こちらのページでは、視聴者の皆様から応募いただいた俳句をご紹介しています。
毎月ご応募いただいた俳句から5句を選び、EBC Live News「きょうの俳句」のコーナーで放送させていただきます。
2024.12.20 放送
私たちは毎日、ごはんを食べます。だからキッチンには、日々の思い出が積み重ねられ、ふとした瞬間に懐かしさが漂います。たとえば実家に帰ったとき、キッチンの暗がりにふと、あの人、この人が生きていた日の明るさを思います。過ぎ去りし時間を切なく顧みつつ、やさしい記憶を灯して、今夜の蕪を煮ます。
(監修:神野)
2024.12.19 放送
十一月、アメリカの大統領選挙があり、保守派のトランプ氏が選ばれました。また、十二月には、韓国の尹錫悦大統領が宣言した「非常戒厳」に、議会や国民が抵抗しました。誰が大統領になっても、私は蕪を洗い、生活を繋がねばなりません。ぶれずに生きる庶民の愚直が、政治をも変える力に繋がることを願います。
(監修:神野)
2024.12.18 放送
蕪はよく煮えるので、シチューの具の中でも、人参やじゃが芋に比べて、すぐに崩れます。そんなクリームシチューの蕪みたいに、今夜の僕は、ぐずぐずと今にも溶けそう。仕事で疲れたのかもしれないし、幸せで満たされているのかも。やさしい甘さと楽しい例えに、ほっとあたたかくなる一句です。
(監修:神野)
2024.12.17 放送
蕪は甘くて柔らかいので、赤ちゃんの離乳食にも重宝します。冷凍庫で氷を作る製氷皿は、料理にも大活躍。出汁やスープなど、製氷皿で凍らせれば、必要な分だけ使えるので便利です。茹でた蕪を製氷皿で小分けにして、離乳食に使います。忙しい中の育児のライフハックが、さらりと一句になりました。
(監修:神野)
2024.12.16 放送
お漬物にするのでしょうか、グリルするのでしょうか。適当なサイズに切った蕪に、塩を振ります。そのとき、塩の粒がまるで光のように、きらきらと輝きました。蕪の肌もまた、白い光を放っています。日差しの弱まる冬だからこそ、蕪や塩粒の白が眩しく、尊く感じられます。
(監修:神野)
2024.12.13 放送
蕪は葉っぱをいきいきと茂らせるので、その葉をばさりと切り落とすときも、存在感たっぷりです。手に伝わる実感を、まるで彗星の尾を切ったようだと、ダイナミックになぞらえました。夜空を駆ける彗星の勢いが、蕪の生命力をゆたかに伝えてくれます。さて、今夜の空には、どんな星が輝いているでしょう。
(監修:神野)
2024.12.12 放送
武蔵野は、東京と埼玉にまたがる台地で、歌枕として詠み継がれてきました。その風景は、かつてはどこまでも広がる野原として、近代以降は散策する林として、文学の中に登場します。自然の残る武蔵野の土地でとれた蕪でしょうか。木々を洩れ、空へ広がる明るさに、かつての武蔵野の風景を思います。
(監修:神野)
2024.12.11 放送
西条市は、地下水の噴き上がるうちぬきがそこここにある、水のゆたかな町です。冬の青空の下、湧き水にしゃがみ、とれたばかりの蕪を丹念に洗います。泥を流せば、蕪の白く明るい肌が冬の日差しに輝きます。大地とともに生きる素朴な暮らしの日常が、簡潔に写し取られた一句です。
(監修:神野)
2024.12.10 放送
蕪は、その葉や茎も食べられます。細かく刻み、漬けたり炒めたりすれば、ごはんのおともにぴったりです。朝の光の満ちる台所で朝食の準備をしています。蕪の葉にも、たっぷりと朝日が。その光ごと刻めば、あおあおと香り立ち、断面がみずみずしく輝きます。すがすがしい冬のひと日の始まりです。
(監修:神野)
2024.12.09 放送
冬は根菜の季節です。中でも蕪は、みずみずしい甘みが嬉しい、身近な野菜です。煮てもよし、漬けてもよし。汁物に入れるとほっこりと柔らかく、葉や茎も刻んで食べられます。葉つきの蕪の束が、藁にくくられて売られているのでしょう。触れれば藁は蕪の葉にしっとりとして、その湿りが蕪の命を感じさせます。
(監修:神野)
