こちらのページでは、視聴者の皆様から応募いただいた俳句をご紹介しています。
毎月ご応募いただいた俳句から5句を選び、EBC Live News「きょうの俳句」のコーナーで放送させていただきます。
2022.09.23 放送
余生の過ごし方はさまざまですが、愛媛に暮らせば、観光ガイドとして正岡子規の魅力を伝えるという余生もあるのですね。手話なら、より広く多くの人に届きます。そうして語った子規の生きる力は、これからを生きる人たちを励ましてもくれるでしょう。過去から未来へ橋渡しをする、子規忌の今を見つめました。
(監修:神野)
2022.09.22 放送
正岡子規は肺結核を患い、34歳の若さで亡くなりました。病気を悪化させたのは、日清戦争従軍とも言われています。大陸へ渡る船の上で、あるいはふるさと伊予の浜辺で、潮風を大きく吸い込み、肺を満たしたときの感覚。「うるむ」ととらえたひとことに、生きる命がにじみます。
(監修:神野)
2022.09.21 放送
病気のイメージが強い子規ですが、元気なころは野球が大好きでした。新しいスポーツだった野球の用語を翻訳し、「野球」と書いて「の・ぼーる」というペンネームも使いました。空き地で野球をする子どもたち。勢い余って、近所の窓硝子を割ってしまいました。規格外のホームランが、子規の器の大きさを髣髴とさせます。
(監修:神野)
2022.09.20 放送
糸瓜忌は子規忌の別名です。子規はあんパンが大好きでした。パン屋さんで人気のあんパンが、二時に焼き上がります。香ばしい焼きたての香り。おいしいあんパンを子規さんにも食べさせたいと思うとき、子規は近寄りがたい文豪ではなく、私たちの友人として、にっこり笑ってくれるでしょう。
(監修:神野)
2022.09.19 放送
今日、9月19日は子規忌です。子規は獺祭書屋主人と称し、カワウソと自分を重ねました。お祭りのように魚を並べるカワウソの習性は、まるで病床に資料を並べ文学に打ち込む自分のよう。子規は牛乳にココアを入れて飲むのが好きでした。温めた牛乳の膜をつまみとるとき、子規にもこんな瞬間があっただろうかと、彼の日常に思いを重ねます。
(監修:神野)
2022.09.16 放送
獺祭忌とは、子規忌のことです。子規は甘いものが大好きだったので、当時は珍しかったシュークリームも、弟子が届けてくれました。「シュー」という音が花火みたいだと喜んだ手紙も残っています。オーブンで今、シュー生地が香ばしく焼けてゆきます。子規さんの気持ちで待てば、ささやかな出来事も、幸せのかけらとして輝きます。
(監修:神野)
2022.09.15 放送
スポイトで理科の実験をしているのでしょうか。水を吸い上げるそのとき、ふと、子規忌だと頭をよぎりました。子規も、言葉によってさまざまな実験を試み、新たな時代を切り拓いた人です。科学も文学も、実験精神が大切。子規忌の水と思えば、その一滴にも、何か特別な力が宿るかもしれません。
(監修:神野)
2022.09.14 放送
子規は亡くなる十数時間前、糸瓜を詠んだ三句を書きつけました。糸瓜水は痰切りの薬になるので、子規の庭でも育てていました。この糸瓜にちなみ、子規忌を糸瓜忌とも呼びます。子規の周囲には多くの人が集まり、議論を交わしました。そんな子規の忌日なら、喧嘩しても両成敗、ラーメン食べて仲直り。明治の若者たちの明るい声が聞こえてきそうです。
(監修:神野)
2022.09.13 放送
正岡子規は健啖家で、食べるのが大好きでした。病床の日記「仰臥漫録」には、毎日の献立が記されていて、病人とは思えない食事量に驚かされます。中でも好きだったのは、くだものと菓子パン。何気なくパンをかじる瞬間、ふと、パンが好きだった子規を思い出しました。光る前歯に、生きている私の今が輝きます。
(監修:神野)
2022.09.12 放送
