こちらのページでは、視聴者の皆様から応募いただいた俳句をご紹介しています。
毎月ご応募いただいた俳句から5句を選び、EBC Live News「きょうの俳句」のコーナーで放送させていただきます。
2024.07.19 放送
学校やイベントで、風鈴作りに挑戦したのでしょう。作って来た風鈴は、失敗してしまったのか、うまく音が鳴りません。それでも、せっかくの手作りの風鈴だから、吊るして飾ります。風に揺れているさまを見ていれば、音は鳴らなくても、嬉しくて、じんわりと涼しさが吹き過ぎてゆきます。
(監修:神野)
2024.07.18 放送
風鈴にも、硝子や陶器、鉄など、さまざまな素材があります。吹く風も、ときには強くときには優しく、天気や時間によっても変わります。風鈴の音も一期一会です。風鈴が風の形を覚えないのは、吹いてきたそのときの風を柔軟に受け止めるためかもしれません。さて、今日はどんな風が吹くでしょうか。
(監修:神野)
2024.07.17 放送
かつての戦時中には、武器を作るため、家庭にある鉄製のものを供出する命令が出されました。今は穏やかに風に鳴る鉄風鈴も、世が世なら、回収されて銃弾にされたかもしれません。この鉄風鈴が銃弾となる時代が、もう来ませんように。風鈴の静かな音色が、平和への祈りを、涼しくひびかせます。
(監修:神野)
2024.07.16 放送
風鈴も、吊るしたままだと、少しずつ汚れます。そのささやかな汚れを布で拭って、もう一度、風にかけてやります。すると、風鈴の音が、拭う前と違って、また新鮮にひびきました。ささやかな音の変化を敏感に受け取り、いっそう清らかに、涼しさが澄みわたります。
(監修:神野)
2024.07.15 放送
風鈴の鳴る部屋で、冷たい緑茶を用意しました。お湯を沸かさず、水出しでゆっくり作った緑茶を、よく冷やしていただきます。あさみどりに透けた色も、ひんやりと涼しげです。ちりん、ちりん、風鈴の音も心に風を吹かせます。暑い夏ですが、工夫しながら、なんとか体と心を整えて過ごしたいものです。
(監修:神野)
2024.07.12 放送
部活動のマネージャーの主な仕事は、選手のサポートです。汚れたユニフォームなどを洗うのもその一つなのでしょう。靴下は洗濯ばさみで留めてゆき、ついでに風鈴も吊るします。ちりん、ちりん。風に揺れるソックスと風鈴が、夏の片隅にまぶしく光ります。
(監修:神野)
2024.07.11 放送
夏の雨が降る昼は、木々の緑も濃く匂い、室内も陰影が深くなります。風鈴の鳴る音が雨音に混じって遠く聞こえ、近くには触れられそうな距離にその人の唇があります。唇に触れるか、それとも。しっとりとした緊張感を、風鈴が涼しく彩り、結末は雨の彼方へ溶けてゆきます。
(監修:神野)
2024.07.10 放送
松山城下のロープウェイ街では、夏の風物詩として、毎年、砥部焼の風鈴を吊るしています。外国からの旅行客でしょうか、かたことの日本語でロープウェイ乗り場への行き方を尋ねています。日本の夏も暑いですが、砥部焼の風鈴の涼しい音色に耳を傾け、松山城へさあ、おいでなもし。
(監修:神野)
2024.07.09 放送
素足になることも多い夏には、足の爪にカラフルなペディキュアをほどこすのもおしゃれです。ペディキュアを塗り、乾くのを待つ間、手持ちぶさたでぼーっと、風鈴の音を聞いています。生乾きでまだつやつやしている爪に、まばゆい日差しが照り映えます。この夏、素敵な思い出ができますように。
(監修:神野)
2024.07.08 放送
風鈴は、ちりんと鳴る音の涼しさを楽しむ鈴です。日本の夏には欠かせないアイテムで、俳句でも夏の季語として詠み継がれてきました。軒先に吊るした風鈴の下で、飼っている犬が回覧板を齧っています。風鈴と回覧板と犬、何気ない日常をかたちづくるものたちが、のびのびと過ごす、夏の一日です。
