こちらのページでは、視聴者の皆様から応募いただいた俳句をご紹介しています。
毎月ご応募いただいた俳句から5句を選び、EBC Live News「きょうの俳句」のコーナーで放送させていただきます。
2022.12.23 放送
フランベとは調理方法のひとつです。ラム酒やブランデーなどのお酒を降りかけ、強火で一気にアルコール分を飛ばします。一年の締めくくりに、家族でフランス料理を食べているのでしょうか。鍋に立ち上がるあざやかな炎に、互いの顔が照らされます。ともに年を越せる喜びを、静かに噛み締めるひとときです。
(監修:神野)
2022.12.22 放送
年の暮には、今年を無事に終えるための片付けや、新年を迎える準備が、目白押しです。そんな中、こけしを彫る場面に着目しました。木で出来たこけしの肌も、木屑を払うために吹きかける息も、命のあたたかみを感じさせます。お正月には、鏡餅と一緒に、完成したこけしも、飾られるのかもしれませんね。
(監修:神野)
2022.12.21 放送
世間に暮らせば慌ただしい年の暮も、ひとり湯治場で迎えれば、こんなに静か。昼もゆっくり温泉に浸かって、一年の疲れを癒やします。湯治場の、余計なものを置かないシンプルなありように、心もすっきり整いそうです。みなさんは今年、どんな場所で、年の暮を過ごしますか。
(監修:神野)
2022.12.20 放送
ピアノの上に、イヤリングが置かれています。弾いた人が落としていったのか、弾く前に外したのか……。クリスマスの歌や第九など、年の暮にはピアノを弾く機会も多いですね。奏でられていた華やかなしらべの名残りとして、イヤリングがきらりと光ります。
(監修:神野)
2022.12.19 放送
忘年会の飲食店か、ふだんの食堂か、出されたおしぼりの白さを、眩しいと感じました。冬になって日差しも弱くなったから、おしぼりの白い光も、ことさら新鮮に感じたのでしょう。年の暮の忙しい時期だからこそ、日常のささやかな光に目をとめたいものですね。
(監修:神野)
2022.12.16 放送
漆面にきらめく貝殻がはめ込まれた、美しい螺鈿の重箱。忘年会やおせち料理に使うために出してきたのでしょうか。「よ」と呼びかけたことで、螺鈿のきらめきが強調されました。押し迫る年の暮にほどよい緊張感を与えつつ、年を跨ぐ華やかさも生まれています。
(監修:神野)
2022.12.15 放送
一年の終わり、年の暮のことを「歳晩」ともいいます。年末を迎えた仕事での一場面でしょう。整理された書類をシュレッダーにかければ、裁断された紙は、いきおいよく吐き出されます。今年のさまざまな記憶も、ふぶく紙片のように、ばらばらに過去へと飛んでいきます。忙しい歳晩の実感を、身近な機械を通して表現しました。
(監修:神野)
2022.12.14 放送
現代は監視社会とも言われ、街のそこかしこに監視カメラが設置されています。年の暮の街中を歩けば、きっと私も、あちこちの監視カメラに映りこんでいるのでしょう。賑やかな街の、ひんやりとした裏側を垣間見る瞬間。どうか、不穏な出来事が映りこむことなく、みんな穏やかに、新年を迎えられますように。
(監修:神野)
2022.12.13 放送
ルンバは、自動で床を掃除するロボット掃除機です。実際に動かしてみると、やはり掃除機ですから、それなりに賑やか。でも、うるさいと言わず「賑やか」と言いなすことで、ルンバの頑張りを楽しむ気持ちが生まれます。大掃除を手伝うルンバに感謝しつつ、人間も、新しい年を迎える準備にいそしみます。
(監修:神野)
2022.12.12 放送
今年もあとひと月を切りました。一年の終わりを「年の暮」といいます。新年を迎える用意のため、人も街も賑やかになります。年末進行で、仕事の現場も慌ただしいことでしょう。そんな忙しさの中でも、革靴に靴墨を伸ばし手入れして、丁寧に生き、新しい年を迎えようとしています。誠実な姿に、背筋の伸びる一句です。
