視聴者の皆さまからの句

こちらのページでは、視聴者の皆様から応募いただいた俳句をご紹介しています。
毎月ご応募いただいた俳句から5句を選び、EBC Live News「きょうの俳句」のコーナーで放送させていただきます。

2025年9月の
優秀句

放送ではご紹介できなかった「佳作句」はこちら

2025年9月の季語(お題)は
水澄む(みずすむ) です
  • 水澄むや 百年杉を 伐る朝

    今日の俳句

    2025.09.19 放送

    作者:竹本桂子(久万高原)

    樹齢が百年にもなる大きな杉を、木材として伐る朝がやってきました。人間の一生を超えるほどの時間を見てきた杉は、荘厳な気配をまとっています。澄む水の清らかさが、人間の心もまた静かに澄みわたらせてゆきます。木に感謝し、山に感謝し、次の百年へ向けて新たな芽が育つことを願います。

    (監修:神野)

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  • 水澄むや 鳥影しるき 記紀の国

    今日の俳句

    2025.09.18 放送

    作者:彩汀(愛知)

    記紀とは、古事記や日本書紀といった古代の歴史書や神話を指します。記紀の国とは、日本のことです。夏のまぶしさが過ぎ去った秋。飛ぶ鳥の影もくっきりとして、世界は輪郭を取り戻します。澄みわたる水と大気のあわいを、鳥が悠々と飛ぶさまは、古代から変わらない、清らかな日本の秋です。

    (監修:神野)

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  • 水澄むや バターナイフは 小さき櫂

    今日の俳句

    2025.09.17 放送

    作者:青井えのこ(東京)

    言われてみればたしかに、バターナイフのかたちは舟の櫂に似ています。バターナイフを使うとき、ふと、そのかたちを通して水辺のイメージがひらめきました。小さな櫂で想像の湖に漕ぎ出せば、秋はいよいよ澄みわたります。「水澄む」という自然の季語を、日常から繊細に引き寄せました。

    (監修:神野)

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  • 澄む水へ 返す釣果の 一閃よ

    今日の俳句

    2025.09.16 放送

    作者:北野小町(東京)

    秋の水辺で、釣りをしています。水もよく澄んでいるので、垂らした糸の先に魚が泳いでいるのも、よく見えます。釣果とは、釣りをして得た成果のことです。釣り上げた魚をキャッチ&リリースで水へかえせば、きらりと光って、澄んだきらめきの底へ潜ってゆきます。

    (監修:神野)

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  • 水澄むや 仔山羊は崖を 駆け上る

    今日の俳句

    2025.09.15 放送

    作者:森田 玲香(松前)

    夏が過ぎ、空気や水が澄みわたる秋は、野生動物にも過ごしやすい季節です。春に生まれた仔山羊も、ずいぶんたくましくなって、野山を駆けまわっています。あるとき一気に、崖の肌を駆け上りました。瞬間の命の躍動に呼応するように、澄む水が静かにきらめきます。

    (監修:神野)

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  • 草叢に 反戦の詩碑 水澄めり

    今日の俳句

    2025.09.12 放送

    作者:加田紗智(高知)

    もう二度と戦争はしないと誓った詩を、石に彫って碑としました。しかし、それから長い年月が経ち、今はその詩碑も草むらに覆い隠されつつあります。忘れられゆく記憶。過去の戦争を思う八月が過ぎ、秋が静かに巡ってきます。澄む水の清らかさに、反戦への祈りを託しました。

    (監修:神野)

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  • 水すんで ビーバーしっぽ ぺったんこ

    今日の俳句

    2025.09.11 放送

    作者:太田 慈(滋賀)

    ビーバーは、水辺に棲む哺乳類です。その尻尾は平べったく、オールのように動かして、推進力で泳ぎます。ひんやりと澄んだ水を泳ぐのは、きっと気持ちがよいでしょう。作者の慈さんは小学五年生。ビーバーの命を通して、「水澄む」という季語が、ぐっと身近に感じられます。

    (監修:神野)

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  • 澄む水を 幾つも越えて 予讃線

    今日の俳句

    2025.09.10 放送

    作者:齋藤満月(東京)

