作者は東温市にお住まいの俳人。俳句雑誌「櫟」主宰です。

    (監修:池内)

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  • 寒に入る 風攫ふもの もうなくて

    2017.01.05 放送

    作者:和田順子

    きょうは二十四節気の「小寒」、すなわち「寒の入り」です。これからのおよそ一か月が、文字通り一年で最も寒さの厳しい時期です。昔と違って暖房器具には恵まれていますが、それでも「寒の入り」という季語には身の引き締まるような響きがあります。木々の葉も枯れ尽くし、落ち尽くし、吹きすさぶ寒風が攫ってゆくものも残っていません。

    (監修:池内)

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  • 鍬始め 天地返しの 土黒く

    2017.01.04 放送

    作者:名和未知男

    きょうは官庁、会社などの仕事始めの日。「鍬始め」は農家の仕事始めです。昔は正月十一日の行事とされていましたが、現在は二日や四日などに行われます。恵方にあたる田畑に松や榊を立て、鍬入れをして一年の豊作を祈願します。上層と下層が入れ替わるほど深く鍬を入れた土が黒々と輝いているのは、豊作の前触れかもしれません。

    (監修:池内)

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