視聴者の皆さまからの句

こちらのページでは、視聴者の皆様から応募いただいた俳句をご紹介しています。
毎月ご応募いただいた俳句から5句を選び、EBC Live News「きょうの俳句」のコーナーで放送させていただきます。

2023年1月の
優秀句

放送ではご紹介できなかった「佳作句」はこちら

2023年1月の季語(お題)は
大根 です
  • 大根炊く 家族今生だけのもの

    今日の俳句

    2023.01.20 放送

    作者:石浜西夏(大阪)

    大根を炊いているとき、ふと、この家族と一緒にいられるのは今の人生に限ったことなのだなあと、思いをめぐらせました。どんな家族も、この世に生きているあいだの、束の間の存在です。だからこそ、ともに過ごす時間が、かけがえがなく尊いのです。いっしょに大根を食べる当たり前の日常を、大切に過ごしたいものです。

    (監修:神野)

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  • 涙拭いて すきとほるまで 大根煮る

    今日の俳句

    2023.01.19 放送

    作者:緒方朋子(北海道)

    こらえきれない気持ちがあって、涙を流してしまうこともあります。そんな日でも、人は生きていくために、何かを食べなければいけません。涙を拭いて、台所に立って、大根を煮ます。大根が透けてゆくほどに、私の心の淀みも、透明に消えてゆくよう。誰にも見せない涙の風景を、静かに書きとりました。

    (監修:神野)

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  • 震度は三 大根の煮崩れてをり

    今日の俳句

    2023.01.18 放送

    作者:しまのなまえ(八幡浜)

    震度三だと、そこまでではないにせよ、揺れをたしかに感じる強さです。大根が煮崩れたのは、まさか、地震で揺れたせいだったりして。それだけ柔らかく煮上がった大根が見えてきます。大根を煮るいつもの日常にも、災害は隣り合わせなのだという事実に気づかされます。

    (監修:神野)

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  • 大根へ 隠し包丁 辞表書く

    今日の俳句

    2023.01.17 放送

    作者:小川さゆみ(埼玉)

    大根を煮るとき、下ごしらえに隠し包丁を入れます。輪切りの片面に切れ込みを入れることで、火の通りがよく、味がしみこみます。大根を鍋に煮ながら、テーブルで辞表を書いているのでしょう。提出まで辞表を隠し持つひそやかさが、隠し包丁の「隠し」の言葉と響き合います。どの日常にもドラマはあるのだと思い出させる一句です。

    (監修:神野)

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  • 風呂吹大根 阿波の麦味噌 土佐の柚子

    今日の俳句

    2023.01.16 放送

    作者:じゅうめい(松山)

    大根のレシピはさまざまですが、厚切りで煮て柚子味噌などをかけたのが、風呂吹き大根です。 熱いうちにふうふう冷ましながら食べるので、その名がつきました。柚子味噌を作るのに、徳島の麦味噌と高知の柚子を使って、四国らしい風呂吹き大根の出来上がりです。この大根はきっと、愛媛産ですね。

    (監修:神野)

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  • 大根の 花が見たくて 抜かず置く

    今日の俳句

    2023.01.13 放送

    作者:藤本加奈子(松山)

    大根は抜くもの、食べるものだと思っていましたが、花が見たいから、抜かないで畑でそのまま育てるという発想に驚きました。大根は、白や淡いむらさきのすこやかな花を咲かせます。畝の大根のうち、一本だけは残して咲かせる、そんな風に畑の時間を楽しむ姿が、いきいきと伝わる一句です。

    (監修:神野)

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  • 大根焚く 家なき若者のために

    今日の俳句

    2023.01.12 放送

    作者:立部笑子(愛知)

    大根は、比較的手に入りやすい価格で、一本でもたっぷりと量があるので、庶民の味方の野菜です。貧困に陥って住む家のない若者たちのために、少しでも腹の足しになるよう、炊き出しをしているのでしょう。自己責任と切り捨てるのではなく、社会の責任として受け止める姿勢が、大根のやさしい甘さと重なります。

    (監修:神野)

