こちらのページでは、視聴者の皆様から応募いただいた俳句をご紹介しています。
毎月ご応募いただいた俳句から5句を選び、EBC Live News「きょうの俳句」のコーナーで放送させていただきます。
2023.05.19 放送
宇宙のはるか彼方で、一つの星が寿命を迎えました。そのことを、地球に住む私たちは知る由もなく、いつもどおりの日常を過ごしています。それでも、たとえば蜜柑の花は宇宙の変化を敏感に察知していて、静かに風にざわついているのかもしれません。蜜柑の花も、宇宙のひとかけら。大きな命の循環を思います。
(監修:神野)
2023.05.18 放送
2018年7月の西日本豪雨で、愛媛県も甚大な被害を受けました。山の斜面の蜜柑畑も土砂に流され、今も再建へ向け復興の途上です。被災した木に、そして新たに植えた木に、今年も花が咲きました。亡くなった人々に思いを寄せ、しばし黙祷を捧げます。これからを生きてゆく人間に、蜜柑の花は強く濃く、命を香らせます。
(監修:神野)
2023.05.17 放送
赤ちゃんはすぐにおなかがすくので、夜でもかまわずお乳が欲しいとぐずります。夜泣きの赤ちゃんをあやすため外に出ると、夜風にふっと、蜜柑の花の香りがしました。明けない夜はない。蜜柑の花の優しさが、孤独な育児の時間に、そっと寄り添います。
(監修:神野)
2023.05.16 放送
正直な性格も、長所といえば長所だし、短所といえば短所にもなります。思ったことが顔に出たり、余計なことまで喋ったり、正直なことがプラスにならない場面もあります。正直でしかいられない性格なら、自分らしく生きればいい。懐かしく素朴な蜜柑の花が、優しく肯定してくれています。
(監修:神野)
2023.05.15 放送
バス停の時刻表でしょうか。蜜柑の花が咲く海沿いの道で、潮風に錆びているのかもしれません。錆びた時刻表と、新しい蜜柑の花。古いものとの対比が、蜜柑の花のフレッシュな命を、ゆたかに輝かせます。真っ白な蜜柑の花が、今年も夏が来たのだと、涼しく告げています。
(監修:神野)
2023.05.12 放送
海沿いの蜜柑山に、今年も夏がやって来ました。蜜柑の木が花を咲かせたら、山全体がゆたかな香りに包まれます。ふだんは強い潮の香も、今は蜜柑の花の香りに圧されて感じないほど。堂々と咲く蜜柑の姿は、山を切り開きその地で生きてきた人々の、たくましさも感じさせます。
(監修:神野)
2023.05.11 放送
きなこ棒は駄菓子の定番で、黒糖と水飴をきなこで練り合わせた素朴なお菓子です。蜜柑の花が咲くころ、駄菓子屋できなこ棒を買ってパクリ。爪楊枝の先が赤く塗られていれば「当たり」です。駄菓子に一喜一憂したころの、ほがらかな時間。蜜柑の花の郷愁が、きなこ棒の懐かしさと、優しく通い合います。
(監修:神野)
2023.05.10 放送
水軍太鼓は、瀬戸内海沿岸の郷土芸能です。戦国時代の水軍の活躍を、和太鼓で表現します。学校の水軍太鼓のクラブで、放課後に練習しているのでしょう。蜜柑の花の香りが潮風に乗り、太鼓を叩く子どもたちへ、優しく届きます。はるかな時間を手渡されてきた太鼓の音が、この夏の蜜柑の花を揺らします。
(監修:神野)
2023.05.09 放送
三坂峠は、久万高原町と松山市の境界にある峠です。標高の高い久万から三坂峠を越え、松山方面へ下りてくると、蜜柑の花が香りはじめます。愛媛の風土の中で生きる暮らしが、自然な言葉で写し取られました。ひと足先に届いた初夏の匂いに、しばし心を預けます。
(監修:神野)
2023.05.08 放送
蜜柑の花は、愛媛の県の花です。五月になると、そこかしこで蜜柑の花が香りはじめます。画用紙を用意して、蜜柑山を描くのでしょうか。蜜柑の花の白は、手もとの画用紙の白よりも、さらに清らかで純粋に見えました。まぶしくなってきた初夏の日差しを受け、画用紙も蜜柑の花も、ほがらかに輝きます。