9月19日は、松山市出身の俳人・正岡子規の忌日です。若くして結核を患った子規は、病臥でも旺盛に執筆を続け、34歳で亡くなるまで、俳句や短歌に打ち込みました。夜明けにひびく産声は、革新をもたらした子規のエネルギーを髣髴とさせます。赤ちゃんも、子規のように、未来をたくましく切り拓いてくれることでしょう。
(監修:神野)
放送ではご紹介できなかった俳句を「佳作句」として少しだけご紹介。
庭掃き終えて子規の忌の苗の丈
子規の忌の風を包んで白シーツ
エジプトの壁画横向き獺祭忌
子規の忌や日影の花をまた生けて
腰高の駝鳥の歩み見る子規忌
柿の葉に包む子規忌の塩むすび
地球儀を逆さに回す子規忌かな
ぎゆるぎゆると唸る子規忌のホームラン
療養明けて味覚の戻る子規忌かな
一升を炊いて子規忌のおむすびに
ばさばさと佃煮崩し食ふ子規忌
とりどりのピンチョスを食ふ子規忌かな
子規忌来てホイップの角高く立つ
子規の忌の夕べもやしのひげ根取る
写生画の果実に翳り獺祭忌
新聞をぎゅっと縛って獺祭忌
つんとして畳の匂ふ子規忌かな
野球部を辞めたいなんて子規忌だぞ
子規の忌や庁舎の床にアンモナイト
月替わりのパンも焼きたて子規忌かな
色街や子規忌を通り抜けてゐる
松山に子規忌の雲の走りけり
名を知らぬ花を踏みたる子規忌かな
独りでも俳句があるよ子規忌です
湯に入りて生まるる一句子規忌かな
病院の床屋の予約する子規忌
城見上げ串団子食う子規忌かな
子規の忌のホームベースの真白かな
子規の辺にいつも人寄り鵙鳴けり
子規忌なり人体模型の後頭部
糸瓜忌や法隆寺から街平ら
子規先生吾も鶏頭の種の種
子規の忌やシーラカンスが目を覚ます
子規の忌や柿の絵柄の花瓶敷き
辞書よりも厚き歳時記子規忌来る
子の呉れしペン手に馴染む子規忌かな
鼬毛の筆整へる子規忌かな
コロナコロナこんな世の中にも子規忌
柔やわのミット仕舞うや子規忌の夜
グローブを磨く子規忌の草野球
糸瓜忌の粥の菜っぱの緑かな
バザーのパン全て百円獺祭忌
ゆで卵ひび入り易き子規忌かな
柿の葉をはしる雨粒獺祭忌
子規の忌の海触れさうな須磨の山
糸瓜忌を柿のよう成る寺にいて
菓子幾づつと子の聞く子規忌かな
遥かなる山の頂獺祭忌
月が海をきれいに渡る子規忌かな
糸瓜忌や常に伊予さす風見鶏
文机の脚の軋みや子規の忌の
子規の忌や母よりへちま化粧水
庭に子と薬味摘みゐる子規忌かな
幼子の指折っている子規忌かな
したたかに生きております獺祭忌
線香のかわりに一句獺祭忌
漱石先生兼題子規忌どうしましょう
糸瓜忌の朝にたっぷり水あげる
ホテル街一角涼し子規の庭
立ち止まるここにも句碑が子規忌かな
夕闇にコオロギ一匹子規忌かな
晴天とただ晴天と記す子規忌
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応募フォーム、メールアドレス、ハガキの中からご応募ください。メールアドレス、ハガキでのご応募は、お題を含む俳句(ふりがな)・氏名(ふりがな)・住所・電話番号・メールアドレスを記載してお送りください。一人何句でも応募可能です。選ばれた俳句は、EBC Live News「きょうの俳句」コーナーでの放送のほか、テレビ愛媛のホームページ等で紹介します。作者の氏名(ペンネームの場合はペンネーム)、お住いの市町名(ジュニアの場合は学校名)も紹介されます。
(採用された方には放送日を事前に連絡し、記念品を贈らせていただきます。)
※俳句の募集は、毎月第2月曜日、午後6時から開始します。
・応募作品は未発表で、ご自身の作品(著作権がご自身にある作品)に限ります。
・他人の作品に著しく類似、または他人の作品の盗用など、第三者の権利を侵害する可能性があると判断した場合は、応募の対象外とします。
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