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  • 大根の煮えて 満月よりも丸

    今日の俳句

    2023.01.11 放送

    作者:ぞんぬ(神奈川)

    大根は、生のままでサラダにしたり、すりおろして和えものにしたりと、調理法もさまざま。そんな中でもやはり、シンプルな煮物は、王道のおいしさです。輪切りにした煮大根の断面を、作者は、満月よりも丸いと褒めたたえました。美しい月になぞらえることで、大根の存在がぐっと輝きます。

    (監修:神野)

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  • 大根を洗うや ホースから氷

    今日の俳句

    2023.01.10 放送

    作者:渡部茂由子(久万高原)

    畑から抜いた大根は、土がたっぷりついています。その土を洗い流そうと屋外の蛇口をひねると、ホースの中が凍っていたので、水が氷ごと飛び出しました。それだけ、冬の冷え込みが厳しいということです。寒い中での農作業のおかげで、私たちの食卓にも大根が届きます。

    (監修:神野)

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  • 帰りしな寄りよ 大根抜くけんね

    今日の俳句

    2023.01.09 放送

    作者:はくたい(今治)

    大根は、冬の食卓に欠かせない野菜です。畑から抜いたばかりの大根は、どっしりと立派で、みずみずしさも抜群です。親しい人を訪ねたとき、また帰りに寄りなさい、大根を抜いて用意しておくからね、と声をかけてもらいました。伊予弁を詠みこんだことで、人の心のあたたかさが、やわらかく伝わります。

    (監修:神野)