    高松から松山を経て宇和島までを繋ぐ予讃線は、愛媛の暮らしに欠かせない鉄道です。川をいくつも越えてゆく描写は、その路線の自然ゆたかな風土を物語ります。予讃線に揺られて車窓を見やれば、またきらきらと、澄んだ川の光がよぎります。その輝きに、心も静かに澄みわたってゆきます。

    (監修:神野)

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  • 水澄むや 阿蘇のあか牛 風に立つ

    今日の俳句

    2025.09.09 放送

    作者:栗田 修次(松前)

    阿蘇の広やかな草原に、あか牛が放牧されています。大気が澄み、水が澄みわたる、清らかな秋。のびのびと見渡す風景に、涼しい風が吹きわたります。「風に立つ」という言葉の力強さが、あか牛の堂々とした佇まいを表現しています。大自然に生きる命の姿を、きりりと詠み上げました。

    (監修:神野)

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  • 水澄んで ボートに本を 読む女

    今日の俳句

    2025.09.08 放送

    作者:奈良香里(松山)

    秋になると大気が澄むので、水もすがすがしく澄みわたります。湖や川が水底まで見えるような、清らかな美しさを伝える季語です。湖にボートで漕ぎ出し、湖上で櫂を休め、本をひらきました。きらめく光、寄せるさざなみの音。ものみな澄み渡る秋の中、しずかでゆたかな過ごし方です。

    (監修:神野)