放送ではご紹介できなかった俳句を「佳作句」として少しだけご紹介。
土匂ふ雨に始まり蕪蒸
蕪煮る部屋干しのカーテンレール
金星をぐっと引き寄せ蕪引く
なんとかなる抜けないかぶがないやうに
ピンポン玉ほどの蕪抜く戻さうか
蕪洗ふ作中主体独占し
小さき庭小さきプランタ小さき蕪
余生とはことこと煮蕪透きとほる
朝採りの流星群のやうな蕪
蕪好きの愛想良い叔父蒸発す
大蕪ぬけば朝日の膨らみぬ
CanCamに教わる蕪の調理法
よく煮えて蕪は傷より崩れゆく
蕪に蕪乗り上げてゐるプランター
連呼する選挙カー俺は蕪引く
根拠などなくとも丸き丸き蕪
蕪洗う嘘を訂正しないまま
北国の蕪のスウプの夜の白し
スケッチのかあるく蕪を描きにける
蕪剥いて切って星って死んじゃうの
何にでもなれる私や蕪洗ふ
伊予弁と麦味噌に慣れ蕪汁
震災の区画整理地蕪を穫る
冷たさを愛だと信じ蕪を煮る
年賀状じまいを決めてかぶおでん
魂の永久に澄めるや蕪蒸
母の声聞きたき今朝の蕪汁
蕪漬けの匂ひの錦小路かな
大蕪のポタージュ同棲の背伸び
長病みや蕪を耀ふまで洗ふ
瓦礫にも暮らしの匂い蕪の花
ハンマー投げのハンマー持つやうに蕪を
蕪を抜く太陽ひょいと近づきぬ
鳥声や朝をまたたく蕪畑
水底を濁さぬやうに蕪洗ふ
蕪おいしい誰からも愛されずとも
ミルク煮の白にくづるる蕪かな
土の香を切り分けてより蕪真白
蕪洗ふ手押しポンプの太き水
京都弁みたいな蕪の並びをり
夕陽は赤過ぎる蕪は煮崩れる
朝市に緋蕪を売る飛騨訛り
写経紙の如き千枚漬けの蕪
優しさのころんと煮える蕪かな
煮崩れし蕪リハビリのスプーン
蕪切らん月をしづかに生むやうに
「ごめんね」と言いたし蕪の真白なる
トランスジェンダーでいい蕪でいい
マチュピチュの宇宙人説蕪漬け
晩酌の蕪のひね漬け珊瑚婚
寂しくて蕪のまるみを撫でる夜
タッパーの蕪の甘さに泣ける夜
蕪炊くひとに信心てふ透明
緋の蕪を漬くや小指にカットバン
ころころと美顔器かりこりとラディッシュ
天国の欠片めく浅漬の蕪
結束の強き家門の緋蕪かな
求婚の返事は保留蕪蒸す
焼き蕪とブルーチーズとヌーヴォーと
小蕪載せ最徐行する渡し船
温める蕪のスープや夜勤明け
どっしりと能登に根付きし蕪のかほ
蕪剥くよいい夫婦の日なんだって
大蕪を翳せば後光なまんだぶ
薄切りの蕪を兎とはんぶんこ
屋上の四方の青空小蕪引く
蕪真白漱石「こころ」読み返す
緋の蕪美味し初産の妻ポツリ
ふるぼけし小鍋やけふは蕪煮る
赤蕪を求めて南予雪交じり
赤蕪を漬けてリルケを一時間
とろとろと蕪のポタージュミルクパン
蕪を買う明日は母の退職日
ベランダの小さき陽だまり小蕪抜く
蕪漬ける肱川あらし吹く朝に
厚く剥きますます小さき小蕪かな
蕪汁や「食べてお寝よ」と母のゲキ
テレビ愛媛ではみなさまから
俳句を募集しています!
応募フォーム、メールアドレス、ハガキの中からご応募ください。メールアドレス、ハガキでのご応募は、お題を含む俳句(ふりがな)・氏名(ふりがな)・住所・電話番号・メールアドレスを記載してお送りください。一人何句でも応募可能です。選ばれた俳句は、EBC Live News「きょうの俳句」コーナーでの放送のほか、テレビ愛媛のホームページ等で紹介します。作者の氏名(ペンネームの場合はペンネーム)、お住いの市町名(ジュニアの場合は学校名)も紹介されます。
(採用された方には放送日を事前に連絡し、記念品を贈らせていただきます。)
※俳句の募集は、毎月第2月曜日、午後6時から開始します。
・応募作品は未発表で、ご自身の作品(著作権がご自身にある作品)に限ります。
・他人の作品に著しく類似、または他人の作品の盗用など、第三者の権利を侵害する可能性があると判断した場合は、応募の対象外とします。
・テレビ愛媛は応募作品による権利の侵害等に対し、一切の責任を負いません。
頂いた個人情報は、優秀句に選ばれた方への事前連絡並びに記念品をお送りする際にのみ使用させて頂きます。
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