こちらのページでは、視聴者の皆様から応募いただいた俳句をご紹介しています。
毎月ご応募いただいた俳句から5句を選び、EBC Live News「きょうの俳句」のコーナーで放送させていただきます。
2024.11.22 放送
野原を歩いていると、子どもが草の名前をいちいち聞きたがります。あの草は何? こっちの草は何ていうの? 名前のない草はありませんが、大人もそこまで詳しくありません。適当に返事をしながら、草をそよがせる風に吹かれ、のびのびと歩きます。小春日和、みなさんも、外へ出て日差しを感じてみませんか。
(監修:神野)
2024.11.21 放送
親しい二人が海に来て、浜辺で語らっているのでしょう。もし一緒に住むとしたら、こんな家がいいという理想の間取り。玄関はここ、キッチンはここ、想像しながら砂浜に描きます。ほのぼのとした小春の日差しが、寄り添う背中をあたため、二人の未来をやさしく照らします。
(監修:神野)
2024.11.20 放送
労研饅頭は、酵母菌を使った蒸しパンです。昭和のはじめ、労働科学研究所が、中国の饅頭をアレンジして生まれました。松山では今も、ソウルフードとして愛されています。中にバターが練り込まれた労研饅頭なら、栄養も摂れ、優しい甘みにほっとできそう。みなさんなら、小春のおともに、何を食べますか?
(監修:神野)
2024.11.19 放送
小春のころの穏やかな海の凪ぎを「小春凪」と呼びます。船乗りだったお父さまを見送り、納骨の日を迎えます。海が見えるところにお墓があるのでしょうか。納骨を済ませ海を見やれば、小春の光が優しくゆきわたっています。穏やかに凪ぎわたる海に、亡くなった父への慕情が、やわらかく溶けてゆきます。
(監修:神野)
2024.11.18 放送
小春のあたたかい午後、校庭のうさぎ小屋を覗きます。草食のうさぎはパンを食べるとおなかを壊してしまうので、分けるわけにはいきませんが、食パンをぱくぱく食べる子どもの姿と、キャベツをむしゃむしゃ食べるうさぎの姿が、すこやかに重なります。ふっくらとした食パンのような、小春の時間です。
(監修:神野)
2024.11.15 放送
あたたかな小春の日溜りにいると、のんびりとくつろぎたくなります。動物園のカンガルーたちも、同じみたい。カンガルーらしくジャンプする者はおらず、みんなが寝そべって、穏やかに日差しを浴びています。人間も動物も、寒い冬の入口で、ほっと一息つく、小春のひとときです。
(監修:神野)
2024.11.14 放送
ターナー島は、松山の沖合に浮かぶ、小さな無人島です。夏目漱石の小説『坊ちゃん』の青嶋のモデルで、島に生えた松がイギリスの画家ターナーの描いた松に似ていたことから「ターナー島」と呼ばれています。瀬戸内の海もよく凪いで、穏やかな小春の日。冬でも青々と、松は自らの命を輝かせます。
(監修:神野)
2024.11.13 放送
お尻に湿布を貼ってもらうのは、本当に親しくなければなかなか頼めませんよね。セリフがそのまま俳句になっているのも、ユーモラスで、体温を感じます。突き出された父の尻も、小春ならば、いつもより大切に思えそうです。家族の何でもない日常が、滑稽味も交えながら、いきいきと切り取られました。
(監修:神野)
2024.11.12 放送
あたたかな小春のひと日、思い立ってパンを焼きます。くるんと巻くなら、クロワッサンでしょうか。練ったパン生地を形に整えていくとき、小春の日差しや空気ごと、やわらかく巻いていきます。言葉のリズムに、小春の軽やかさがよく感じられます。きっと、ふっくらと香ばしいパンが焼き上がりますね。
(監修:神野)
2024.11.11 放送
立冬を過ぎても、本格的な寒さはもう少し先。十一月に、まるで春のように暖かい日和を小春と呼びます。緊張感がふっと緩み、穏やかな気分に包まれます。ポストに手紙を入れるとき、まだ小さいので背伸びしている子を見かけました。懸命な姿にほほえましさを覚えるとき、小春の優しさが満ちてきます。