(監修:神野)
放送ではご紹介できなかった俳句を「佳作句」として少しだけご紹介。
伊予なればたれも俳人花みかん
ミシン踏む母の鼻唄花蜜柑
蜜柑の花もうたましひができてゐる
ハムレット生きるべきだと花蜜柑
さよならさんかくみかんの花は星
補習の児蜜柑の花の香を纏ふ
分蜂の済んで蜜柑の花しづか
花みかん島留学という進路
ミサイルはいらない花みかん匂ふ
「でもね」より「そうね」と笑う花みかん
花みかん記憶を返しゆく祖母よ
抜けてきた授業みかんの花きれい
馬の眼のみづの滑らか花蜜柑
花蜜柑やさしサナトリウムの午後
マグボトルきゅっきゅ蜜柑の花いちめん
橋のない島を出る日や花蜜柑
帰路につく釣船のろし花蜜柑
一碧の朝ふくらかに花蜜柑
藤白峠に立てば海見ゆ花蜜柑
モノラック閑か花蜜柑の白し
ひかりごと掬う手水よ花蜜柑
みかんのはなほんとはみんなやさしい
花蜜柑匂う国道抜けて土佐
花蜜柑かほり臼杵へ出港す
助産師は蜜柑の花の香りかな
祖母の来し方開墾の花蜜柑
花蜜柑しろいティーポットをきみに
はつこひは蜜柑の花の家のひと
蜜柑の花あの子の名前海だつて
讃美歌に越ゆる峠や花蜜柑
左蜜柑の花右原発の岬
お守りの袋に一つ花蜜柑
ターナー島の先に興居島花みかん
校章に蜜柑の花や潮の香
母となる蜜柑の花の匂う頃
庭に摘む母の棺に花みかん
対岸に伊予の小富士や花蜜柑
バスを待つ少女目を閉づ花蜜柑
花みかん九十歳のホンダ・カブ
おむすびはいつもいびつや花蜜柑
指の血はぷくりと玉へ花蜜柑
雨傘に隠す口づけ花みかん
花嫁のレースグローブ花蜜柑
落日に農具畳めり花蜜柑
灯台への一歩道や花蜜柑
ミゼットの三角窓や花みかん
水軍の酒盛花蜜柑の風
金婚を祝ふ蜜柑の花数多
祖母も母も花嫁だった花蜜柑
手ぬぐひの文字に県名花蜜柑
球逸れて蜜柑の花の香るほう
ジョギング四日目蜜柑の花清し
吾が犬を葬る山に花蜜柑
亡き犬のやうに蜜柑の花は咲き
ローギアの先は青空花蜜柑
初孫を蜜柑の花に願かけて
方言の飛び交ふ札所花蜜柑
出勤の前蜜柑の花の小道過ぐ
生真面目に生きゆく母や蜜柑の花
花蜜柑終着駅は海の傍
宵の太白ここは故郷花みかん
ゆるやかなこの径がいい花蜜柑
十字架の悲話秘めし島蜜柑咲く
フェリー旋回湾は蜜柑の花のなか
往診は連絡船よ花みかん
初植えの蜜柑の花や無垢の白
亡き母の植えし蜜柑の花香る
清らかな星座の如く花みかん
農道を散歩蜜柑の花盛り
白妙の蜜柑の花や手を広げ
ふるさとの島は陽だまり花蜜柑
海見んと蜜柑の花の中にゐる
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応募フォーム、メールアドレス、ハガキの中からご応募ください。メールアドレス、ハガキでのご応募は、お題を含む俳句(ふりがな)・氏名(ふりがな)・住所・電話番号・メールアドレスを記載してお送りください。一人何句でも応募可能です。選ばれた俳句は、EBC Live News「きょうの俳句」コーナーでの放送のほか、テレビ愛媛のホームページ等で紹介します。作者の氏名(ペンネームの場合はペンネーム)、お住いの市町名(ジュニアの場合は学校名)も紹介されます。
(採用された方には放送日を事前に連絡し、記念品を贈らせていただきます。)
※俳句の募集は、毎月第2月曜日、午後6時から開始します。
・応募作品は未発表で、ご自身の作品(著作権がご自身にある作品)に限ります。
・他人の作品に著しく類似、または他人の作品の盗用など、第三者の権利を侵害する可能性があると判断した場合は、応募の対象外とします。
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