視聴者の皆さまからの句

こちらのページでは、視聴者の皆様から応募いただいた俳句をご紹介しています。
毎月ご応募いただいた俳句から5句を選び、EBC Live News「きょうの俳句」のコーナーで放送させていただきます。

2024年3月の
優秀句

放送ではご紹介できなかった「佳作句」はこちら

2024年3月の季語(お題)は
囀(さえずり) です
  • 風ですか 囀ですか 大欅

    今日の俳句

    2024.03.22 放送

    作者:岡野 未由子(宇和島)

    囀る鳥の声は、自然のさまざまな音と調和しています。風なのか囀りなのか分からないほどに、一体となって春の空気に溶け込んでいます。振り返ったとき、そこには大きな欅の木が、ただ揺れていました。人間も大いなる自然のふところに生きているのだと、ふと気づかせてくれる一句です。

    (監修:神野)

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  • 囀は 明日を待つ声 墓石拭く

    今日の俳句

    2024.03.21 放送

    作者:山内佑資(伊予)

    囀りとは何か、一般的な説明ではなく、自分の感覚で語り直したところに、詩が生まれました。囀りというのは明日を待つ声なのだと思うとき、今日の悲しみと明日への希望がひたひたと寄せてきます。墓石を拭き、親しいその人を偲びながら、囀りに顔を上げ、今日へと向き直します。

    (監修:神野)

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  • 囀や もう来ないはず B29

    今日の俳句

    2024.03.20 放送

    作者:宮崎泉(静岡)

    B29は第二次世界大戦において、アメリカ軍が日本への空襲に用いた大型の戦闘機です。当時を知る世代にとっては、今もなまなましい記憶。囀りのにぎやかな音量にふと、かつての戦闘機の気配を思い出しました。「はず」の一語に不安がよぎります。囀りをおだやかに聞くこの平和が、続きますように。

    (監修:神野)

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  • さへづりの 音楽準備室に 鍵

    今日の俳句

    2024.03.19 放送

    作者:四條たんし(愛知)

    学校の音楽準備室には鍵がかかっていて、開けるまではしーんと静かです。春になるとその周りを、鳥たちの囀りがにぎやかに包みます。外の光の明るさと室内の暗さとが、春の陰影を作り出しています。鳥には囀りがあり、人間には音楽があります。音のあふれる春本番まで、あともう少し。

    (監修:神野)

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  • 陸酔いの 足に囀 こそばゆし

    今日の俳句

    2024.03.18 放送

    作者:北欧小町(東京)

    長い時間船に乗って揺られると、降りてもまだ体が揺れているように感じることがあります。これが「陸酔い」です。陸に降りると、新しい町の風景が新鮮に飛び込んできます。鳥の囀りも、水の上にはなかったものです。ふわふわとした足のこそばゆさが、むずむずとした春の感覚を呼び覚まします。

    (監修:神野)

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  • 手術後の 猫の鼾と 囀と

    今日の俳句

    2024.03.15 放送

    作者:堀川絵奈(西予)

    手術を終えたばかりの猫が眠っています。体に負担がかかっているからか、鼾もいつもと違って聞こえます。そこにやさしく、囀りがかぶさってきました。生命力たっぷりの鳥の声が、猫の回復力にも刺激を与えそうです。しっかり眠って癒して、また元気な姿を見せて、と願います。

    (監修:神野)

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  • 囀りの中へ 休職明けの空

    今日の俳句

    2024.03.14 放送

    作者:渡辺香野(高知)

    事情があって休んでいた会社に復帰するときは、やはり不安や緊張が伴うものです。そんな朝、外へ出ると気持ちのよい空が広がっていて、鳥たちがいきいきと鳴きかわしていました。私も自然と心が前向きになり、春の光と風の中へ一歩踏み出します。囀りのエールを胸に、新しい日々、きっと大丈夫です。

    (監修:神野)

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  • 補聴器を外して 囀りの間近

    今日の俳句

    2024.03.13 放送

    作者:岩ア 久美(松山)

