こちらのページでは、視聴者の皆様から応募いただいた俳句をご紹介しています。
毎月ご応募いただいた俳句から5句を選び、EBC Live News「きょうの俳句」のコーナーで放送させていただきます。
2024.06.21 放送
青田を一緒に見ていた子がふと、おなかの中にいたときの胎内記憶を話し出しました。青田を吹きわたる風の音の優しさも、胎内で聞いていた音に似ているでしょうか。私たちの生まれるずっと昔から、耕され引き継がれてきた田んぼの風景。青田を見つめていると、根源的な懐かしさにかられます。
(監修:神野)
2024.06.20 放送
青田の中を、鈍行列車がゆっくり進んでゆきます。ブレーキをかけるにも、乗客を驚かさないよう、揺れを抑える配慮を感じたのでしょう。ブレーキのかけ方から受け取った優しさに、心もすがすがしくなり、吹きわたる風も、青田の光も、やさしくきらめきます。
(監修:神野)
2024.06.19 放送
社会が変化する中で、農業の後継者を育てることも喫緊の課題です。田んぼを維持するのが大変で、規模を縮小せざるを得ない農家も、廃業する農家もあります。広がる田んぼのうち一枚は米作りをやめ、その土地にいつの間にかコンビニが建っていました。青田の風景にも、時代の移り変わりが訪れています。
(監修:神野)
2024.06.18 放送
進学や就職などでふるさとを離れ、東京で暮らしはじめた家族や友人へ、あたたかいメッセージです。東京には慣れましたか。こちらは田植も終わり、青田に風が吹きわたっていますよ。ふるさに待つ人がいると思うと、つらいときにも頑張れるものです。夏の帰省を楽しみに、それぞれの場所で、あともうひと息。
(監修:神野)
2024.06.17 放送
一面の青田のその先に、さらに湖の広がる大きな風景を詠みました。「青田」を二回重ねることで、いきいきと景色が広がり、青田の中を進んでゆく臨場感も生まれます。雨の季節、青田に満ちる水の匂いが湖へひらけるとき、世界はゆたかに水の気配で満たされます。
(監修:神野)
2024.06.14 放送
ストレスが蔓延する現代の社会の中では、ふとしたきっかけで、つながりから心を閉ざしてしまうこともあります。今は引きこもっている子どものもとへ、青田風よ、力強く吹いてくれないか。部屋の外に目を向けて、世界は案外自由なのだと気づいてくれたら。青田のすこやかな広がりに、祈りを託します。
(監修:神野)
2024.06.13 放送
原子爆弾の被害で亡くなられた方のお名前を記したのが「原爆死没者名簿」です。八月の平和祈念式典に奉納するため、今年も記帳が始まりました。青田を渡る風がやんだとき、目の前の平和な風景が、今のものなのか過去の記憶なのか、ふと分からなくなります。失われた命を悼み、平和への思いを新たにします。
(監修:神野)
2024.06.12 放送
田んぼにはさまざまな生きものがいます。その中でも、人間の血を吸う蛭は、あまり歓迎されません。青田で農作業を終えて戻ってきた父の足を見ると、蛭がはりついていました。ぎょっと驚く場面ですが、田んぼとともに生きる暮らしのリアルが、なまなましく切り取られました。迫力の一句です。
(監修:神野)
2024.06.11 放送
青田を風が吹き渡ると、稲の穂が水面のように波打ちます。これが「青田波」です。田んぼで農作業をして、持参したおむすびを食べているのでしょう。おいしく炊けたお米のつやも、青田の生む波の心地よさも、日常をしずかに輝かせます。「ぴかぴか」という言葉に、眩しくなり始めた夏の光が弾けます。
(監修:神野)
2024.06.10 放送
俳句では、田んぼにまつわる言葉も多く季語に採用されています。植えた稲が成長し、青々と穂を伸ばした状態を「青田」といいます。青空と青田が一面に広がるさまは、まるでこの世界をゆたかに分け合っているかのようです。天上の青空と、大地の青田。空間がひろびろと展け、たっぷりと風が吹き渡ります。