(監修:神野)
放送ではご紹介できなかった俳句を「佳作句」として少しだけご紹介。
風鈴や太陽はきっとさみしい
風鈴や芯まで眠る赤ん坊
ふうりんふうりん日本は苦しくないか
風鈴や頁にひとつだけの詩
引き出しに風鈴ゆるさないでほしい
宵の風鈴星がくる月がくる
風鈴や夫の働き方改革
風鈴の炎の記憶ゆれて夜
熱の児の握るミニカー軒風鈴
風鈴や母をねぎらふ父の遺句
ひ孫らの去りて風鈴のちりん
風鈴ちりん空の切れ端だけの窓
風鈴や母の箪笥を売る話
風鈴の朝牛乳を一気飲み
東京の風鈴シェアハウスの窓辺
ゼミ室に風鈴と居る老教授
天気予報外れて風鈴がきれい
増築の部屋の風鈴よく唄ふ
風鈴が海馬の奥を冷やしけり
震災の瓦礫の風鈴は無傷
風鈴や星の死らしきもの遥か
今風を見せます風鈴吊るします
ひと鳴らしして風鈴を高く吊る
僕ハ死ンダ此ノ時風鈴静カ
化粧水さらり風鈴からからと
風鈴の音や香典袋に名
風鈴や血合に曇る硝子皿
風鈴の音へ閉じたる参考書
風鈴へ治験の犬は振り返る
ふうりんや奥多摩の又奥の宿
風鈴や早稲田通りの畳店
風鈴や逢へる逢へない逢ひにゆく
救急車去って風鈴残りけり
風鈴の闇に眠っていたひかり
風鈴ちりん五百円玉貯金
後輩の風鈴残る社員寮
風鈴や雲滑りゆく石畳
風鈴がチリンとひとつ瀬戸の夕
風鈴や百万石の風受けて
風鈴や愛の台詞は再利用
風鈴や不登校児は保健室
風鈴のりりるる星の子守唄
半分でパズルは飽きて風鈴で
風鈴よぼくって愛されていたんだ
風鈴やふうふう食べるキムチ鍋
風鈴やベッドメリーのくるりくる
名物はパフェと風鈴島のカフェ
風鈴や今宵も祖父の桃太郎
あの窓に似合ふ風鈴似合ふ君
風鈴や転がすやうに母を拭く
風鈴や神馬の耳の動き方
風鈴やマルタに碧き月あげて
風鈴やあのころここは町でした
風鈴やサイフォン鳴りし古きカフェ
領空侵犯風鈴壊れさう
風鈴の彼方東京行きジェット
風鈴や信玄餅のきな粉爆ず
風鈴あまた鳴りくたびれて雑貨店
風鈴の舌は昭和の五円玉
風鈴にあたつて風のくずれけり
風鈴静かテレビより線状降水帯
風鈴やアシンメトリーのペディキュア
風鈴や人さらひ出さうな夕べ
そよぐ風誰を呼ぶのか風鈴は
風鈴はちりんというよりきゃりんかな
風鈴や海凪ぎてなお鳴りにけり
ロープウェイ街風鈴の百の色
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応募フォーム、メールアドレス、ハガキの中からご応募ください。メールアドレス、ハガキでのご応募は、お題を含む俳句(ふりがな)・氏名(ふりがな)・住所・電話番号・メールアドレスを記載してお送りください。一人何句でも応募可能です。選ばれた俳句は、EBC Live News「きょうの俳句」コーナーでの放送のほか、テレビ愛媛のホームページ等で紹介します。作者の氏名(ペンネームの場合はペンネーム)、お住いの市町名(ジュニアの場合は学校名)も紹介されます。
(採用された方には放送日を事前に連絡し、記念品を贈らせていただきます。)
※俳句の募集は、毎月第2月曜日、午後6時から開始します。
・応募作品は未発表で、ご自身の作品(著作権がご自身にある作品)に限ります。
・他人の作品に著しく類似、または他人の作品の盗用など、第三者の権利を侵害する可能性があると判断した場合は、応募の対象外とします。
・テレビ愛媛は応募作品による権利の侵害等に対し、一切の責任を負いません。
頂いた個人情報は、優秀句に選ばれた方への事前連絡並びに記念品をお送りする際にのみ使用させて頂きます。
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