視聴者の皆さまからの句

こちらのページでは、視聴者の皆様から応募いただいた俳句をご紹介しています。
毎月ご応募いただいた俳句から5句を選び、EBC Live News「きょうの俳句」のコーナーで放送させていただきます。

2021年12月の
優秀句

放送ではご紹介できなかった「佳作句」はこちら

2021年12月の季語(お題)は
山眠る です
  • 千年の母樹 億年の山眠る

    今日の俳句

    2021.12.17 放送

    作者:竹本桂子(久万高原町)

    栽培目的で種や接穂をとるための木を「母樹」といいます。すぐれた苗を育てるために、成長のよい木が選ばれます。樹齢が千年にもなる母樹は、さぞ立派でしょう。そして、その木を育てる山は、何億年もの単位でそこに在り続けます。人間の時間をはるかに超える、木の時間、山の時間。眠る山が抱き込む遥かさに、自然への畏怖が沸き上がります。

    (監修:神野)

    音声で俳句を聞く/止める
  • 収穫を 終えたる蜜柑 山眠る

    今日の俳句

    2021.12.16 放送

    作者:清水恵子(八幡浜市)

    十二月は蜜柑の収穫シーズンです。俳句で「山眠る」という季語がありますが、冬のはじめの蜜柑山は、まだまだ眠りません。育てた蜜柑を採り終えて、山から明るい橙色が消えたとき、はじめて、蜜柑山はうとうとと眠りにつくのでしょう。愛媛を代表する蜜柑を通して、季語と向き合い、リアルな山の姿を捉えました。

    (監修:神野)

    音声で俳句を聞く/止める
  • 山眠る 眠れぬ吾を おきざりに

    今日の俳句

    2021.12.15 放送

    作者:たわらご 小島里世(西予市)

    冬の山を擬人化した季語「山眠る」を踏まえて、逆に、眠れない私の孤独を描き出しました。木々や鳥のにぎわっていた山も、冬はしーんと静まり返っています。まるで、山にまで置き去りにされたよう。不眠に悩む日々、眠れぬ夜の寂しさが深まります。どうか少しでも、おだやかな眠りが訪れますように。

    (監修:神野)

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  • 山眠る 星雲のごと わが指紋

    今日の俳句

    2021.12.14 放送

    作者:西村青夏(松山市)

    星雲とは、宇宙の塵やガスが雲のように見えるものです。光が渦を巻くさまは、宇宙の不思議を思わせます。作者は自分の指先の指紋から、星雲を連想しました。いわれてみればどちらも、不思議な渦を巻いた自然の造形物です。眠る山の上に冴え冴えと広がる夜空を、てのひらの上に感じている、宇宙とつながる一句です。

    (監修:神野)

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  • 湯を注ぐ だけのラーメン 山眠る

    今日の俳句

    2021.12.13 放送

    作者:室達朗(京都府)

    俳句では、山を擬人化した季語があります。芽吹きの春は「山笑う」、みずみずしい夏は「山滴る」、紅葉の秋は「山装う」。そして、冬の山の静まり返った様子を「山眠る」といいます。眠る山を横目に、インスタントラーメンにお湯を注ぎます。簡単な食事でやり過ごす時間に、厳しい冬の深い沈黙を感じます。

    (監修:神野)