(監修:神野)
放送ではご紹介できなかった俳句を「佳作句」として少しだけご紹介。
一人称は「僕」青田見る娘
むすび食ぶ能登の青田のボランティア
のっつぉこぎ涼すぃ青田風だっちゃ
青田青田荒田荒田荒田青田
栗タルト片手に今日も良き青田
青田風チョークよ光れ実習生
青田を褒めよ俺ひとりでやってるんだ
ベランダに手を振る母よ青田風
回覧板軽トラに乗せ青田道
ずんずんと青田の先の銭湯へ
津波避難タワーをひからせる青田
この悔しなみだは青田過ぎてから
青田風ケアセンターの名は”きぼう”
挨拶の出来る子になり青田風
雨を呼ぶ青田千枚能登の海
うどん断つ刃の響き青田道
ペガサスの降り立つところ青田風
悠々とカヌーやさしき青田風
青田風天狗岳より吹き始め
「今年で終わり」決めし青田に草を取る
風を捌きけり本日より青田
青田青し共に朽ちゆく父と母
二上の仁王門抜け青田風
矮鶏のいる分校青田風ふはり
千年を眠る国府や青田風
おにぎりの成るを青田の端に待つ
生きること楽しい風を呼ぶ青田
約束の声は大きめ青田風
バイエルの聞こゆ青田の向こう側
軽トラの白は日の色青田風
かぐわしき稚児のつむじや青田風
あをたあをた告白するつもりだつた
道着の子列して走る青田かな
決勝戦負けて帰りの青田風
交番はいつもからっぽ青田風
ゆふぐれの水の匂ひの青田かな
青田風こころの鬣を揺らす
チェーン直す君の背中や青田風
鳥居の紙垂そよぐ薄暮の青田風
長靴を濯ぐ小川や青田道
青田青田学校まではあと2km
青田には雲とわたしと足跡と
パンクした自転車押して青田道
青田風月夜の駅で深呼吸
青田波科野の王の古墳跡
教え子の挨拶眩し青田風
青田より先は古墳の佐紀のみち
幸せのいつも透明青田風
空海の錫杖遠し青田風
軽トラのキー付けたまま青田風
たて笛のドレミファソラシ青田波
手に鍬を能登の青田を戻さむと
自転車で青田見回りゆく父よ
青といふ青になれたね青田波
文鎮のような祠や青田風
告白のま白きシャツや青田風
「絶交」と走り出すきみ青田波
大青田はるか羽黒の大鳥居
琵琶湖より続くひかりや青田波
ビストロの窓の木枠や青田風
青田風ベタベタ歩く新婚さん
転校は永遠のわかれのごと青田
乾坤の風の公式青田波
真ん前に富士山がある青田道
恋なんて青田に埋めて来たってば
青田発青田風行き里のバス
生きめやも読むのをやめて青田見る
泥まみれ青田まみれの義父と義母
忘れ物届けるペダル青田風
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応募フォーム、メールアドレス、ハガキの中からご応募ください。メールアドレス、ハガキでのご応募は、お題を含む俳句(ふりがな)・氏名(ふりがな)・住所・電話番号・メールアドレスを記載してお送りください。一人何句でも応募可能です。選ばれた俳句は、EBC Live News「きょうの俳句」コーナーでの放送のほか、テレビ愛媛のホームページ等で紹介します。作者の氏名(ペンネームの場合はペンネーム)、お住いの市町名(ジュニアの場合は学校名)も紹介されます。
(採用された方には放送日を事前に連絡し、記念品を贈らせていただきます。)
※俳句の募集は、毎月第2月曜日、午後6時から開始します。
・応募作品は未発表で、ご自身の作品(著作権がご自身にある作品)に限ります。
・他人の作品に著しく類似、または他人の作品の盗用など、第三者の権利を侵害する可能性があると判断した場合は、応募の対象外とします。
・テレビ愛媛は応募作品による権利の侵害等に対し、一切の責任を負いません。
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