(監修:神野)
放送ではご紹介できなかった俳句を「佳作句」として少しだけご紹介。
ベレー帽選りて小春のコンサート
アルパカの顔に小春とかいてある
ビニールを引いておにぎり小春風
髭を剃るための小春を泡立てる
十二位の蟹座の小春日和かな
やり取りは手話小春日の初デート
ランダム再生どのレノンも小春
古タオル雑巾に縫ふ小春かな
老杉を千歩小春の光堂
蛸壺百浜に干さるる小春かな
嬰児よりバニラの匂ひして小春
小春日に吼えるライオンかもわたし
小春日や木の匙すくふ離乳食
小春日や靴ひも売られたる本屋
ドーナツに小春の風を通すまで
医療費は二割帰り道は小春
ライダーはホットドッグと小春空
ドガの絵の踊り子動き出す小春
つり銭も小春の温度商店街
文字のやや丸し小春の活版所
朽ち果てし小舟の沈みゆく小春
松葉杖はずし小春へ置く一歩
饅頭は蒸したて参道の小春
ピスタチオケーキさみどり小春風
真珠へとやさしき波の小春かな
電車すぐ小春の被写界深度かな
階に緩く伸びたる小春の陽
旅小春佐田岬より宇和と瀬戸
小春日の水脈やはらかし三津渡し
明日閉じる菓子屋にぎやか小春空
採用の文字が小春の陽に透けて
仲見世を抜けて小春の猿回し
古墳への階段登り切り小春
ああなんて小春遠くで子らの声
小春日やツェルニーをあと何度弾く
小春日をピーカンナッツチョコレート
牛串を二本小春の小京都
窓は全開小春日の潮の香よ
バケットの長さに伸びるねこ小春
陽の角度風の角度を漕ぐ小春
小春風地球をそっと回しけり
小春日や水曜午後の常設展
二年目の島留学の小春かな
小春日を走る電車の蜜柑色
小春の掲示板「亀が逃げました」
庭師来て小春の空の広がりぬ
小春日や芝に四つ葉のクローバー
小春日の鸚哥にパンの匂ひして
草匂ふ小春の空へ野良着干す
石垣の苔もこもこと小春かな
小春日の本も売つてるコーヒー屋
甘やかに小春の湖を羽撃けり
小春日の外階段に座る犬
クーピーの青の短き小春かな
小春とふ名の姪とゐる小春かな
陶芸の窯でピザ焼く小春かな
万華鏡回せばほどけゆく小春
木曜の午後や小春の保健室
ペンギンの飛び立ちそうな小春かな
小春日や靴脱ぎ入るベーカリー
せせらぎのうすきひかりや小春空
栗鼠追いし小春日和の遠回り
避難所へ登ってみる日小春空
小春日やへそをさらして眠る犬
黒板に「自習」と大書され小春
吸い穴のY字小春の哺乳瓶
干潮時現る道を行く小春
手作りの胸花小春のコンサート
カーブミラーに映る小春隣の夕飯は肉じゃが
ルドゥーテの古りたる葉書巴里小春
デパートへ小春の人や昇降機
小春日は柱時計の螺子巻いて
無人駅小春の海に陽が沈み
こんな日は小春を買ひにマルシェまで
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応募フォーム、メールアドレス、ハガキの中からご応募ください。メールアドレス、ハガキでのご応募は、お題を含む俳句(ふりがな)・氏名(ふりがな)・住所・電話番号・メールアドレスを記載してお送りください。一人何句でも応募可能です。選ばれた俳句は、EBC Live News「きょうの俳句」コーナーでの放送のほか、テレビ愛媛のホームページ等で紹介します。作者の氏名(ペンネームの場合はペンネーム)、お住いの市町名(ジュニアの場合は学校名)も紹介されます。
(採用された方には放送日を事前に連絡し、記念品を贈らせていただきます。)
※俳句の募集は、毎月第2月曜日、午後6時から開始します。
・応募作品は未発表で、ご自身の作品(著作権がご自身にある作品)に限ります。
・他人の作品に著しく類似、または他人の作品の盗用など、第三者の権利を侵害する可能性があると判断した場合は、応募の対象外とします。
・テレビ愛媛は応募作品による権利の侵害等に対し、一切の責任を負いません。
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