2026年6月の俳句

  • 取りこんで すぐに着るシャツ 夏旺ん

    2026.06.30 放送

    作者:柴田多鶴子

    干してあった洗濯物を取り込んで、その中のシャツをさっと羽織ります。ちょうど、汗をかいたりして着替えたいタイミングだったのでしょうか。まとったシャツはほんのりと温く、夏の日差しの匂いがします。暑い夏の日常のひとコマを、いきいきと切り取りました。

    (監修:神野)

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  • 渚ゆく 波より白き 日傘さし

    2026.06.29 放送

    作者:岡根尚美

    日傘をさし、夏の浜辺を歩いてゆきます。寄せる波は白く泡立ち、強い日差しに光ります。その波と日傘の白さを比較して、日傘のほうがさらに白いのだと言いなしました。日傘の白さから、渚を歩く心持ちの清らかさが伝わります。波も日傘もまぶしく輝く、夏の風景です。

    (監修:神野)

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  • ぶかぶかの サングラスもうかえしてね

    2026.06.26 放送

    作者:いたまき芯

    サングラスは、夏の強烈な紫外線から目を保護するための色の付いた眼鏡で、夏の季語になっています。アクセサリーとしても活躍します。お母さんが子どもにねだられて、サングラスを外しました。小さい顔にはメガネがぶかぶか。景色の色が変わって見えるのを、いつまでも面白がって離しません。眩しいから、そろそろ返してね。

    (監修:谷)

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  • そぞろ来て 橋あちこちと 夏の月

    2026.06.25 放送

    作者:五百木飄亭

    「そぞろ」は、何となくそんな気持ちになるようす、を言います。夏の夜、家を出る気分になってあてどなく歩いてみると、あちこちに橋がかかっていることに気付いた夏の夜です。どの橋にも名前がついています。涼やかな季語「夏の月」に、そぞろからの思いがけない発見のうれしさが出ています。作者は、明治三年生れ。正岡子規の友人でした。

    (監修:谷)

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  • ががんぼの 壁はががんぼだけのもの

    2026.06.24 放送

    作者:かわばたけんぢ

    ががんぼは蚊を大きくしたような虫ですが、血は吸いません。脚が細くて、掴むとぽろっととれる弱々しいしい昆虫です。灯火に誘われたががんぼが壁に止まりました。長い脚を壁にぺたっとつけて。まるでこの壁は自分だけのものだ、と言わんばかりです。見つけたこの人の眼差しもなんだか暖かいです。

    (監修:谷)

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  • 何かもの 始めたくなる 夏帽子

    2026.06.23 放送

    作者:河内静魚

    季語「夏帽子」は、日焼けを防いだり熱中症予防のために夏にかぶる帽子のことです。ことに猛暑日が続く近年では必須で、それだけにおしゃれなアイテムとしても楽しみたいもの。ちょっと奮発した帽子を鏡に映したら、何か始めたくなる気分、わかる気がします。夏に向かう元気を、夏帽子がもたらしてくれました。

    (監修:谷)

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  • 枇杷五つ 盛られて最後まで五つ

    2026.06.22 放送

    作者:津田清子

    黄色い枇杷は、五、六月ころ熟します。店頭に並ぶと、そこだけ灯がともるような明るさに思わず足を止めます。訪ねた家で枇杷が出されたのでしょうか。よく太った枇杷が五つ盛られています。五つ、とちゃんと数えたところが面白いです。誰も手を伸ばすタイミングを逃したようで「最後まで五つ」が、いかにも未練たっぷりな感じ?