    補聴器は、聴力を補い、より聞こえやすくするための器具です。補聴器を外したとき、音は聞こえにくくなるはずですが、作者は囀りをむしろ近くに感じたといいます。補聴器を介さないことで、囀りと直接つながれたような心地がしたのでしょう。しばし囀りに耳を預ける春のひとときです。

    (監修:神野)

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  • 囀へ飛び出す ジップラインの児

    今日の俳句

    2024.03.12 放送

    作者:星月彩也華(四国中央)

    ジップラインとは、アウトドアアクティビティの一つです。山や森に渡されたワイヤーロープにぶら下がり、滑車を使って滑り降ります。大自然を大胆に感じるぶん、挑戦には勇気も必要です。それでも覚悟を決めて飛び出してゆく子どもの背中に、囀りが力強くひびきます。

    (監修:神野)

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  • 囀りや ひかりはふくらんで 満ちる

    今日の俳句

    2024.03.11 放送

    作者:馬越貴英(今治)

    春になると、鳥たちも恋をして、にぎやかに鳴きかわします。これが「囀」です。うぐいす、雲雀、目白、四十雀……。たくさんの鳥たちが囀るさまに、こちらの心も明るくなります。囀りがどんどん勢いを増すように、光もまたふくらみ輝き、この世界に春が満ちてゆきます。

    (監修:神野)

