こちらのページでは、視聴者の皆様から応募いただいた俳句をご紹介しています。
毎月ご応募いただいた俳句から5句を選び、EBC Live News「きょうの俳句」のコーナーで放送させていただきます。
2019.11.15 放送
冬のはじめに時雨がつくる虹のことを時雨虹といいます。パラパラと雨が降ったあと、暗かった空がさらりと晴れ、朱鷺が羽を広げて飛び立ちました。朱鷺は白い鳥ですが、翼を広げると、ほのぼのとあたたかい桃色の羽根が見えます。時雨ののちの、青空と虹と朱鷺の羽。移ろいゆく冬の景色が見せた、瞬間の色彩の美を詠みあげました。
(監修:神野)
2019.11.14 放送
天気の変わりやすい冬の一日、出かけるのはやめて、家の中でジャムを煮て過ごしています。いつもは元気な猫も、今日はおとなしく、すぐそばで寝息を立てています。おだやかな生活の時間。部屋に満ちてゆく果物の甘い香りが、さみしい外の時雨の気配を、しずかに遠ざけてくれます。
(監修:神野)
2019.11.13 放送
天皇に拝謁することを朝見といいます。新しい天皇の即位の礼が行われた先月二十二日、東京では雨が降っていましたが、儀式のさなかに晴れ間が訪れ、大きく虹がかかりました。日本文化の中でゆたかに詠み継がれてきた時雨の季語が、脈々と息づく日本の歴史を思わせます。現実の偶然を巧みに掬い上げ、訪れる時代を、格調高く寿ぎました。
(監修:神野)
2019.11.12 放送
日時計とは、太陽のつくる影を使って時間を計る装置です。公園のオブジェとして、あちこちで見かけますね。日差しが薄くさびしくなった冬、ふと気が付けば、日の光のかわりに、時雨が日時計を濡らしています。午後三時に時雨が降ったという出来事を、日時計を通して表現したことで、空間の広がりのある一句となりました。
(監修:神野)
2019.11.11 放送
冬のはじめの通り雨を、時雨といいます。降ったかと思うと晴れ、また降り出し、世界は刻々とさびれてゆきます。初時雨は、その冬になってはじめて降る時雨のこと。初時雨の降る中、誰かがオルガンを弾いています。オルガンの響きのなつかしさが、過ぎ去った季節を振り返らせ、冬の訪れを静かに告げています。
(監修:神野)
放送ではご紹介できなかった俳句を「佳作句」として少しだけご紹介。
保育所の赤き置き傘片時雨
小夜時雨調弦甘きマンドリン
時雨虹カンパネルラはもういない
松山城こえて韋駄天しぐれかな
しぐるるや陶土ぐにゃりとひるがへし
羽づくろいする時真顔初時雨
仙人の如き青鷺三津時雨
時雨るるや監視カメラはたじろがず
時雨寒バックの隅にチョコレート
心臓が時雨の中を突き進む
「チチキトク」時雨の色を忘れけり
しぐるるや光の鈍きスクーター
片時雨逆転となるトライかな
ストリートピアノにたたむ時雨傘
時雨るるや魚見の丘の朽ちし椅子
原発の岬が故郷時雨かな
時雨るるやポルトガル語のビートルズ
廃盤をかければ混じる夕しぐれ
本を閉づ図書室窓を打つ時雨
胃を波紋広がるような時雨かな
スクーターの初心者マーク片時雨
半時に一本のバス時雨かな
時雨るゝや透明傘に軽き音
窓の外時雨に濡れる砂の山
時雨るるやおしめの干せぬきのふけふ
振り向けば燃ゆる城山夕時雨
しぐるるやAIの読む童歌
夕時雨プラネタリウムの青い星
待ち合わせ時雨れて嬉し傘一つ
玉砂利を濡らして神の時雨かな
月経に鉄はすり減り時雨かな
上を向く時雨心地で白と青
テレビ愛媛ではみなさまから
俳句を募集しています!
応募フォーム、メールアドレス、ハガキの中からご応募ください。メールアドレス、ハガキでのご応募は、お題を含む俳句(ふりがな)・氏名(ふりがな)・住所・電話番号・メールアドレスを記載してお送りください。一人何句でも応募可能です。選ばれた俳句は、EBC Live News「きょうの俳句」コーナーでの放送のほか、テレビ愛媛のホームページ等で紹介します。作者の氏名(ペンネームの場合はペンネーム)、お住いの市町名(ジュニアの場合は学校名)も紹介されます。
(採用された方には放送日を事前に連絡し、記念品を贈らせていただきます。)
※俳句の募集は、毎月第2月曜日、午後6時から開始します。
・応募作品は未発表で、ご自身の作品(著作権がご自身にある作品)に限ります。
・他人の作品に著しく類似、または他人の作品の盗用など、第三者の権利を侵害する可能性があると判断した場合は、応募の対象外とします。
・テレビ愛媛は応募作品による権利の侵害等に対し、一切の責任を負いません。
頂いた個人情報は、優秀句に選ばれた方への事前連絡並びに記念品をお送りする際にのみ使用させて頂きます。
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〒790-8537 テレビ愛媛「きょうの俳句」係