2026.07.13 放送
実際に気温が下がって涼しくなるのは秋ですが、「涼し」は夏の季語です。暑さの中で思いがけず感じる涼しさが、特に嬉しいという感動から、夏に分類されています。家に上がるときに靴を揃える子の、うつむいたうなじが涼しげです。お行儀のよい姿を好もしく思う気持ちが「涼しさ」に託されています。
(監修:神野)
2026.07.10 放送
百日紅は、幹や枝が滑らかで、猿も滑るというのでこの名があります。また夏から九月にかけて花が長く咲き継ぐことから「百日紅」とも読みます。「その辺にいる子」とは、目立つところが無くても、他の子と混じって仲良く育ってゆく子を想像します。枝先に揺れる白やピンクの房のように、ふんわりしなやかな子どもたちです。
(監修:谷)
2026.07.09 放送
「泳ぎ」が夏の季語です。海に囲まれた日本の浜辺のあちこちが、海水浴で賑わいます。日が沈むころまで泳いでいたのでしょう。海から上がろうとする足が砂にとられます。まるでさらわれるような感覚で、転びそうに。存分に泳いだあとの、心地よい疲れです。夕砂という詩的な情景が、どこかユーモラスな人の姿を包みます。
(監修:谷)
2026.07.08 放送
冷麦はうどんより細い麺で、冷たいつゆに浸けていただきます。紫蘇、葱、茗荷など薬味を添えて、食欲が落ちる夏に好もしい食べ物です。注文した冷麦を食べているお母さん。傍らに寝かせている赤ちゃんが泣いているのに、気にせず食べているように見えます。でも実は、冷麦ゆえにさっと済ませて、赤子を抱いて席を立ち去りたいのです、きっと。
(監修:谷)
2026.07.07 放送
七夕は陰暦七月七日に行われる行事で、季語としては秋になります。ただ今日では陽暦七月七日、つまり今日、七夕祭りをする所が多いです。牽牛と織姫が年に一度だけ逢える日。橋を渡るこの人も、恋人かあるいは思いを寄せている人に会いに行くのでしょう。ふと、七夕が近い事を思い出しながら。天の川を渡る気分になっている?
(監修:谷)
2026.07.06 放送
「蟻」は春から秋まで見られますが、夏に一番活動的です。女王蟻と、多数の働き蟻で立派な社会生活を営んでいます。蟻が行列を作って巣と往復するのを「蟻の道」と言いますが、その列が進むのをやめて乱れています。蟻たちに何か異変があったのでしょう。人間から見た小さな世界の不思議を「何考えて」と表現しました。
(監修:谷)
2026.07.03 放送
薄く削った白いとろろこんぶのことを「薄雪昆布」と呼びます。暑いと食欲も落ちるので、栄養もあってとろりと食べやすいとろろこんぶを、お吸い物などにしていただきます。夏の暑さの中で、「薄雪」という冬を思わせる言葉が、心をひんやりと涼しくしてくれる一句です。
(監修:神野)
2026.07.02 放送
烏賊は夏の季語です。また、比喩として使われていますが、玉虫も夏なので、全体に夏の気配が濃く感じられます。活きのいい烏賊を調理すべくわたを抜けば、そのわたが、つやつやと玉虫色に輝いていました。烏賊のわたに美しさを見出した視点が、世界の見え方を軽やかに更新してくれます。
(監修:神野)
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