視聴者の皆さまからの句

こちらのページでは、視聴者の皆様から応募いただいた俳句をご紹介しています。
毎月ご応募いただいた俳句から5句を選び、EBC Live News「きょうの俳句」のコーナーで放送させていただきます。

2024年4月の
優秀句

放送ではご紹介できなかった「佳作句」はこちら

2024年4月の季語(お題)は
日永(ひなが) です
  • 永き日のアロワナ 古代まで泳ぐ

    今日の俳句

    2024.04.19 放送

    作者:青井えのこ(東京)

    アロワナは、南アメリカや東南アジアの淡水に棲む魚です。恐竜の時代の地層に化石が発見され、太古から姿を変えない古代魚としても知られています。永遠を感じさせる日永の光の中、大きな体をうねらせ、アロワナが泳いでゆきます。時空を超え、古代までさかのぼってゆきそうな、はるかな後ろ姿です。

    (監修:神野)

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  • 札所から 札所へと漕ぐ 日永かな

    今日の俳句

    2024.04.18 放送

    作者:神野睦子(松山)

    四国八十八か所のお遍路を、自転車で巡礼しているのでしょう。札所にお参りしたら、また次の札所を目指して、軽快に漕ぎ始めます。日も永くなってきたので、一日をたっぷり使えます。自転車を使って、コンパクトかつスピーディーに、春のお四国を駆け抜けます。

    (監修:神野)

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  • 救援食待つや 日永のラマダーン

    今日の俳句

    2024.04.17 放送

    作者:中村 彰正(久万高原)

    イスラム教には、日中の飲食を断ち、神様に祈りを捧げる、ラマダーンという期間があります。ガザに住む人の多くも3月にラマダーンを迎えましたが、停戦を呼び掛ける声に応じず、イスラエル軍は攻撃を続けました。救援物資の食料も満足に行き渡らないガザ。人々の無事を祈り、日本にできることを考えます。

    (監修:神野)

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  • 永き日の 犬が振り向く度に 撮る

    今日の俳句

    2024.04.16 放送

    作者:恵勇(千葉)

    犬にレンズを向け、振り向くたびにベストショットを狙ってシャッターを切ります。人間と違って、犬はじっとポーズを決めてくれません。「振り向く度に撮る」というせわしない表現が、はつらつと動く犬や、それに振り回される人間の姿を、いきいきと描き出しています。

    (監修:神野)

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  • 珈琲にひよ子 日永の美容室

    今日の俳句

    2024.04.15 放送

    作者:春野ぷりん(新潟)

    美容室でパーマやカラーを施す待ち時間に、ちょっとしたお菓子を用意してくれたのでしょう。コーヒーと一緒に出てきたのは、福岡発祥の銘菓「ひよ子」です。日永の穏やかな明るさと、ひよこの形をしたお菓子のなつかしさとがぴったり。心がほっこりあたたかくなるサービスです。

    (監修:神野)

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  • 寝返りで 赤子日永を 使ひ切る

    今日の俳句

    2024.04.12 放送

    作者:徳永晴樹(松山)

    まるで永遠に続きそうな春の午後、赤ちゃんがころり、またころりと寝返りをします。まだ立ったり喋ったりできない赤ちゃんは、とにかく今は寝返りばかり。日永を使い切るという表現がユニークですね。飽きもせず繰り返される赤ちゃんの動作にも、不思議な達成感が生まれます。

    (監修:神野)

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  • 永き日や シベリア抑留 語らぬ父

    今日の俳句

    2024.04.11 放送

    作者:近藤義久(松山)

    第二次世界大戦終結後も、シベリアに不当に抑留され、厳しい労働を課せられた人々がいました。飢えと寒さに追い詰められながらの強制労働は、筆舌に尽くしがたい苦しさだったでしょう。平和な日永のひだまりの中、かつての辛い記憶を語らない父の、寡黙な胸の内にふと思いをはせます。

    (監修:神野)

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  • ンジャメナに 続く日永の しりとりよ

    今日の俳句

    2024.04.10 放送

    作者:鈴白菜実(東京)

    ンジャメナはチャド共和国の首都です。しりとりは「ん」がつくと負けと言われますが、この世界には「ん」から始まる言葉もあるんですね。「ンジャメナ」の名前を出せば、しりとりはまだまだ終わりません。日の永くなった春の午後、ンジャメナという奥の手を使い、どこまでも言葉のリレーが続きます。

    (監修:神野)

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  • 宇和海と 日永と サニートラックと

    今日の俳句

    2024.04.09 放送

    作者:櫻栄二(愛南町)

    サニートラックは、昭和の時代に人気を博した、小型のボンネットトラックです。春の午後、宇和海に面した道を、レトロなサニートラックが走ってゆきます。リアス式海岸をくいくいと曲がるたび、車のボディが海の光にきらっと輝きます。「と」で並列させたことで、軽快なリズムも生まれました。

    (監修:神野)

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  • 薄皮の剥けぬ 日永のゆでたまご

    今日の俳句

    2024.04.08 放送

    作者:葦屋蛙城(新潟)

    春になると日暮れが遅くなり、少しずつ昼の時間が長くなります。一番昼が長いのは夏ですが、季節の変化をしみじみ感じることから、日永は春の季語です。ゆでたまごの薄皮が剥けないことも、なんとなく許せてしまう、穏やかな春の午後。つるんとした玉子の肌に、春の光が輝きます。

    (監修:神野)

