こちらのページでは、視聴者の皆様から応募いただいた俳句をご紹介しています。
毎月ご応募いただいた俳句から5句を選び、EBC Live News「きょうの俳句」のコーナーで放送させていただきます。
2025.11.21 放送
父母を見送り、実家も今は空き家です。思い出の詰まった場所ですが、維持管理も大変なので、取り壊すことに決めました。明日、工事が始まります。最後に訪れた生家の庭に、梅の帰り花を見つけました。梅の木も、これが最後だと分かっているのかもしれません。家族の記憶のしんがりに、帰り花が静かに輝きます。
(監修:神野)
2025.11.20 放送
帰り花の咲くころは、冬に入って風も冷たくなってきます。さっとマカロニを茹で、木皿へうつして簡単に食事にします。マカロニのあたたかさがホッと嬉しく、木皿の優しい手触りも、ぬくもりを伝えてくれます。庭の帰り花を見やりながら、なんでもない一日を丁寧に暮らすひとときです。
(監修:神野)
2025.11.19 放送
10月、ガザの停戦合意が報じられました。しかしその後も、イスラエルの攻撃はやまず、人道危機は続いています。休戦は望ましいことですが、どこか信じられなくて、フィクションのようだと感じたのでしょう。この平和への一歩が、いっときの帰り花として消えてしまわぬよう、冬の日差しに願います。
(監修:神野)
2025.11.18 放送
捨てられたりして飼い主と暮らせなくなった保護猫を、引き取って育てることにしました。まだ幼いので、食事の時間にはミルクを用意します。人間を警戒する猫の怯えを、受け止めながら向き合います。寒い冬にも優しく帰り花が咲くように、つらい環境に耐えた猫にも幸せが訪れますように。
(監修:神野)
2025.11.17 放送
あたたかに感じる小春日和でも、季節は冬です。太陽の光も、気が付けばすぐかげり、ひんやりと冷たい風が吹いてきます。刻々と移ろう冬の日が、わずかに差し来るそのぬくもりに、帰り花はそっとひらきます。冬を輝くささやかな命の光を、しずかに掬い上げました。
(監修:神野)
2025.11.14 放送
星になって、風になって、いま返り花としてここに在るのは、誰の魂でしょうか。この世を去っても、姿を変え、ときには返り花となって、大切な人のそばに咲くこともあるのかもしれません。季節外れになぜか一輪咲く花が、誰かのメッセージのように思えることもあります。思いが静かに世界を巡ります。
(監修:神野)
2025.11.13 放送
子どもがお絵描きをしています。魚たちが遊んでいる楽しい絵でしょうか。それとも、海の底に沈んだ誰かを思っているのでしょうか。海なのに月を描く、子どもの独特の想像力が、不思議な世界を作り出しました。帰り花が、海の底の月のように、ぽつんと白く光っています。
(監修:神野)
2025.11.12 放送
栗田樗堂は江戸時代に活躍した、伊予の俳人です。50歳を過ぎ、余生を心ゆたかに過ごすための庵を、松山市内に結びました。現存する樗堂の肖像は、風流に利休帽をかぶっています。草庵で俳諧に遊んだ樗堂。その庭の躑躅は、冬のはじめに、帰り花を咲かせることもあったでしょうか。
(監修:神野)
2025.11.11 放送
もう使われていない学校のひと隅、グラウンドの桜の下や裏門のつつじの脇などに、猫がよく集まっています。あたたかい日ざしにひらく帰り花には、ここから冬が深まってゆく厳しさも潜んでいます。猫たちにも、冬の寒さが待っています。束の間の日だまりを分かち合う、やすらぎのひとときです。
(監修:神野)
放送ではご紹介できなかった俳句を「佳作句」として少しだけご紹介。
伊丹十三忌タンポポの帰り花
石室に王の慟哭帰り花
素読めく反戦の詩わすれ花