    (監修:谷)

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  • 百合は戦わない 星砂が痛い

    2026.06.19 放送

    作者:鹿達熊夜(滋賀)

    百合は、清らかさや祈りを象徴する花です。戦わないという祈りに、浜辺の星の砂を重ね合わせると、沖縄戦で動員されたひめゆり学徒隊を思います。6月23日は沖縄慰霊の日です。ふと素肌に触れた星の砂を痛いと思うとき、失われた命のかけがえのなさに心を寄せ、非戦への祈りをあらたにします。

    (監修:神野)

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  • ゆふづつの 火照りを冷ませ 百合の花

    2026.06.18 放送

    作者:栗田 修次(松前)

    「ゆふづつ」とは、夕べの星と書きます。夕方の空に明るく輝く金星のことです。夏の夕方は特に、この「ゆふづつ」が鮮明に美しく見えます。昼の暑さを引き継ぐように、西の空に輝く金星。その火照りを冷ます力があるように、百合の花の白さが、涼やかに風に揺れています。

    (監修:神野)

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  • 笹百合に 息整えて 八合目

    2026.06.17 放送

    作者:亀くみ(大阪)

    登山の一場面でしょう。八合目まで登ってきて、あともうひと踏ん張りというところでいったん息を整えます。そこにはちょうど、笹百合がしずかに山の風に揺れていました。笹百合の白さが、山の清潔な空気感をゆたかに伝えてくれます。さあ、あと少し、頂上を目指して、また踏み出します。

    (監修:神野)

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  • 飛蚊症の診断 揺れる白百合

    2026.06.16 放送

    作者:兵頭 純(松山)

    飛蚊症とは、眼球内の濁りによって、視界に黒い点や糸くずなどが浮かんで見える症状です。飛蚊症と診断が下された目を百合に向ければ、ゆらりぐらりと、その存在が揺らぎます。年を重ね、身体が変化してゆくとともに、世界と私との関係も、変化してゆくのだと気づかされます。

    (監修:神野)

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  • 切り傷の 脈打つ夜の ゆり真白

    2026.06.15 放送

    作者:三好眞喜子(松山)

    不慮のことで作ってしまった切り傷に、心臓の鼓動が脈打って疼きます。夜は感覚が研ぎ澄まされるので、傷の感覚もより先鋭的になるのでしょう。闇に浮かぶ百合は、真っ白に発光し、強い香りを放ちます。血の赤と、百合の白。生きている人間と百合とが、夜に息づいています。

    (監修:神野)

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  • 発すれば 言葉はひかり 百合匂ふ

    2026.06.12 放送

    作者:樫の木(大分)

    言葉は、書けば文字となり、発すれば声となります。声となって発された言葉を、作者は「ひかり」だと感じ取りました。その眩しさからは、夏の強い日差しや、言葉が誰かに届く希望を思います。百合の香も、人にとっての言葉のようなものかもしれません。それぞれに今を生き、輝き合います。

    (監修:神野)

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  • ドアスコープに 百合の花束持つ男

    2026.06.11 放送

    作者:藤 雪陽(長野)

    百合は大ぶりで華やかなので、花束にもよく使われます。ドアスコープは、訪問者を確認するための、玄関ドアの覗き穴です。自宅なのか、ホテルの部屋か、百合の花束を抱いて会いに来た男の人が、今、ドアの前に立っています。ドアを開けるか、それとも。ドラマの一場面のような俳句です。

    (監修:神野)

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  • 席替えの 決め方百合の 匂い方

    2026.06.10 放送

    作者:うさの(八幡浜)

    学校生活において、席替えは一大イベントです。どこの席になるか、誰と近くになるか。決め方も、くじ引きやじゃんけんなど、さまざまです。百合は、教室に飾ってあるのか、あるいは窓の外に咲いているのかもしれません。百合の香りを嗅ぎながら、新しい席への期待と不安に胸を高鳴らせます。

    (監修:神野)

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  • 学僧の 頭のあをし 百合白し

    2026.06.09 放送

    作者:小林浮草(松山)

    学僧とは、修行中の僧侶です。髪を剃った頭はあおあおとして、若々しい印象です。寺に咲く百合のほとりを、学僧が過ぎてゆきます。その剃髪の頭の青さに、百合の白さを対比させました。百合のまとう清らかな空気感が、仏門を学ぶ心の一途さを引き立てます。

    (監修:神野)

