こちらのページでは、視聴者の皆様から応募いただいた俳句をご紹介しています。
毎月ご応募いただいた俳句から5句を選び、EBC Live News「きょうの俳句」のコーナーで放送させていただきます。
2019.03.15 放送
卒業祝いに後輩がくれた花束から、一輪の花を抜いて、小さな部室の机の上に飾ったのでしょう。数年間、放課後の青春を過ごしてきた部室とも、今日でお別れです。言葉にならない気持ちを託した一輪の花は、先輩の置き土産として、凛と輝きを放ちます。シンプルな構成ながら、沈黙に深い思いの滲む一句です。
(監修:神野)
2019.03.14 放送
数ある卒業ソングの中でも、名曲として知られているのが、松任谷由実さんの「卒業写真」です。全体のメロディは長調で明るいのですが、おりおり、短調の切ない調べが紛れこみます。卒業もまた、明るい希望の中にも別れの悲しみの潜むもの。卒業の気分を、音楽の曲調に託していきいきと表現した、ユニークな一句です。
(監修:神野)
2019.03.13 放送
卒業の日に、校舎の隅の飼育小屋に来て、うさぎに餌を与えています。卒業式は、生徒として学校へ来る最後の日です。これまで繰り返してきた日常の風景も、今日で見納め。何も考えてなさそうに、もぐもぐ菜っ葉を食べるうさぎとも、今日でお別れです。卒業の日の何気ない一風景にも、明るいさびしさが兆しています。
(監修:神野)
2019.03.12 放送
村上春樹の小説『海辺のカフカ』は、悩めるカフカ少年が「世界で最もタフな15歳になる」ために、旅へ出る物語です。卒業式の帰り道、ふと、友達に本を貸したままだったことに気がついたのでしょう。その友も今、カフカ少年のように、何かと戦っているのかもしれません。小説のタイトルを句に引き入れ、青春の気分をたっぷりと漂わせました。
(監修:神野)
2019.03.11 放送
年度末の三月は、卒業式シーズンです。小学校から大学まで、いろいろな卒業がありますが、この句は幼稚園の卒業に注目しました。卒園式のためにおしゃれしたのに、リボンがほどけ、泣いてしまった女の子。卒業するとはいえ、まだまだ幼いさまが、ほほえましいですね。小学生になったら、ひと回り大きくなって、満面の笑顔を見せてくれることでしょう。
(監修:神野)
放送ではご紹介できなかった俳句を「佳作句」として少しだけご紹介。
雨樋に雀群れゐて卒業歌
卒業の朝のすがしき風少し
卒業の朝の風山河を渡る
あーあーとマイクテストや卒業す
山彦を山へ返して卒業す
水の香を辿りゆく卒業の朝
階段を二段飛ばしで卒業す
イヤーマフに本音こっそり卒業子
卒業やキリンの首はなぜ長い
ポケットに小さきチョークや卒業す
卒業す分校跡に白い風
出荷する牛と写真を卒業子
卒業や若き教師の弾き語り
卒業の彼女が歌うHonesty
卒業歌通りすがりに聞いている
卒業や部室の窓の空きれい
校長の置く卒業式のパイプ椅子
東京の恋は赤点卒業す
卒業歌窓の木漏れ日体育館
卒業の後ろ姿のチャペルかな
卒業の寄せ書き彼の傍探す
卒業と知りてはいれどわかれぬや
卒業てふ新たな扉開けにけり
卒業式担任の持つ遺影かな
学び舎を足あとのこし去る背中
気逸る卒業式春来たれかし
桜咲く最後のチャイム時止まれ
確と手に握り賞状卒業す
テレビ愛媛ではみなさまから
俳句を募集しています!
応募フォーム、メールアドレス、ハガキの中からご応募ください。メールアドレス、ハガキでのご応募は、お題を含む俳句(ふりがな)・氏名(ふりがな)・住所・電話番号・メールアドレスを記載してお送りください。一人何句でも応募可能です。選ばれた俳句は、EBC Live News「きょうの俳句」コーナーでの放送のほか、テレビ愛媛のホームページ等で紹介します。作者の氏名(ペンネームの場合はペンネーム)、お住いの市町名(ジュニアの場合は学校名)も紹介されます。
(採用された方には放送日を事前に連絡し、記念品を贈らせていただきます。)
※俳句の募集は、毎月第2月曜日、午後6時から開始します。
・応募作品は未発表で、ご自身の作品(著作権がご自身にある作品)に限ります。
・他人の作品に著しく類似、または他人の作品の盗用など、第三者の権利を侵害する可能性があると判断した場合は、応募の対象外とします。
・テレビ愛媛は応募作品による権利の侵害等に対し、一切の責任を負いません。
頂いた個人情報は、優秀句に選ばれた方への事前連絡並びに記念品をお送りする際にのみ使用させて頂きます。
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〒790-8537 テレビ愛媛「きょうの俳句」係