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2021年12月の佳作句

放送ではご紹介できなかった俳句を「佳作句」として少しだけご紹介。

  • 六升の祖母のおこわや山眠る

    作者:たわらご 堀川絵奈

  • オリオンが夜を駆け抜け山眠る

    作者:川又鈴

  • 火の傍に聴くユーカラよ山眠る

    作者:藤尾裕子

  • 大鯉の二つへだたり山眠る

    作者:岩渕晃三

  • 山眠る司令部壕の岩堅し

    作者:新濃健

  • 袋から飛び出すポテチ山眠る

    作者:木染湧水

  • 城山眠る着ぐるみの短き手

    作者:山内佑資

  • ゴーフルの割る音かすか山眠る

    作者:小川さゆみ

  • 山羊の目の暗き矩形に山眠る

    作者:加良太知

  • ボロボロの仕掛け絵本や山眠る

    作者:天陽ゆう

  • 星の死を拾ひし鏡山眠る

    作者:染井つぐみ

  • 山眠る駝鳥を洗ひたる地雨

    作者:藤雪陽

  • 山眠る満場一致なる決議

    作者:宍野宏治

  • 収束と終息の齟齬山眠る

    作者:秋本哲

  • 山眠るアンモナイトをあたためて

    作者:村瀬っち

  • 山眠るわたしの心ざうはそまつ

    作者:南方日午

  • 老犬はゆっくり歩く山眠る

    作者:うさの

  • 大福の豆ほたほたと山眠る

    作者:ぐ

  • 山眠りたり鍋底に錆びの跡

    作者:中矢長宗

  • 山眠るどこかにニホンオオカミも

    作者:中島容子

  • 狼の声はまぼろし山眠れ

    作者:夏雨ちや

  • 山眠り屠畜工場は夜に入る

    作者:げばげば

  • 桶底にこんにゃく震へ山眠る

    作者:綾竹あんどれ

  • 子の眠る母眠るさて山眠る

    作者:深町 明

  • ふつふつと噴くグラタンや山眠る

    作者:柚木みゆき

  • 眠る山風不死岳も樽前も

    作者:みなと

  • 山眠る麓に響く杜氏唄

    作者:冨永酒洛

  • 山眠る母の乳房はゆたゆたと

    作者:ダック

  • 粗塩の朝粥しづか山眠る

    作者:藤田ゆきまち

  • 山眠る太郎も次郎も街へ行き

    作者:近江菫花

  • ガソリン代どこまで上がる山眠る

    作者:友健

  • 寂聴の白寿の旅や山眠る

    作者:土居信勝

  • ももとせの庵主を抱き山眠る

    作者:武井日出子

  • 何万年後の夢を見ゆ山眠る

    作者:番場絵理

  • 山眠る柩へ父の筆と和紙

    作者:山川腎茶

  • 玄関に丸まるブーツ山眠る

    作者:吉田みち子

  • 山眠る谷穿ちゆく鳥のこゑ

    作者:石浜西夏

  • 琵琶の湖抱きて比良山眠りけり

    作者:中村眞喜男

  • 山眠る黒部湖二億トンもまた

    作者:いかちゃん

  • 山眠る旅館のレトロゲームかな

    作者:さとけん

  • 泥酔のをんなの如し山眠る

    作者:加島一善

  • 山眠り窓といふ字に心あり

    作者:砂山恵子

  • 眠る山ビー玉を転がしてみる

    作者:桑島幹

  • 分骨の壷からからと山眠る

    作者:小池令香

  • ドリップの一滴しづか山眠る

    作者:織部なつめ

  • 山眠り姫は王子を待たず生く

    作者:蝶番まゆみ

  • 傷口に前世の記憶山眠る

    作者:藤田瞬

  • 山眠るほうほう鳥の子守唄

    作者:じゃすみん

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テレビ愛媛ではみなさまから
俳句を募集しています!

5月のお題「葉桜(はざくら)」の
応募は締め切りました

応募フォーム、メールアドレス、ハガキの中からご応募ください。メールアドレス、ハガキでのご応募は、お題を含む俳句(ふりがな)・氏名(ふりがな)・住所・電話番号・メールアドレスを記載してお送りください。一人何句でも応募可能です。選ばれた俳句は、EBC Live News「きょうの俳句」コーナーでの放送のほか、テレビ愛媛のホームページ等で紹介します。作者の氏名(ペンネームの場合はペンネーム)、お住いの市町名(ジュニアの場合は学校名)も紹介されます。
(採用された方には放送日を事前に連絡し、記念品を贈らせていただきます。)
※俳句の募集は、毎月第2月曜日、午後6時から開始します。

応募規約

・応募作品は未発表で、ご自身の作品(著作権がご自身にある作品)に限ります。
・他人の作品に著しく類似、または他人の作品の盗用など、第三者の権利を侵害する可能性があると判断した場合は、応募の対象外とします。
・テレビ愛媛は応募作品による権利の侵害等に対し、一切の責任を負いません。

個人情報の取り扱いについて

頂いた個人情報は、優秀句に選ばれた方への事前連絡並びに記念品をお送りする際にのみ使用させて頂きます。

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〒790-8537 テレビ愛媛「きょうの俳句」係

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