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2025年9月の佳作句

放送ではご紹介できなかった俳句を「佳作句」として少しだけご紹介。

  • 流木は森の骨片水澄めり

    作者:柚木みゆき

  • 神木の洞の昏さや水澄めり

    作者:岸来夢

  • 水澄むや柩に青のイヤリング

    作者:小島浩子

  • 水澄みて森は光の抱卵期

    作者:花見鳥

  • 凝りたる熔岩が川底水澄めり

    作者:樫の木

  • 閉山のロープや水の澄みゆける

    作者:藤雪陽

  • 澄む水に昨日の星の匂いかな

    作者:ぱぷりかまめ

  • 水澄むや水没都市の塔しづか

    作者:葦屋蛙城

  • 魚の巻き上ぐる小石や水の澄む

    作者:柿司十六

  • 産院へ駆ける革靴水澄めり

    作者:井上涙香

  • 澄む水へ癒えたる鯉を放ちけり

    作者:伊藤映雪

  • テント出て水澄む川に顔洗ふ

    作者:貝田ひでを

  • 澄む水に魚影の速し渓深し

    作者:じゃすみん

  • 水澄むや寝そべつて弾くアルペジオ

    作者:松田夜市

  • 水澄むや北に真っすぐ鳥の影

    作者:足立有希

  • 水澄みて神話になりさうな鱗

    作者:大地緑

  • 水澄んで藻草にひかる鱗かな

    作者:杉山滿

  • 水澄みて白壁にほふ雨のあと

    作者:佐藤志祐

  • 水澄むや水底を打つ雨の影

    作者:亀田かつおぶし

  • 心平よ重吉よ水澄みにけり

    作者:近藤周三

  • 水澄むや象のまつ毛に朝の風

    作者:みやこわすれ

  • 水澄みて水切り石の軽さかな

    作者:月下檸檬

  • 鳥影の音なく過り水澄めり

    作者:藤尾裕子

  • 水澄むや小魚群れる足の甲

    作者:筒井らんぷん

  • 水澄めるあかとき鳥のこゑきやらら

    作者:鈴白菜実

  • 水澄みて山を離るゝ鳥獣

    作者:巴里乃嬬

  • 屋久杉の切株に猿水澄めり

    作者:茂木りん

  • 水澄むや河童橋より奥穂高

    作者:HNKAGA

  • 白壁のほとり疏水の水澄めり

    作者:おこそとの

  • 沈下橋背後の水も澄みにけり

    作者:阿部八富利

  • 安芸の水澄し終戦八十年

    作者:たわらご小島里世

  • 澄む水へ飛び込みたがる雨滴かな

    作者:ノセミコ

  • 水澄むや光瞬く埋没林

    作者:はなぶさあきら

  • 甌穴の滑川渓谷水澄めり

    作者:やぎじゅうめい

  • 水澄むや鯉より影のくっきりと

    作者:宇佐美好子

  • 水澄むや腹横筋を確かむる

    作者:浦瀬富美

  • 水澄むや志望校欄は空白

    作者:加里かり子

  • 水澄むや5分間隔ろ陣痛

    作者:山内なるみ

  • 水澄んで産声AM6:30

    作者:山内佑資

  • 水澄むや母よりトパーズの指輪

    作者:星月彩也華

  • 水澄むや巨木は群れて森となり

    作者:春野ぷりん

  • 水澄むや九十歳の台所

    作者:田中和美

  • 水澄むや生簀の鯉の息青む

    作者:中村眞喜男

  • 水澄むやこの星の核燃えている

    作者:夏風かをる

  • 水澄むやCarpediemと死者の声

    作者:武井日出子

  • 五週目のエコー写真の水澄めり

    作者:徳永晴樹

  • イグアナに描きたい睫毛水澄める

    作者:丁鼻トゥエルブ

  • 水澄みてソの音合わす調律師

    作者:砂山恵子

  • 水澄むや信徒村へと丸太橋

    作者:石塚彩楓

  • あをき木の一本そよぎ水澄みぬ

    作者:丸山美樹

  • 水澄みて少年旅に出んとす

    作者:亀山酔田

  • 水澄むや餃子千個を仕込む兄

    作者:東田一鮎

  • 水澄みて梅花藻揺れる小川かな

    作者:亀くみ

  • 水澄むや生田の森の恋神籤

    作者:島田和子

  • 水澄むやもう人魚には戻れない

    作者:空木花風

  • 水澄むや自転車の切るにはたづみ

    作者:東沖和季

  • 水澄むや一朶の白い雲を見ん

    作者:名智満

  • 水澄むやタオルで掬う魚の群れ

    作者:渡部茂由子

  • 水澄む日漬物樽を洗ひけり

    作者:夏雨ちや

  • 水澄むや水を育む山の闇

    作者:宍野宏治

  • 卒論は万葉集や水澄めり

    作者:佐藤茂之

  • 傾聴や水澄むきょうの水たまり

    作者:坂本梨帆

  • 川底の秘色の小石水澄めり

    作者:神楽れもん

  • 水澄むや信濃川にも鮒の影

    作者:大渕航

  • 水澄めば最期の吾子の残像よ

    作者:青野みやび

  • そこここにぶんと羽音や水澄めり

    作者:庭野環石

  • 足首に小さきタトゥー水澄めり

    作者:長谷川淑子

  • 水澄むや音符のやうに魚跳ね

    作者:田中富子

  • 渓流に銀鱗跳ねて水澄みし

    作者:田頭慎一

  • 水澄むや乳ぱんぱんの牛のこゑ

    作者:煌星アニカ

  • 水澄むや遺書も残さず妻逝きぬ

    作者:風友

  • 水澄むや弾むボールに追いつく子

    作者:藤橋一憲

  • 水澄みて加賀友禅の眩しさよ

    作者:百瀬はな

  • 千超ゆる池塘の尾瀬や水澄めり

    作者:野々村澄夫

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11月のお題「帰り花(かえりばな)」の
応募は締め切りました

応募フォーム、メールアドレス、ハガキの中からご応募ください。メールアドレス、ハガキでのご応募は、お題を含む俳句(ふりがな)・氏名(ふりがな)・住所・電話番号・メールアドレスを記載してお送りください。一人何句でも応募可能です。選ばれた俳句は、EBC Live News「きょうの俳句」コーナーでの放送のほか、テレビ愛媛のホームページ等で紹介します。作者の氏名(ペンネームの場合はペンネーム)、お住いの市町名(ジュニアの場合は学校名)も紹介されます。
(採用された方には放送日を事前に連絡し、記念品を贈らせていただきます。)
※俳句の募集は、毎月第2月曜日、午後6時から開始します。

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・応募作品は未発表で、ご自身の作品(著作権がご自身にある作品)に限ります。
・他人の作品に著しく類似、または他人の作品の盗用など、第三者の権利を侵害する可能性があると判断した場合は、応募の対象外とします。
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