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2024年4月の佳作句

放送ではご紹介できなかった俳句を「佳作句」として少しだけご紹介。

  • 大らかに湯でる日永の伊勢うどん

    作者:藤田ゆきまち

  • 豆苗に話しかけたる日永かな

    作者:福原あさひ

  • 永き日をもてあましゐる象の鼻

    作者:岩渕晃三

  • 引き出しのスプン揃へて日永かな

    作者:杏乃みずな

  • 永き日や犬は飽きをるドッグラン

    作者:田尻武雄

  • 一人ゐて日暮門の日永なる

    作者:巴里乃嬬

  • 永き日を丸く眠れるハムスター

    作者:中島容子

  • 去勢後の猫の爪切る日永かな

    作者:石浜西夏

  • カピバラを構ふペリカン日永し

    作者:藤雪陽

  • 洞窟は手掘り日永の鬼ヶ島

    作者:おきいふ

  • ひとくちに放る最中よ日永寺

    作者:押見げばげば

  • 巨大船パナマは日永なる國か

    作者:秋本哲

  • 死んだ人ばかりの映画見る日永

    作者:彩汀

  • イーゼルをたたむ日永の美術室

    作者:みやこわすれ

  • 永き日の孵化をみてゐる顕微鏡

    作者:桜鯛みわ

  • 味噌汁の煮崩れし菜や日の永し

    作者:まつもとゆや

  • 日永なり父のイヤフォンから枝雀

    作者:幸田梓弓

  • 復興の槌音能登の日永かな

    作者:HNKAGA

  • 日永の子ひとり遊ぶや瀬戸の磯

    作者:加島一善

  • 午後六時打つて日永の刻太鼓

    作者:室達朗

  • 永き日の真顔で読めるギャグ漫画

    作者:綾竹あんどれ

  • 教科書の子規の横向く日永かな

    作者:宍野宏治

  • ソイラテの微かに甘き日永かな

    作者:樫の木

  • 薄雲に光濾さるる日永かな

    作者:山川腎茶

  • 寝そべって見る源氏絵巻の日永

    作者:桑島幹

  • 池の面に耳だけのカバ暮遅し

    作者:貝田ひでを

  • 鳥語降る裏参道の日永かな

    作者:佐藤浩章

  • 永き日やベンチの下を出づる鳩

    作者:主藤充子

  • 蟻塚のごとき堆肥を鋤く日永

    作者:栗田修次

  • 白猫をほわわ日永を手懐けて

    作者:ノセミコ

  • こそこそと話す日永のかくれんぼ

    作者:紅紫あやめ

  • 乗り換へを待つや日永の喫茶店

    作者:栗田すずさん

  • 永き日のクルーズ船の窓の数

    作者:紗羅ささら

  • リクエスト送る日永のラジオかな

    作者:岸来夢

  • 日永来る夜泣きの後の静かさに

    作者:細江隆一

  • トレイ手にトングかちかちさせ日永

    作者:ふくじん

  • でんぷん糊うすく広げる日永かな

    作者:葉村直

  • 鳩時計の発条を巻く日永かな

    作者:近江菫花

  • 永き日や風船ガムを膨らませ

    作者:砂山恵子

  • ABC諸島調べてゐる日永

    作者:南方日午

  • 日永なる川辺に年休の私

    作者:水蜜桃

  • 観たやうな気もしつつ観る日永かな

    作者:島田和子

  • トランポリンとぶとぶとんだだけ日永

    作者:平良嘉列乙

  • 五発目の空砲日永のハンドソープ

    作者:北欧小町

  • 被災吾家みつめる能登の日の永さ

    作者:中村浩志

  • エコバッグ提げて日永の立ち話

    作者:西田真己

  • 永き日の琥珀の中に虫ひとつ

    作者:藤尾裕子

  • 割り切れぬ円周率よ永き日よ

    作者:名智満

  • 散歩道しっかり日永踏みしめて

    作者:友健

  • 永き日や産院に鳴る鳩時計

    作者:村上光朗

  • ゆっくりと産まれてこいと言う日永

    作者:渡辺香野

  • 飴玉のひかりに遊ぶ日永かな

    作者:松永智志

  • 被写体を追う永き日のファインダー

    作者:祐宇

  • 寝たきりの母と日永のお饅頭

    作者:東田一鮎

  • 日永なる掩体壕に横臥せり

    作者:松田寛生

  • 錆びし扉を蹴りて日永の海に出づ

    作者:沼野大統領

  • 火葬場のコーヒー甘すぎる日永

    作者:庭野環石

  • 戦争を語り日永の庭にゐる

    作者:村瀬ふみや

  • 永き日やタッセル二重巻きにして

    作者:堀川絵奈

  • 神馬とて飼はるる馬の日永かな

    作者:小林土璃

  • 相席の無言やんごとなき日永

    作者:猪俣ま悠

  • ランドセル置き永き日の駄菓子屋へ

    作者:新濃健

  • 子供等と碁石を洗ふ日永かな

    作者:星月彩也華

  • 本命の馬は六着日永し

    作者:草夕感じ

  • 永き日の駅から城の見える町

    作者:板柿せっか

  • しらかばの樹液日永を溜まりけり

    作者:北藤詩旦

  • 永き日や車道の亀を戻す池

    作者:茂木りん

  • 手量りで京野菜売る日永かな

    作者:木村隆夫

  • シェークをすする永日の帰り道

    作者:加里かり子

  • 永き日やドゥルシネーアまであと僅か

    作者:坂本聖貴

  • 永き日よ忘るることを笑ひあふ

    作者:高山佳風

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