こちらのページでは、視聴者の皆様から応募いただいた俳句をご紹介しています。
毎月ご応募いただいた俳句から5句を選び、EBC Live News「きょうの俳句」のコーナーで放送させていただきます。
2026.10.26 放送
秋は鹿の恋の季節です。雄鹿が雌鹿を呼んで鳴く声は、切なく哀愁を帯びているとして、和歌の時代から詠み継がれてきました。秋は日暮れも早く、夜の闇が谷底に凝ります。その闇を力強く砕いて、鹿の声が響きました。鹿の暮らす山の自然の深さが、ゆたかに立ち上がります。
(監修:神野)
2026.10.23 放送
立ち枯れとは、木が立ったまま枯れてしまうことです。倒れて横たわることもなく、枯れてなお堂々と立ち続ける姿には、長い年月を生きてきた木の矜持を感じます。木末のあたりを見やれば、牡鹿が立っていました。巨樹の命を引き継ぎ、森を生きてゆく意志が、鹿の瞳を輝かせます。
(監修:神野)
2026.10.22 放送
広島県の宮島の鹿でしょうか。厳島神社の大鳥居が、引き潮であらわになるとき、鹿の声がまっすぐに届いてきました。引いては満ちる海のように、この世界の命も、強く引き合い、移ろいます。広やかな風景の中に、大いなる自然の躍動を感じ取った一句です。
(監修:神野)
2026.10.21 放送
鎖場とは、登山道の崖や岩場に鎖がわたされた場所です。難所をゆくとき、取りつけてある鎖をぐっと掴んで、体を支えます。ふと手のひらを嗅げば、鎖の鉄の匂いが残っていました。鹿たちは、この険しい山を、自由に駆け巡っているのでしょうか。彼らの声が、山の自然の深さを物語ります。
(監修:神野)
2026.10.20 放送
尼寺も、夜はかんぬきをかけ、門をかたく閉ざしています。山からは、しんしんと鹿の鳴き声が聞こえます。雄が雌を呼んで鳴く、切ない恋の声色が、夜の闇に響きます。そんな鹿の声の切実は、尼寺に救いを求めた女性たちの人生の悲しみを、静かに深く滲ませます。
(監修:神野)
2026.10.19 放送
湖は、海や川と違って、大きな波が立ちません。だからこそ、青空を静かになめらかに映します。青空もまた、そんな穏やかな湖に映り、深く奥行きを増していきます。静けさの中に響くのは、鹿の声です。昼の風景でありながら、底知れない自然の深さが、しんしんと広がります。
(監修:神野)
2026.10.16 放送
焼きものをつくる窯場が山のふもとにあるのでしょう。焼き上がるまでには数日かかるので、夜通し薪を焚き、番をします。薪をくべながら炎を見つめる夜、山から鹿の声が聞こえてきました。燃えさかる炎の熱さや薪の爆ぜるエネルギーに、恋をして鳴く鹿の命の力が迫ります。
(監修:神野)
2026.10.15 放送
秋、雄鹿が雌鹿を呼んで鳴く声には哀愁を感じるとして、和歌にも俳句にも、鹿の鳴き声が詠まれてきました。そんな必死の鹿の声を聞き、泣かない私のぶんまでもっと鳴け、と呼びかけています。泣かずに抱えた私の悲しみが、鹿の声に呼ばれて、深く鋭く疼きます。
(監修:神野)
2026.10.14 放送
奈良の春日や広島の宮島など、鹿は神さまの使いとして、大切にされてきました。星のきらめく夜、岸辺を鹿が歩んでいます。一歩一歩にさざ波が光り、まるで星がこぼれてゆくようです。人間の知らない夜の時間、神々しい自然の風景を、美しく描き出しました。
(監修:神野)
2026.10.13 放送
お遍路の十二番札所は、徳島の焼山寺です。標高938メートルの焼山寺山の八合目付近に位置し、八十八か所の中でも難所のひとつです。焼山寺を目指して登る途中、山道に鹿を見つけました。札所は遠く、鹿は近く、遠近を対比させたテンポが、お遍路の風景を軽快に彩ります。
(監修:神野)
放送ではご紹介できなかった俳句を「佳作句」として少しだけご紹介。
湯中りの身の倚る玻璃や鹿のこゑ
夜が住む鹿のまなこへ星明かり
