こちらのページでは、視聴者の皆様から応募いただいた俳句をご紹介しています。
毎月ご応募いただいた俳句から5句を選び、EBC Live News「きょうの俳句」のコーナーで放送させていただきます。
2022.03.18 放送
まだ受精して間もないころの胎児は、えらのようなひだを持ち、魚によく似ているといいます。胎児が丸めた背中に見える、長い長い進化の歴史。春の水のあたたかさは、胎内に満ちる羊水のぬくみも感じさせます。いつか生まれてくる日まで、温かい水にたっぷりと眠り、すこやかに育ちますように。
(監修:神野)
2022.03.17 放送
ゆらゆら揺れる吊り橋を、はらはらしながら渡ります。ようやく渡り終える頃、緊張が少しほどけて、周りを見回す余裕ができました。足の下には、川がきらきらと流れています。その水もきっと、春らしくぬるんでいるでしょう。水温むという優しい季語が、渡り終えてホッとした心も、伝えてくれます。
(監修:神野)
2022.03.16 放送
春、使っていなかった蛇口をひねると、水がどっと出てきました。その水は春らしくぬるみ、どこかが錆びているのか、なまぐさい鉄の匂いもします。ほとばしる水の勢いは、春にさまざまな命が生まれてくる勢いも感じさせます。こんなところにも、春を見つけられるのですね。
(監修:神野)
2022.03.15 放送
ヨーロッパとアジアの境にある黒海は、ロシアにもウクライナにも接しています。ロシアがウクライナに侵攻したこの春、黒海の上を戦闘機が飛び交う異常事態に思いを寄せました。本当なら、あたたかくなって水もぬるんで、黒海にもウクライナにも、平和な春が訪れるはずでした。いかなる戦争もない世界を、あらためて願います。
(監修:神野)
2022.03.14 放送
春になり、寒さが緩んでくると、日差しにぬくもって、池や川の水もあたたかくなってきます。これを、「水温む」といいます。ようやく春らしくなってきた気配の中で、時計が刻む秒針の音も、心なしかやわらかく感じました。変わらない日常にも、季節の変化は訪れます。その兆しを繊細にとらえた一句です。
(監修:神野)
放送ではご紹介できなかった俳句を「佳作句」として少しだけご紹介。
シーソーの釣り合ふ双子水温む
水ぬるむ河馬は鯨の夢をみて
鉾先におのころ島や水温む
薄れゆくペテルギウスや水温む
早弁の蓋の輝き水温む
チェーンソーの響く林道水温む
水温む転校生の自己紹介
空海の独鈷の先の水温む
モナリザの微笑みほどに水温む
Iターン夫婦のほがら水温む
水温む木曽駒の尻みなぎりて
「鯉のえさあります」百円水温む
水温む峠峠に饅頭屋
凡人は凡人のまま水温む
水ぬるむモーツァルトをかけ流し
水温み葦原に立つ朱鷺の脚
河童のクゥ尋ね遠野へ水温む
水温む移動動物園のヘビ
泥んこの双子パンダや水温む
星雲の底より水の温みけり
娘の小さきころのビデオや水温む
海渡る長距離バスや水温む
三姉妹揃ゐて水も温みをり
水ぬるむ小鳥のかたちした積み木
なゐふりて水温むこと知らざりき
快晴の朝手水舎の水温む
羊水と命わかたれ水温む
水温む会いたい人に会いにいく
カピバラの夢は何色水温む
約束の小指と小指水温む
水温む囲碁教室の池の鯉
紅白のまんじゅうほおばる水温む
水温むスカートの裾つまみ上げ
十一度目の「春よ、来い」水温む
愛犬の細き遺骨や水温む
ムックリの音は湖へ水温む
水深き仁淀に青き水温む
試し書きらせんるるるる水温む
水温るみゆるりと絞る布巾かな
鮒跳ねて満濃池の水温む
犀と星ぶつけて水の温み出す
水温む沢飛び越えて峰近し
胎動に初めて気付く温む水
テレビ愛媛ではみなさまから
俳句を募集しています!
応募フォーム、メールアドレス、ハガキの中からご応募ください。メールアドレス、ハガキでのご応募は、お題を含む俳句(ふりがな)・氏名(ふりがな)・住所・電話番号・メールアドレスを記載してお送りください。一人何句でも応募可能です。選ばれた俳句は、EBC Live News「きょうの俳句」コーナーでの放送のほか、テレビ愛媛のホームページ等で紹介します。作者の氏名(ペンネームの場合はペンネーム)、お住いの市町名(ジュニアの場合は学校名)も紹介されます。
(採用された方には放送日を事前に連絡し、記念品を贈らせていただきます。)
※俳句の募集は、毎月第2月曜日、午後6時から開始します。
・応募作品は未発表で、ご自身の作品(著作権がご自身にある作品)に限ります。
・他人の作品に著しく類似、または他人の作品の盗用など、第三者の権利を侵害する可能性があると判断した場合は、応募の対象外とします。
・テレビ愛媛は応募作品による権利の侵害等に対し、一切の責任を負いません。
頂いた個人情報は、優秀句に選ばれた方への事前連絡並びに記念品をお送りする際にのみ使用させて頂きます。
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〒790-8537 テレビ愛媛「きょうの俳句」係