2025.09.12 放送
もう二度と戦争はしないと誓った詩を、石に彫って碑としました。しかし、それから長い年月が経ち、今はその詩碑も草むらに覆い隠されつつあります。忘れられゆく記憶。過去の戦争を思う八月が過ぎ、秋が静かに巡ってきます。澄む水の清らかさに、反戦への祈りを託しました。
(監修:神野)
2025.09.11 放送
ビーバーは、水辺に棲む哺乳類です。その尻尾は平べったく、オールのように動かして、推進力で泳ぎます。ひんやりと澄んだ水を泳ぐのは、きっと気持ちがよいでしょう。作者の慈さんは小学五年生。ビーバーの命を通して、「水澄む」という季語が、ぐっと身近に感じられます。
(監修:神野)
2025.09.10 放送
高松から松山を経て宇和島までを繋ぐ予讃線は、愛媛の暮らしに欠かせない鉄道です。川をいくつも越えてゆく描写は、その路線の自然ゆたかな風土を物語ります。予讃線に揺られて車窓を見やれば、またきらきらと、澄んだ川の光がよぎります。その輝きに、心も静かに澄みわたってゆきます。
(監修:神野)
2025.09.09 放送
阿蘇の広やかな草原に、あか牛が放牧されています。大気が澄み、水が澄みわたる、清らかな秋。のびのびと見渡す風景に、涼しい風が吹きわたります。「風に立つ」という言葉の力強さが、あか牛の堂々とした佇まいを表現しています。大自然に生きる命の姿を、きりりと詠み上げました。
(監修:神野)
2025.09.08 放送
秋になると大気が澄むので、水もすがすがしく澄みわたります。湖や川が水底まで見えるような、清らかな美しさを伝える季語です。湖にボートで漕ぎ出し、湖上で櫂を休め、本をひらきました。きらめく光、寄せるさざなみの音。ものみな澄み渡る秋の中、しずかでゆたかな過ごし方です。
(監修:神野)
2025.09.05 放送
「鳴子」は、鳥追いの道具の一つで、秋の稲田に仕掛けます。板に竹筒や木片を並べてぶら下げ、縄を引いて音を立てて鳴らします。鳴子の縄を引いたら、朝露が一斉に光ったという句。全山の露がまるで逆立ちになったように、きらきらと。全山といい、逆立ちといい、朝の田園風景を大きくユーモラスに描きました。
(監修:谷)
2025.09.04 放送
「秋の宵」は、秋の夜に入ってそれほど時間が経っていない頃をいいます。虫の声や灯り、雨音などにも秋の情趣を感じます。例えば夫の出かけるうしろ姿に「別れし夫婦」とまで言ったのは、秋の宵の寂しさからかもしれません。長年連れ添うと夫婦の会話は少なくなりがち。今夜は二人の言葉の少なさが、際立って感じられたのでしょう。
(監修:谷)
2025.09.03 放送
俳句で「虫」は、秋に草叢で鳴く虫を指します。蟋蟀や鈴虫、キリギリスなどで、鳴くのはいずれも雄。石鹸を使ううち角が取れてきて、手の中に納まるようになると、使いやすくてうれしくなります。でも、虫の闇と取り合わすと、石鹸が手の中で消え入ってしまいそう。虫の声で暗闇がいっそう濃くなる、「虫の闇」に吸い込まれて。
(監修:谷)
2025.09.02 放送
季語「秋暑」は残暑と同じで、まだまだ夏バテになる人も少なくない時期です。面白い名のババヘラアイスは、秋田県の夏を象徴するスイーツです。おばあさんがヘラを使ってアイスを盛り付ける姿から、この名が付けられたとのこと。薔薇のように盛ります。路傍にパラソルを張っての一人売り。避暑するように路傍に寄ってみたいです。
(監修:谷)
2025.09.01 放送
立秋はとうに過ぎましたが「暑さ寒さも彼岸まで」と言われるように、まだまだ暑さを感じます。髪を刈り上げるバリカンの音は、確かに暑苦しいかもしれません。襟足からだんだんと耳の辺りに近づく緊張感。大きくうなる残暑のような音がぴたりと止んだら、涼し気でさっぱりした顔が、鏡に映ります。
(監修:谷)
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