山の神さみしいときは鹿を呼ぶ
老鹿や草書のやうに濡れてゐる
ゆるやかにほろびる平家鹿の声
鹿の背のざらりと固し春日山
鹿鳴いて微熱のような夜が来る
かうかうと光り轢死の鹿の目よ
鹿鳴くや角研ぐ樹皮の匂ひ立つ
星々に近き仏塔鹿の声
鹿の眼やさし薄明の青き森
血の色の月わたらせて啼くや鹿
暁の高鳴きの声神の鹿
鹿の鼻濡れて夕日の匂ひけり
宿坊の渡り廊下を鹿の声
落陽や汀の汐を舐むる鹿
鹿鳴いて水の匂ひの満つる夜
生家跡のガラスの工房鹿の声
歳時記を閉じれば近し鹿の声
蝦夷鹿の目はオホーツク海の色
星々へ突きあがりたり鹿の声
川石の傷を撫でゆく鹿の影
鹿鳴けば月夜に濡るる恋みくぢ
鹿に雨、恋文にルビふるやうに
奈良町に抜け道多し牡鹿鳴く
蒼き地球よ濁り無き鹿の目よ
七支刀めく牡鹿の太き角
鹿座して汐の匂ひの一の宮
饕餮の末裔として鹿の口
鹿鳴くや猿沢池の水冥し
耳立てて星の言葉を聴く牝鹿
鹿眠るISSの通るころ
人滅び自販機の横に立つ鹿
小牡鹿と吾を隔てたる銀の雨
稜線のやはらかき弧や鹿跳ぬる
鹿の声宇宙はどこまでも昏く
夜の鹿や良妻賢母にはなれず
またひとつ鹿の斑とはの星となり
三人の勢子に追はれて鹿走る
鹿の目の浮かぶ闇夜や瀬戸の島
飛火野を鹿の駆け来るホルンの音
ホルンの音朝の飛火野鹿の群れ
飛火野の闇を切り裂く鹿の声
鹿のあしをとのかなしき土瀝青
垂直に崖駆け登る雄鹿かな
ティーショット林に鹿の雨宿り
鑑真の像に髭あり鹿の声
ゆつくりと鹿のぼりくる二月堂
角きりの勢子に牡鹿の跳ね回り
余命聞く診察室や鹿のこゑ
鹿立てり風の出口のすすき原
鹿鳴くや夜の鉱山にショベルカー
ジビエ食堂ドアの取つ手は鹿の角
中継の画面横切る鹿の耳
鹿鳴くや離島に一軒パン屋さん
鹿に見らるるリストラのベンチの身
鹿鳴くや影の深まる螺鈿の琵琶
鹿鳴くや倒木の木をトラックへ
おほかたは川へ消えゆく鹿の声
遮断機の無き踏切や鹿の群れ
放課後や鹿の横切るグラウンド
BOSSの空き缶落ちてゐる横を鹿
大仏は今日も細き目鹿の鳴く
吾を見る牡鹿の眸黒く濡れ
しずしずと近づく鹿の眼に啓示
鹿の声私か君しかもういない
こちらみる鹿と目の会ふ森の闇
鹿の群れ夕日を分けて森へ入る
鳴く鹿に風立ち止まる二月堂
紫の明け方白き鹿の角
鹿の声近く聞こゆる寝袋よ
テント張る焚き火の向こう鹿二頭
源流へほそき分枝や鹿のこゑ
風天の寅さんふらり鹿の声
縄握る勢子を引き摺る牡鹿かな
姿勢よき鹿の見てゐるティーショット
鳴き交ふや片角の鹿恋の果て
朝霧や鹿のまなこに草の露
ぬと出でし鹿にお辞儀をしてしまふ
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応募フォーム、メールアドレス、ハガキの中からご応募ください。メールアドレス、ハガキでのご応募は、お題を含む俳句(ふりがな)・氏名(ふりがな)・住所・電話番号・メールアドレスを記載してお送りください。一人何句でも応募可能です。選ばれた俳句は、EBC Live News「きょうの俳句」コーナーでの放送のほか、テレビ愛媛のホームページ等で紹介します。作者の氏名(ペンネームの場合はペンネーム)、お住いの市町名(ジュニアの場合は学校名)も紹介されます。
(採用された方には放送日を事前に連絡し、記念品を贈らせていただきます。)
※俳句の募集は、毎月第2月曜日、午後6時から開始します。
・応募作品は未発表で、ご自身の作品(著作権がご自身にある作品)に限ります。
・他人の作品に著しく類似、または他人の作品の盗用など、第三者の権利を侵害する可能性があると判断した場合は、応募の対象外とします。
・テレビ愛媛は応募作品による権利の侵害等に対し、一切の責任を負いません。
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