    音声で俳句を聞く/止める

2023年1月の佳作句

放送ではご紹介できなかった俳句を「佳作句」として少しだけご紹介。

  • 大根ひっこ抜く地球の笑窪か

    作者:友健

  • 大根のひかりはみづのおもさかな

    作者:巴里乃嬬

  • 大根抜く穴にすとんと峡の日は

    作者:竹本桂子

  • この街を出ると決めおろす大根

    作者:桑島幹

  • 大根の何処を切つてもみづの音

    作者:亀田かつおぶし

  • 食べてみと大根へし折る媼かな

    作者:百瀬はな

  • をととひの煮〆大根飯に載す

    作者:松田夜市

  • 持ってけと土付大根喪が明ける

    作者:石塚彩楓

  • 煮大根や嬰児の手の銀の匙

    作者:おかだ卯月

  • 二股大根洗へばリアル尻までも

    作者:加藤宜立

  • 鉈で割る大根漬かる津軽の湯

    作者:天童光宏

  • 大根引きけふの噴火はちとにほふ

    作者:田尻武雄

  • 大根引しょうぼうしゃのくっくはきつい

    作者:河野佑芽

  • 晴れだから大根洗ふ靴洗ふ

    作者:フージー

  • 産土のみづは甘やか大根摺る

    作者:このみ杏仁

  • 大根をおろせさうなる我が心

    作者:藤雪陽

  • 大根を例えに恋を語る人

    作者:GONZA

  • 大根をことこと授業計画書

    作者:いかちゃん

  • 大根の尾擂つて孤独のごとき味

    作者:青井えのこ

  • 古鉢の龍を治めに大根盛る

    作者:伊藤柚良

  • 野猿から大根守れと回覧板

    作者:中矢長宗

  • 大根の炊きかた恋の始めかた

    作者:杉野裕子

  • 円柱の体積にπ大根食う

    作者:中村彰正

  • 煮大根ドラマの筋はありふれて

    作者:ピアニシモ

  • 増税と値上げのニュース大根引く

    作者:山内貞市

  • 大根煮る愛国心を試さるる

    作者:香田ちり

  • 婿殿の大根おろしまだできぬ

    作者:三好眞喜子

  • バス賃を残し大根二つ買ふ

    作者:佐藤茂之

  • 大根の葉やブランドのエコバッグ

    作者:洒落神戸

  • 大根の花が見たくて抜かず置く

    作者:藤本加奈子

  • 優里の歌哀し大根柔らかし

    作者:岡野未由子

  • 飴色の定義あやふや大根煮る

    作者:夏雨ちや

  • 燐寸する故郷の暮し大根干す

    作者:宍野宏治

  • 大根を引く先生を見る生徒

    作者:太平楽太郎

  • 青首大根土佐包丁の試し切り

    作者:武井日出子

  • 大根や電子レンジの不愛想

    作者:イサク

  • 半分に切りても長き大根かな

    作者:POTU

  • 豚汁に大根のある病後かな

    作者:ギル

  • 大根をすぱんと切りて無きことに

    作者:越智敦子

  • 朝食は無言のエール大根汁

    作者:すずしろゆき

  • マンモスの骨の歪みや大根掘る

    作者:じゃすみん

  • 塩味なき大根を炊く母に炊く

    作者:さくら悠日

  • 大根を花束のごと抱えけり

    作者:ゆすらご

  • 失恋に大根強くすりおろす

    作者:名智満

  • レジかごのバランス崩し大根買う

    作者:木染湧水

  • ここにまた運命ありと大根引く

    作者:田祥聖

  • 整然ときのふ大根だつた穴

    作者:村瀬ふみや

  • 富士山へ続く大根の穴の列

    作者:加島一善

  • 軒先の風の浮力や干大根

    作者:葦屋蛙城

  • 石鎚は雲につつまれ大根引く

    作者:片山一行

  • 大根抜く地球励ますやうに抜く

    作者:砂山恵子

  • 代金はお心任せ大根売る

    作者:栗田修次

  • 大根や農学校の応援団

    作者:宍野宏治

  • 大根の優しく崩れゐる実家

    作者:染井つぐみ

  • 葉をまとめ祖母は片手で大根ひく

    作者:久保田凡

  • 赤味噌を塗るほくほくの大根に

    作者:紅紫あやめ

  • リヤカーに高校生の売るだいこ

    作者:堀川絵奈

  • 大根切る鍋用といま齧る用

    作者:桜鯛みわ

  • 大根を洗ふ落書き消すやうに

    作者:秋本哲

  • 夫を待つ夜や大根の鬼おろし

    作者:小池令香

  • 蕎麦屋へと届く泥付き大根かな

    作者:松山りさ

  • 噛み合わぬ会話に辛く擂る大根

    作者:赤尾てるぐ

  • 泣くもんか椀いっばいに摺るだいこ

    作者:ふくじん

  • 大根炊くラジオドラマは最終回

    作者:みやこわすれ

  • 大根の葉のぶぁさぶぁさとヘリ旋回

    作者:伊予素数

  • くたくたにしゆんだ大根と京都弁

    作者:丁鼻トゥエルブ

  • 湧水のごと大根の葉の豊か

    作者:鈴白菜実

  • 伏し水の如くだいこに山のみづ

    作者:野口雅也

  • 大根のサラダ物価の話など

    作者:柚木みゆき

  • 大根やタンクトップの大学生

    作者:ヒマラヤで平謝り

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テレビ愛媛ではみなさまから
俳句を募集しています!

5月のお題「葉桜(はざくら)」の
応募は締め切りました

応募フォーム、メールアドレス、ハガキの中からご応募ください。メールアドレス、ハガキでのご応募は、お題を含む俳句(ふりがな)・氏名(ふりがな)・住所・電話番号・メールアドレスを記載してお送りください。一人何句でも応募可能です。選ばれた俳句は、EBC Live News「きょうの俳句」コーナーでの放送のほか、テレビ愛媛のホームページ等で紹介します。作者の氏名(ペンネームの場合はペンネーム)、お住いの市町名(ジュニアの場合は学校名)も紹介されます。
(採用された方には放送日を事前に連絡し、記念品を贈らせていただきます。)
※俳句の募集は、毎月第2月曜日、午後6時から開始します。

応募規約

・応募作品は未発表で、ご自身の作品(著作権がご自身にある作品)に限ります。
・他人の作品に著しく類似、または他人の作品の盗用など、第三者の権利を侵害する可能性があると判断した場合は、応募の対象外とします。
・テレビ愛媛は応募作品による権利の侵害等に対し、一切の責任を負いません。

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