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  • ささゆりの 一輪山の 校長室

    2026.06.08 放送

    作者:渡部茂由子(久万高原)

    百合は夏、香りの強いラッパ型の花を咲かせます。鉄砲百合やカサブランカのような鑑賞用の百合も華やかですが、野山に自生する笹百合の清らかなたたずまいも魅力です。山の学校の校長室に、近くから剪ってきた笹百合が一輪、飾られています。きっとやさしい校長先生です。

    (監修:神野)

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  • 恙なく 家族居ぬ昼 花うばら

    2026.06.05 放送

    作者:寺井谷子

    「花うばら」は茨の花のことで、初夏のころ若葉の間に、白い花弁の花をひらきます。枝に鋭い棘があるので「いばら」の名があります。昼間のがらんとした家の中に、ふと安堵しました。家族に、それぞれ行くべき場所があることが、何より恙無いのだと。庭に咲く清楚な茨の花が、いつもより一層匂い立ちます。

    (監修:谷)

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  • 黴の書を 売らむ遣らむと 積みわくる

    2026.06.04 放送

    作者:亀井糸游

    梅雨時になると、食物をはじめ、衣類・書籍など至るところに黴が生じやすくなります。黴には絶好の繁殖期です。蔵書の整理を思いついたようです。「売らむ」は「売ろう」、「遣らむ」は、「やろう」。黴の本とはいえ、捨てる選択は切なく、古書店に引き取ってもらうか、誰かを頭に思い浮かべてあげたい本を積み分けているのでしょう。

    (監修:谷)

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  • 玉虫や 手の上に乗る 夏の色

    2026.06.03 放送

    作者:デニス カンバロ

    玉虫は夏に現れ、榎などの木につきます。金属のような艶のある美しい緑色で、二本の紫色の縦の線があります。幸運を運ぶ虫として吉丁虫とも呼ばれています。手に乗せた私にもうれしい事が起こりそう。玉虫と夏は季重なりですが、作者は、イタリアの人。玉虫が、イタリアの夏の輝きそのものに思えたのでしょう。

    (監修:谷)

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  • イタリアン レストラン出て 蛍狩

    2026.06.02 放送

    作者:小川晴よ

    夏の夜、蛍を捕ったり、鑑賞するのが「蛍狩」です。友人、あるいは家族との蛍狩りの日、イタリアンレストランで食事を取ることに。生ハム、ピザ、カルパッチョなど、ちょっとした贅沢をするのは、美しく幻想的な蛍を見る夜の、現代的な情景かも。わいわいとお腹を満たしたら、夜の闇の中へいざ、というところでしょうか。

    (監修:谷)

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  • ポット沸く ジューンブライドの 控室

    2026.06.01 放送

    作者:鈴木みのり

    六月は、西洋では結婚・家庭の守護神ジュノーの月。この月に結婚する女性は、幸せになれると言われています。日本でもあやかって、六月の花嫁に憧れてきたようです。親族のための控室では、当人たちの思い出話が弾んで、親しみ合う空気に包まれています。片隅に置かれたポットが沸く音にも、賑やかに反応します。

    (監修:谷)

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テレビ愛媛ではみなさまから
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7月のお題「涼し(すずし)」の
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応募フォーム、メールアドレス、ハガキの中からご応募ください。メールアドレス、ハガキでのご応募は、お題を含む俳句(ふりがな)・氏名(ふりがな)・住所・電話番号・メールアドレスを記載してお送りください。一人何句でも応募可能です。選ばれた俳句は、EBC Live News「きょうの俳句」コーナーでの放送のほか、テレビ愛媛のホームページ等で紹介します。作者の氏名(ペンネームの場合はペンネーム)、お住いの市町名(ジュニアの場合は学校名)も紹介されます。
(採用された方には放送日を事前に連絡し、記念品を贈らせていただきます。)
※俳句の募集は、毎月第2月曜日、午後6時から開始します。

応募規約

・応募作品は未発表で、ご自身の作品(著作権がご自身にある作品)に限ります。
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