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2024年3月の佳作句

放送ではご紹介できなかった俳句を「佳作句」として少しだけご紹介。

  • PleaseDon’tDisturb乱れたシーツを囀り

    作者:平良嘉列乙

  • 囀の他は聞こえず樹木葬

    作者:神野睦子

  • 囀の始まつてゐる雑木山

    作者:宍野宏治

  • 神輿庫の錆びし鍵穴さへづれり

    作者:栗田修次

  • 囀を記すガラスペンの青し

    作者:みづちみわ

  • タラップを降りて異国のさへづりよ

    作者:Q&A

  • 囀や弓道場の鍵あける

    作者:神奈川ゆうき

  • マグリットの青空だろう囀れる

    作者:石浜西夏

  • 囀や「よだかの星」を伏する庭

    作者:はなぶさあきら

  • 囀の小径のさきのベッカライ

    作者:緒方朋子

  • 囀や朝のひかりを舐める猫

    作者:みやこわすれ

  • 囀や子に宿題のなき休み

    作者:鈴白菜実

  • 寝違へた首に囀やさしくて

    作者:花見鳥

  • 結願の燭やみるみる囀れり

    作者:林省造

  • 囀りやカフェの店主は脚本家

    作者:春野ぷりん

  • 目を閉ぢて囀とゐる病臥かな

    作者:暖井むゆき

  • 透明な囀まとふ山蒼し

    作者:夏雨ちや

  • 囀や万のランナー駆け抜くる

    作者:徳永晴樹

  • 無言館出て囀りのなかにいる

    作者:杉野祐子

  • さへづりの山ふところへ納骨す

    作者:竹本桂子

  • 囀や横溝正史めく湖畔

    作者:秋本哲

  • 囀や耳標が光る牧の朝

    作者:小林土璃

  • 炊き出しのテントの上を囀れり

    作者:北岡一郎

  • さへずりの零るる卓やジャムを塗る

    作者:桜鯛みわ

  • 囀や紅茶へブランデーぽちよん

    作者:渋谷晶

  • さへづりや特急券のうすみどり

    作者:岸来夢

  • 囀りに口笛足してゴミ捨てに

    作者:熊本芳郎

  • 囀や山のかたちに脚立たて

    作者:おきいふ

  • 囀を詩語に翻訳する仕事

    作者:ギル

  • 囀りの朝黒板の一文字目

    作者:桑島幹

  • 廃校は空つぽの箱囀れり

    作者:彩汀

  • 囀はさざなみの色みづの色

    作者:葦屋蛙城

  • さへづりへ漣のごとシーツ干す

    作者:綾竹あんどれ

  • 蓼科に囀を聴きプロポーズ

    作者:新濃健

  • 友人とはぐれて囀りの真下

    作者:久保田凡

  • 囀や小雨の連れて来しひかり

    作者:恵勇

  • 囀りは光を送り合ふ儀式

    作者:コンフィ

  • 囀のひかりの道をベビーカー

    作者:おかだ卯月

  • 囀の渦巻く芯へからだごと

    作者:杏乃みずな

  • 囀や上人坂に句碑いくつ

    作者:イサク

  • 囀りと空気と山の水を汲む

    作者:北藤詩旦

  • 枝替へて囀のまたはじめから

    作者:岩渕晃三

  • 囀や森はわれらが秘密基地

    作者:工藤裕久

  • 囀やきれいに磨く泥団子

    作者:佐藤茂之

  • 囀や尾根より明くる峡の村

    作者:やぎじゅうめい

  • 被災地を去る子らに鳥囀りて

    作者:中村眞喜男

  • 囀や吾子に二個ずつ稲荷寿司

    作者:山崎力

  • 囀りや仰臥の子規の耳澄めり

    作者:杉野圭志

  • 囀に浸食海岸現れり

    作者:世良日守

  • 隆起せる能登の海岸の囀

    作者:HNKAGA

  • 窓開けて囀招く喫茶店

    作者:高山佳風

  • 囀の窓を拭きたる光かな

    作者:山田知明

  • 一羽来て囀の樹となりにけり

    作者:巴里乃嬬

  • 囀や学食Bはオムセット

    作者:そまり

  • 梢より光の粒子さえづり来

    作者:柚木みゆき

  • 囀りや吾子の紙婚式日和

    作者:友健

  • 海臨む白きチャペルやさへづれり

    作者:吉田みち子

  • 囀や邪馬台国を探してる

    作者:吉野敬子

  • 囀りや釣りの母子は橋のうへ

    作者:主藤充子

  • キャラメルの天使の翼囀らむ

    作者:砂山恵子

  • 囀りや跡形もなき愚陀仏庵

    作者:武井日出子

  • 囀のベンチに開くヘルマン・ヘッセ

    作者:ノセミコ

  • 囀りやミニシアターの帰り道

    作者:福原あさひ

  • さへづりの真中に笑まふ母といる

    作者:藤尾裕子

  • 青き眼の子や囀の診療所

    作者:藤雪陽

  • 囀や自転車で来る将棋指し

    作者:松田夜市

  • 囀を聴き分けられる魔法ほし

    作者:三好眞喜子

  • 囀りや最終講義老教授

    作者:村上光朗

  • 囀や祖母の着物に母の帯

    作者:茂木りん

  • 囀や空色だけの万華鏡

    作者:森毬子

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テレビ愛媛ではみなさまから
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5月のお題「葉桜(はざくら)」の
応募は締め切りました

応募フォーム、メールアドレス、ハガキの中からご応募ください。メールアドレス、ハガキでのご応募は、お題を含む俳句(ふりがな)・氏名(ふりがな)・住所・電話番号・メールアドレスを記載してお送りください。一人何句でも応募可能です。選ばれた俳句は、EBC Live News「きょうの俳句」コーナーでの放送のほか、テレビ愛媛のホームページ等で紹介します。作者の氏名(ペンネームの場合はペンネーム)、お住いの市町名(ジュニアの場合は学校名)も紹介されます。
(採用された方には放送日を事前に連絡し、記念品を贈らせていただきます。)
※俳句の募集は、毎月第2月曜日、午後6時から開始します。

応募規約

・応募作品は未発表で、ご自身の作品(著作権がご自身にある作品)に限ります。
・他人の作品に著しく類似、または他人の作品の盗用など、第三者の権利を侵害する可能性があると判断した場合は、応募の対象外とします。
・テレビ愛媛は応募作品による権利の侵害等に対し、一切の責任を負いません。

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