こちらのページでは、視聴者の皆様から応募いただいた俳句をご紹介しています。
毎月ご応募いただいた俳句から5句を選び、EBC Live News「きょうの俳句」のコーナーで放送させていただきます。
2019.06.14 放送
線路に敷かれた枕木に雨が降っています。古く乾いた枕木が雨に濡れ、木の匂いを取り戻してゆきます。雨に誘われて這い出てくるかたつむりも、のびのびと気持ちよさそう。退屈に思える雨の日々も、今日の雨は柔らかいなあなどと捉えてみると、変化が感じられていいですね。「柔らかな雨」という詩的な表現が、やさしく世界を包み込みます。
(監修:神野)
2019.06.13 放送
かたつむりが突き出した目をしまうときには、きっとさびしい気持ちだろうと心を寄せました。童謡で「角出せ槍出せ頭出せ」と意気揚々に歌われるかたつむりですが、その逆の消極的な姿を掬い上げたのが新鮮です。やわらかく仕舞われる彼の目には、どんな景色が映っているのでしょうか。俳句は、かたつむりの気持ちにもなれる、やさしい詩です。
(監修:神野)
2019.06.12 放送
哲学は、人間とは何か、生きるとはどういうことかなど、この世界の不思議について、思考を武器に突きつめる学問です。ソクラテスもプラトンもアリストテレスも、古代ギリシャの偉大な哲学者でした。ゆっくりゆっくり、答えを探しながら進む思考は、かたつむりの歩みにも似ています。かたつむりもまた、ものいわぬ哲学者なのかもしれませんね。
(監修:神野)
2019.06.11 放送
かつてクレヨンの定番だった「はだ色」。しかし、特定の色だけを肌色と呼ぶのは人種差別につながるとの指摘から、今では「うすだいだい」や「ペールオレンジ」など、別の名前で呼ばれています。かたつむりの肉も、かつての「はだ色」です。かたつむりを描こうとしたとき、はたと「はだ色」が消えたことに気がついた、小さな気づきの一句です。
(監修:神野)
2019.06.10 放送
庭木の手入れをしていたのでしょうか、ふと葉っぱの裏を見ると、生まれたばかりのかたつむりの赤ちゃんがいたのです。米粒ほどの小ささでありながら、そのかたちはすでに立派なかたつむり。葉っぱの裏で一生懸命、生きているのです。上五の「や」の切れ字が、命の不思議にはせた思いの深さを物語ります。
(監修:神野)
放送ではご紹介できなかった俳句を「佳作句」として少しだけご紹介。
ででむしと同じ水飲む峡暮らし
かたつむり子の哀しみを聞き流す
筆箱にしまったはずのかたつむり
バス停の時刻表這ふ蝸牛
ギガ増量せずに見てゐるカタツムリ
かたつむり踏んでわたしは悪くない
かたつむり友達のまま二年過ぎ
行き先は内緒のところ蝸牛
ででむし眠る母の来客見送りて
かたつむり村に郷土の史料館
日の出五時ここにそこにと蝸牛
蝸虫や定年のあと何なさむ
今終はる長き説教かたつむり
一寸を一里の如くかたつむり
かたつむり航海の夢見てるらし
虹這つて来たかに蝸牛のあゆみ
かたつむり水平線をカノープス
我が窓に轍残してかたつむり
かたつむりぬるりぬるりと銀を刷く
かたつむり光を残し去りにけり
おなじ夜におなじ星みるかたつむり
億年をかけて歩むや蝸牛
ででむしに声かけて行く園児達
ででむしや子等に囃され進みけり
ゆっくりが好き多分かたつむりもね
かたつむりゐて遠くリニアの試運転
巻き戻せぬ時間を追ひてかたつむり
畑の世話もうようせんよかたつむり
耐震の地盤改良かたつむり
来客にときめく扉かたつむり
葉裏で雨待つカタツムリ殻を閉じ
テレビ愛媛ではみなさまから
俳句を募集しています!
応募フォーム、メールアドレス、ハガキの中からご応募ください。メールアドレス、ハガキでのご応募は、お題を含む俳句(ふりがな)・氏名(ふりがな)・住所・電話番号・メールアドレスを記載してお送りください。一人何句でも応募可能です。選ばれた俳句は、EBC Live News「きょうの俳句」コーナーでの放送のほか、テレビ愛媛のホームページ等で紹介します。作者の氏名(ペンネームの場合はペンネーム)、お住いの市町名(ジュニアの場合は学校名)も紹介されます。
(採用された方には放送日を事前に連絡し、記念品を贈らせていただきます。)
※俳句の募集は、毎月第2月曜日、午後6時から開始します。
・応募作品は未発表で、ご自身の作品(著作権がご自身にある作品)に限ります。
・他人の作品に著しく類似、または他人の作品の盗用など、第三者の権利を侵害する可能性があると判断した場合は、応募の対象外とします。
・テレビ愛媛は応募作品による権利の侵害等に対し、一切の責任を負いません。
頂いた個人情報は、優秀句に選ばれた方への事前連絡並びに記念品をお送りする際にのみ使用させて頂きます。
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〒790-8537 テレビ愛媛「きょうの俳句」係