「聞ける俳句」は、
テレビ愛媛の夕方のニュースで
これまでに紹介された俳句を
『見て』『聞いて』
楽しんでいただけます。

監修:神野紗希、谷さやん

  • 秋はふみ 吾に天下の志

    今日の俳句

    2025.08.20 放送

    作者:夏目漱石

    小説家の夏目漱石は、俳人・正岡子規の親友です。子規に刺激され、俳句も多く作りました。この句は、教師として熊本に赴任していたころの作品で、「図書館」という前書きがついています。「ふみ」とは書物のことです。読書の秋、私には大きな志があるのだから、しっかり本を読み学ぼう、と決意をこめました。可能性にあふれた若者たちへエールを送る一句です。

    (監修:神野)

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  • 舟涼し 朝飯前の 島めぐり

    今日の俳句

    2025.08.19 放送

    作者:柳原極堂

    柳原極堂は、松山中学時代の正岡子規の同級生です。雑誌「ほととぎす」を立ち上げ、友人として子規の顕彰に生涯を捧げました。この句は風早の俳句大会を訪れ、翌朝に島めぐりをしたときの作品だと言われています。朝ご飯の前に、舟でぶらりと島へゆきます。吹いてくる潮風を涼しく感じながら、まぶしい朝日に目を細めます。瀬戸内の海の穏やかさを感じる俳句です。

    (監修:神野)

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  • 虹立ちて 忽ち君の ある如し

    今日の俳句

    2025.08.18 放送

    作者:高浜虚子

    高浜虚子は、松山出身の俳人です。正岡子規のもとで俳句を学び、子規から引き継いだ雑誌「ホトトギス」を通して、多くの俳人を育てました。この句では、虹が立てばたちまち、そこに君がいるかのように感じられるのだと、親しさを表しています。虚子は〈虹消えて忽ち君の無き如し〉という句も作りました。虹のように嬉しく儚い存在として、君へ思いを寄せています。

    (監修:神野)

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  • 鶏頭の やうな手をあげ 死んでゆけり

    今日の俳句

    2025.08.15 放送

    作者:富澤赤黄男

    富澤赤黄男は、八幡浜市保内町出身の俳人です。言葉のイメージを生かした前衛的な作風で、新しい時代の俳句を生み出しました。この句は、戦争の時代に兵士として従軍した体験を詠んでいます。赤黄男は、血に濡れた拳を、鶏頭の花にたとえました。秋に咲く鶏頭は、真っ赤でごつごつとしています。戦場の出来事を、鶏頭の存在感がなまなましく伝えます。

    (監修:神野)

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  • 鵜のぬれ羽こぐや 岩間の風薫

    今日の俳句

    2025.08.14 放送

    作者:大原其戎

    夏の磯の風景です。黒く濡れた海鵜の翼に、若葉を吹く風が、いきいきと押し寄せます。大原其戎は、三津浜生まれの俳人です。京都で修行したのち郷里に戻り、俳句雑誌を創刊しました。まだ学生だった正岡子規は、松山に帰省したときに其戎を訪ね、それから数年間、彼の雑誌に投句を重ねます。其戎は、子規の俳句の出発点となった人物でした。

    (監修:神野)

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テレビ愛媛ではみなさまから
俳句を募集しています!

9月のお題は
「水澄む(みずすむ)」 です
応募はこちら

メールアドレスからの応募: 応募先メールアドレス

ハガキからの応募:〒790-8537
テレビ愛媛「きょうの俳句」係

応募フォーム、メールアドレス、ハガキの中からご応募ください。メールアドレス、ハガキでのご応募は、お題を含む俳句(ふりがな)・氏名(ふりがな)・学校名(ジュニアの場合)・住所・電話番号・メールアドレスを記載してお送りください。一人何句でも応募可能です。選ばれた俳句は、EBC ライブニュース「きょうの俳句」コーナーでの放送のほか、テレビ愛媛のホームページ等で紹介します。作者の氏名(ペンネームの場合はペンネーム)、お住いの市町名(ジュニアの場合は学校名)も紹介されます。
(採用された方には放送日を事前に連絡し、記念品を贈らせていただきます。)
※俳句の募集は、毎月第2月曜日、午後6時から開始します。

応募規約

・応募作品は未発表で、ご自身の作品(著作権がご自身にある作品)に限ります。
・他人の作品に著しく類似、または他人の作品の盗用など、第三者の権利を侵害する可能性があると判断した場合は、応募の対象外とします。
・テレビ愛媛は応募作品による権利の侵害等に対し、一切の責任を負いません。

個人情報の取り扱いについて

頂いた個人情報は、優秀句に選ばれた方への事前連絡並びに記念品をお送りする際にのみ使用させて頂きます。

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監修の先生のご紹介

  • 池内恵吾

    神野紗希(こうのさき)

    松山市出身。松山東高時代に「俳句甲子園」で優勝。お茶の水女子大学卒業。東京を拠点に俳人として活躍し、NHK「俳句王国」司会も担当。『日めくり子規・漱石』にて第34回愛媛出版文化賞大賞。第11回桂信子賞。現代俳句協会副幹事長。聖心女子大学・立教大学講師。2022年春から愛媛・伊予観光大使。句集に『すみれそよぐ』他。

  • 神野紗希

    谷さやん(たにさやん)

    松山市生まれ。西条市丹原町で育つ。松山大学卒業。1996年作句開始。句集『逢ひに行く』で宗左近俳句大賞受賞。『芝不器男への旅』、『不器男百句』(坪内稔典/谷さやん共著)、俳句とエッセイ『空にねる』。「船団」(2018年散在)を経て、現在「窓の会」常連。愛媛新聞カルチャー教室「さやんの楽しむ俳句」、「みんなで子規を読む」講師。

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