(監修:神野)
放送ではご紹介できなかった俳句を「佳作句」として少しだけご紹介。
年暮るる模試を輪転機の余熱
年の瀬の星みさだめる離島の子
歳晩や自転車ひかるまで磨く
あさってはあしたのあした年の暮
歳晩や夜行列車のにぎり飯
年の暮海はいつもの乱反射
砂利踏めば真白き音や年の暮
傷多きルアーたち撫づ年の暮
失くしたピアス年の瀬の演奏会
月へゆくロケット寂し年の暮
丁寧にホルンを磨く年の暮
四角い部屋四角く掃いて年の暮
カーテン干す雲まどかなる年の暮
野良猫に道譲らるる年の暮
石庭に猫の足跡年の暮
やりかけのジグソーパズル年の暮
百歳一歳それぞれの年の暮
理髪師のもみあげ長し年の暮
老鶏のひと哭き終わる年の暮
年の瀬の珈琲豆のうすみどり
残業のコーヒー苦し年の暮
小走りの猫と出合ひぬ年の暮
年の暮バケツプリンの届きたる
年の暮 星の動きの正しさよ
年暮ぬダルメシアンに声掛けて
静寂の空切るタクト年の暮
踏み台に神棚覗く年の暮
年の暮ゆゑの大盛りスパゲティ
ハモニカの傷痍軍人年つまる
工場に昭和の歌謡年の暮
レシートに埋もる小銭年の暮
年暮るや肘掛け椅子を磨き上げ
年の瀬の青空市に雲奔る
歳末の雲なき空の貧しさよ
大空の雲さへ忙し年の暮
半額のシール待ってる年の暮
令和貧しく静かに生きて師走
彼の地まで真青なる空年の暮れ
年暮るる母校の跡にポプラの樹
栞紐は最後の頁年の暮
屋根裏の古ダンボール年の暮
指示ありて穴を掘りたる年の暮
年暮るる螺子一本のゆるぶまま
妻恋ふる五十回目の年の暮
年の暮ガラス隔てて母と会ふ
鍋放る冷凍うどん年の暮
違反切符きられる年の暮ぞ今日は
コンビニのおにぎり二つ年の暮
菜箸に微かなゆがみ年の暮
電線の鳩まばらなる年の暮
訳なしに海を見に行く年の暮
すうすうと襟足さみし年の暮
自転車の一漕ぎ重し年の暮
あみだくじ当たりし今日に年暮るる
妻からの交換日記年の暮
黒板を拭くや桐子の年の暮
お豆腐の水切り甘し年の暮
保護犬の募金呼びかけ年暮るる
医院へと文鳥預け年の暮
蕎麦屋に年暮ぬ白髪三千丈
年の暮抜けて魚町板屋町
年の暮ノートも本も散らかして
土産提げ夜行バス待つ年の暮
平皿を多めに買ひて年の暮
押入れに産土を嗅ぐ年の暮
旧姓を呼ばれ振り向く年の暮
年の暮喪中葉書の藍の色
風切りて鴉とぶ音年の暮れ
琴の柱の罅の光や年の暮
介護士や有給不可の年の暮
菓子箱に薬ぐちゃぐちゃ年詰まる
一斗缶ゴミを燃やして年の暮
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応募フォーム、メールアドレス、ハガキの中からご応募ください。メールアドレス、ハガキでのご応募は、お題を含む俳句(ふりがな)・氏名(ふりがな)・住所・電話番号・メールアドレスを記載してお送りください。一人何句でも応募可能です。選ばれた俳句は、EBC Live News「きょうの俳句」コーナーでの放送のほか、テレビ愛媛のホームページ等で紹介します。作者の氏名(ペンネームの場合はペンネーム)、お住いの市町名(ジュニアの場合は学校名)も紹介されます。
(採用された方には放送日を事前に連絡し、記念品を贈らせていただきます。)
※俳句の募集は、毎月第2月曜日、午後6時から開始します。
・応募作品は未発表で、ご自身の作品(著作権がご自身にある作品)に限ります。
・他人の作品に著しく類似、または他人の作品の盗用など、第三者の権利を侵害する可能性があると判断した場合は、応募の対象外とします。
・テレビ愛媛は応募作品による権利の侵害等に対し、一切の責任を負いません。
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