こちらのページでは、視聴者の皆様から応募いただいた俳句をご紹介しています。
毎月ご応募いただいた俳句から5句を選び、EBC Live News「きょうの俳句」のコーナーで放送させていただきます。
2021.07.16 放送
しっとり濡れた鉄の階段を、一歩、また一歩。昇りきって一気にひらけた視界には、大きな滝が、迫力いっぱいに轟いていました。鉄の階段を歩く硬質なひびきと、有機的な滝音とが、力強くぶつかり合います。夏の自然の大迫力に、我を忘れて立ち尽くす一句です。
(監修:神野)
2021.07.15 放送
大切な友人をなくした夏、やり場のない思いを抱え、滝の前にやってきました。かつて一緒に見た、思い出の滝なのかもしれません。持ってきたのは、亡き友から送られた手紙の束です。滝の前で読み返すのか、それとも手紙を抱きしめたまま滝を見つめ続けるのか。滝をこぼれる水のように、思いはあふれ続けます。
(監修:神野)
2021.07.14 放送
滝を抱く森は、生き物たちのゆりかごです。山には可憐な小鳥たちも生きています。滝へ向かって、一羽の鳥が、さっと飛んでいきました。その羽は小刻みに震えています。滝への畏れゆえでしょうか、それとも小鳥本来の繊細な飛び方なのでしょうか。震える命にやさしく目をとめ、丁寧に描写しました。
(監修:神野)
2021.07.13 放送
岩からどうどうと落ちてくる滝を前にすると、その圧倒的な迫力に言葉を失います。大きな滝であれば、なおさらです。ほとばしる飛沫も、まるで重力から解放されたかのように、自由に飛び散ります。見ている私の体も、軽くなってくるかのよう。無重力という言葉によって、地球規模で滝を感じる句となりました。
(監修:神野)
2021.07.12 放送
滝は年中見られますが、暑い夏にも涼しさが感じられることから、俳句では夏の季語となっています。涼を求めて山道を歩けば、滝の音が聞こえてきました。険しい道に設置されていたのは、ワイルドな丸太の手すり。すがれば、滝の気配にしっとりと湿っています。音や手触りといった感覚を通して、山の空気がたっぷりと伝わります。
(監修:神野)
放送ではご紹介できなかった俳句を「佳作句」として少しだけご紹介。
大地震来て双頭となりし滝
滝壺や暗くて深い馬の喉
滝に行くバス停のある通学路
荒滝や符の泣き音を禊ぎとも
鳥を追ひ雲追ひゆけば白猪の滝
黒帯の孫の突き蹴り滝しぶき
大木に獣の兆し滝の道
轟轟としぶき広げて虹の滝
孤独なる眼前を滝なだれ落つ
大滝が落つ人間がおおと言ふ
滝壺の結界石や昼の闇
この先は滝の匂ひのするベンチ
どちらかといえば無口な滝が好き
滝の先静かな川の透明度
伊予に立つ滝の怒涛と楸邨と
天地へ水の喝采大瀑布
夫の手を握り返した滝の前
この滝に伝説あらば竜の恋
滝の淵竜神住むと言ふ嫗
草分けて入れば水音行者滝
滝落ちて巌よろこぶ水しぶき
滝飛沫木漏れ日さして虹生めり
手を伸ばし滝に触れたし肩車
泣き声も小言も消して滝の音
滝道を行き来善男善女かな
那智の滝母の手を取り遠くより
滝しぶき記念写真の背中へと
晴天や蒼樹に銀の滝しぶき
後悔はなかつたやうに滝落つる
滑床の雪輪の滝に今日ひとり
風神も雷神も来し滝見茶屋
七滝を巡る揃ひのスニーカー
滝に立つ太き喉仏の人と
ゆらゆらと生きてすとーんと滝の壺
たましひの押しだされたる滝見かな
合羽着て顔にしずくの滝見船
漱石も浴ぶや白猪の滝しぶき
シャチ跳ねる羅臼の海へ滝しぶき
人生をヘーゲル化する滝しぶき
大滝の正面にいて大嚔
身投げせし姫は十六滝見茶屋
父母の面影淡し滝仰ぐ
広角のレンズに収む大瀑布
テレビ愛媛ではみなさまから
俳句を募集しています!
応募フォーム、メールアドレス、ハガキの中からご応募ください。メールアドレス、ハガキでのご応募は、お題を含む俳句(ふりがな)・氏名(ふりがな)・住所・電話番号・メールアドレスを記載してお送りください。一人何句でも応募可能です。選ばれた俳句は、EBC Live News「きょうの俳句」コーナーでの放送のほか、テレビ愛媛のホームページ等で紹介します。作者の氏名(ペンネームの場合はペンネーム)、お住いの市町名(ジュニアの場合は学校名)も紹介されます。
(採用された方には放送日を事前に連絡し、記念品を贈らせていただきます。)
※俳句の募集は、毎月第2月曜日、午後6時から開始します。
・応募作品は未発表で、ご自身の作品(著作権がご自身にある作品)に限ります。
・他人の作品に著しく類似、または他人の作品の盗用など、第三者の権利を侵害する可能性があると判断した場合は、応募の対象外とします。
・テレビ愛媛は応募作品による権利の侵害等に対し、一切の責任を負いません。
頂いた個人情報は、優秀句に選ばれた方への事前連絡並びに記念品をお送りする際にのみ使用させて頂きます。
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〒790-8537 テレビ愛媛「きょうの俳句」係