こちらのページでは、視聴者の皆様から応募いただいた俳句をご紹介しています。
毎月ご応募いただいた俳句から5句を選び、EBC Live News「きょうの俳句」のコーナーで放送させていただきます。
2022.05.13 放送
夏野の別名が「青野」です。青々と茂る野の色彩が、よりあざやかに迫って来ます。ほがらかに青野を駆ける子どもたちの姿は、まさに平和そのもの。もし野原に地雷が埋まっていたら、こんなに無防備に駆け回れないでしょう。地雷のある国の困難を思うとき、早く地球のどこの場所でも、子どもたちが安心して遊べる世界になってほしいと願います。
(監修:神野)
2022.05.12 放送
祖父が人生を通して耕し続けた畑も、後継者の問題などさまざまな事情があり、今はすっかり草が生え、夏野となっています。かつては祖父の畑だった夏野に立てば、吹いてくる風はどこか、懐かしいあの頃の匂いがしました。変わりゆくものもあれば、変わらないものもあります。不変の風のなつかしさに、過去の記憶が押し寄せます。
(監修:神野)
2022.05.11 放送
夏野には、たくさんの生きものが訪れます。猫もまた、そっと夏野にやって来て、時がくればまた、そっと帰ってゆきます。575の最後が「夏野の猫は」とゆったり字余りしていることで、猫のゆるっとした動きがほのぼのと感じられます。夏野の犬、夏野の鴉、夏野の人間は、どんな風に夏野と関わるのでしょうね。
(監修:神野)
2022.05.10 放送
夏の野原でピクニックをしているのでしょうか。林檎などの果実をくるくると上手に剥けば、皮が螺旋状に連なります。作者は、その果物の皮を「夏野の螺旋」として捉えたい、と表明しました。螺旋があるなら、夏野の直線は強い日差し、曲線はそよぐ草なのかも。剝きたての皮が太陽にきらきらと光るとき、夏野に過ごす今この瞬間も、尊く輝きます。
(監修:神野)
2022.05.09 放送
夏のまぶしい光の中、青々と草がそよぐ野原を「夏野」といいます。夏野という言葉を見聞きするだけで、心は広々と解き放たれてゆきます。作者は、広い夏野で風に吹かれながら、もし私に翼があったなら、と想像しました。翼を広げ、風に乗って、空を軽やかに舞ってみたい。そんな想像をはたらかせたくなるほど、夏野の風は力強く爽やかなのでしょう。
(監修:神野)
放送ではご紹介できなかった俳句を「佳作句」として少しだけご紹介。
指の血はぷくりと玉へ花蜜柑
残照の夏野にさがす玻璃の靴
十九で戦死夏野の白い花
錆びいろの皮膚少年は夏野嗅ぎ
落日や赤牛下る大夏野
銀のピアス失くした夏の野のどこか
カルストの大地夏野の空真青
ノモンハン羊と歩む夕夏野
おなじ月見上げ夏野の民となる
あか牛ぽつねんと千年の夏野
いもうとは遠き夏野へ召さるるか
スコップを立てる夏野の村境
卯月野へどさりと仔牛生まれけり
倒木にエゾリス跳ねる夏野かな
ワンゲルの珈琲甘く夏野かな
はらぺこの龍もまどろむ夏野です
夏野かき分け肩書も何処へやら
キャンパスへ立ち漕ぎのまま夏野ゆく
巡礼のすずの音ふたつ夏野原
放ち鶏のよろこびのこゑ大夏野
ワイシャツの君と夏野の果て探す
辛ければ 夏野に逃げてくればいい
少年の見遣る夏野の少女かな
夏の野にアンドロイドは歌いきる
今キーウスキタイ駆けし大夏野
放鳥の朱鷺羽ばたきて大夏野
青馬の走る夏野や風はるか
太陽の息は明るし夏野原
脚のあるクジラの眠る夏野かな
駆け抜ける魁夷の白馬大夏野
白犀が尿りて駆ける夏野原
夏野風吹いて現在過去未来
縄文の頃も夏野であったとか
泣きながらあんぱんがぶり夏野道
阿蘇吼えて九万年よ大夏野
逆光にただ一影となる夏野
白シャツの青年点となる夏野
夏野ゆく駱駝のやうな修行僧
デラシネの強さ夏野の草茂る
木道が線路のように尾瀬夏野
大夏野キッチンカーを縦列に
君こそは強く生きなよ大夏野
劣等感もろとも夏野暮れにけり
国後や夏野の果てのオホーツク
サロベツの夏野は旅の終りなる
軽やかに戦ぐ夏野の風眩し
俳句添え夏野の写真アップする
夏野蹴りパラグライダー空へ空へ
大夏野古きベンチの独座人
歓声の天にひびかふ夏野かな
夏野には 父が差し出す 大きな手
デラシネの強さ夏野の草茂る
テレビ愛媛ではみなさまから
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応募フォーム、メールアドレス、ハガキの中からご応募ください。メールアドレス、ハガキでのご応募は、お題を含む俳句(ふりがな)・氏名(ふりがな)・住所・電話番号・メールアドレスを記載してお送りください。一人何句でも応募可能です。選ばれた俳句は、EBC Live News「きょうの俳句」コーナーでの放送のほか、テレビ愛媛のホームページ等で紹介します。作者の氏名(ペンネームの場合はペンネーム)、お住いの市町名(ジュニアの場合は学校名)も紹介されます。
(採用された方には放送日を事前に連絡し、記念品を贈らせていただきます。)
※俳句の募集は、毎月第2月曜日、午後6時から開始します。
・応募作品は未発表で、ご自身の作品(著作権がご自身にある作品)に限ります。
・他人の作品に著しく類似、または他人の作品の盗用など、第三者の権利を侵害する可能性があると判断した場合は、応募の対象外とします。
・テレビ愛媛は応募作品による権利の侵害等に対し、一切の責任を負いません。
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