昏睡のようねマズルカ帰り花
出棺の階段狭し帰り花
舞妓辞めた日の鴨川帰り花
鳶職の頭のタオル帰り花
ペリリューはなほ遠くあり帰り花
戦死者の碑文の長し帰り花
老木や頑なにまた帰り花
帰り花貝の形のチョコレート
道化師に星の涙痕帰り花
帰り花こころの奥にある水辺
海近き小屋に貝めく帰り花
病室のベッドは孤島帰り花
帰り花五年生存率五割
入院の説明帰り花白し
一片のプリクラシール帰り花
明日ひらくタイムカプセル帰り花
裏山に雲ぽつぽつと帰り花
母の忌や僧侶指差す返り花
十字切る子の長き髪帰り花
帰り花かしら気ままな途中下車
声明に報復の文字帰り花
捕虜交換砂埃舞う帰り花
焦げつきしやかん磨けり帰り花
ああこれはきみのためいきかえりばな
吾の句に師の句のかほり帰り花
東京から着く夜行バス帰り花
街騒は汐ひくやうに帰り花
帰り花手を差し伸ぶる少女像
不幸かもと言へる幸せ帰り花
下町の空に鉄塔かへり花
帰り花うつろな母の子守唄
帰り花ホントのママは寂しんぼう
帰り花トランペットを吹く兵士
帰り花カーペンターズの曲かけて
吾に向く父の破顔よ帰り花
帰り花の淡さ和三盆の甘さ
ベテルギウスのまだあるを見る帰り花
帰り花恋狂ふなよ狂ふなよ
後書きを先に読む癖帰り花
火葬待つ時もてあまし帰り花
単線のプラットフォーム返り花
咲き初むる匂ひ冷たき帰り花
忘花あはき日射しに触れたがる
ジョギングの折り返し点帰り花
床光る剣道場や帰り花
弔上げの朝の山門帰り花
おうどんにぶ厚ききつね帰り花
チャペルにはライスシャワーと帰り花
しまうまの模様くつきり帰り花
酒蔵の煉瓦煙突かへり花
帰り花水の匂ひのするところ
回復を大福と聞く帰り花
円卓の家族は歪つ帰り花
老いの恋ハグしてバグして帰り花
かへりばな四角四面の恋である
お遍路さん皆仰ぎ見る帰り花
帰り花紙飛行機の落ちるとこ
帰り花刹那はなやぐたぶららさ
帰り花地図になき道歩きをり
みんな気にしすぎなだけよ帰り花
少年は鍵拾いけり帰り花
失敗を素直に話し帰り花
グローブを頭に帰り花の小路
帰り花いのりのごとく灯のごとく
帰り花母の叶つた夢いくつ
白ひげの校医退き帰り花
湯の街の三味線聞くや帰り花
会ひたさの胴吹く力帰り花
曾祖父は海に安らか帰り花
ホスピスの母を訪う日や帰り花
病室に母を残して帰り花
怖いほど幸せと母帰り花
揃わない鍵の番号帰り花
帰り花まぐれ当たりのホームラン
帰り花いつも途中で覚める夢
テレビ愛媛ではみなさまから
俳句を募集しています!
応募フォーム、メールアドレス、ハガキの中からご応募ください。メールアドレス、ハガキでのご応募は、お題を含む俳句(ふりがな)・氏名(ふりがな)・住所・電話番号・メールアドレスを記載してお送りください。一人何句でも応募可能です。選ばれた俳句は、EBC Live News「きょうの俳句」コーナーでの放送のほか、テレビ愛媛のホームページ等で紹介します。作者の氏名(ペンネームの場合はペンネーム)、お住いの市町名(ジュニアの場合は学校名)も紹介されます。
(採用された方には放送日を事前に連絡し、記念品を贈らせていただきます。)
※俳句の募集は、毎月第2月曜日、午後6時から開始します。
・応募作品は未発表で、ご自身の作品(著作権がご自身にある作品)に限ります。
・他人の作品に著しく類似、または他人の作品の盗用など、第三者の権利を侵害する可能性があると判断した場合は、応募の対象外とします。
・テレビ愛媛は応募作品による権利の侵害等に対し、一切の責任を負いません。
頂いた個人情報は、優秀句に選ばれた方への事前連絡並びに記念品をお送りする際にのみ使用させて頂きます。
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