こちらのページでは、視聴者の皆様から応募いただいた俳句をご紹介しています。
毎月ご応募いただいた俳句から5句を選び、EBC Live News「きょうの俳句」のコーナーで放送させていただきます。
2020.03.13 放送
結婚して五十年目を祝う金婚の日。見慣れた庭にも春が来て椿が咲き、食卓にはいつもの夫婦箸が並びます。椿の赤に、金婚の金。色彩もなんだかめでたいですね。積み重ねてきた日々の確かさを寿ぐように、椿が真っ赤な花を咲かせます。
(監修:神野)
2020.03.12 放送
べテルギウスは冬の大三角の一つ、オリオン座の一等星です。ところが、昨年末から今年にかけて、その光の減少が観測されています。椿を「あかるし」、べテルギウスを「暗し」と対句仕立てにすることで、逆に椿という花のもつほの暗さや、べテルギウスが本来もつ明るさが引き出されました。大地と星空が、闇の奥で呼応する一句です。
(監修:神野)
2020.03.11 放送
赤という色はあたたかさと結びつきやすい色です。しかし、作者は赤い花を咲かせる椿の、幹の冷たさに着目しました。椿の咲く春のはじめはまだまだ風も冷たく、ぎっしり茂った葉の奥まではなかなか日差しも届きません。絢爛に咲き充ちた椿の奥に立つ、冷たい幹。その存在に気づいたとき、椿の美しさにさらに、凄みが加わります。
(監修:神野)
2020.03.10 放送
陰膳とは、通夜や法事の席で、亡くなった人へ供えるお膳のこと。無事に極楽浄土へゆき、往生できるよう祈願する風習です。床の間に活けてあるのは椿。赤い花びらのほの暗さが、大事な人を喪った悲しみの深さや、癒えない傷の生々しさを物語ります。椿は、華やかな席だけでなく、悲しみの一場面にも、そっと寄り添ってくれる花なのです。
(監修:神野)
2020.03.09 放送
「椿」は松山の市の花ですから、この旅先はやはり道後温泉でしょうか。浴衣姿で湯籠を提げて散策中、ふと椿の花が落ちているのを見つけました。その美しさに思わず拾い上げ、ひょいと湯籠に入れます。さりげない道端の椿に気がつくのも、旅先で心がほぐれたから。「疲れたら、愛媛」。道後温泉らしいフォトジェニックな一句です。
(監修:神野)
放送ではご紹介できなかった俳句を「佳作句」として少しだけご紹介。
椿咲く伊予水軍の砦跡
椿落ちステンドグラス光差す
落椿耳にあてれば風の音
旧道は風の抜け道藪椿
鳥ごゑのけさのまぶしさ富久椿
椿つばきお遍路さんと小径ゆく
跳ね返るほどまつすぐに椿落つ
落椿ただ明るさを抱きをる
鳥空へ椿地に降る訣れかな
砥部焼の厚みふっくり白椿
椿満つ友の指差す地震雲
最期まで祖母は祖母なり椿落つ
火星接近椿の実爆ぜにけり
失恋の片手に重し八重椿
こらへてもこらへてもこの落椿
をちこちに稲荷神社や白椿
叱られし子が拾ひ行く落椿
甘噛みの子犬の鼻や藪椿
藪椿落ちて人魚の赤子生る
石鎚山や水をたあんと白椿
定年の背やめらめらと紅椿
山羊の名はノンとビリーさ島椿
試し焚きするフラッシュや白椿
少年のつばさは硬し白椿
耳朶のような椿の重みかな
懸案のヒントを拾ふ落椿
椿落つ昭和のスター相次いで
椿咲く岬を訪へば句碑二つ
抜け道の囁く紅き椿かな
参道に異国の文字や紅椿
判決の白き響きや椿落つ
私から挨拶をして白椿
父もさうわたしも頑固白椿
紅椿浮きてかほりて露天風呂
伊予の国椿まつりで福はじめ
葉の奥にぽつと一輪赤椿
吹く風に耐えて謙虚に咲く椿
落椿軌道の先に地球あり
椿落ち椿だったと確定す
テレビ愛媛ではみなさまから
俳句を募集しています!
応募フォーム、メールアドレス、ハガキの中からご応募ください。メールアドレス、ハガキでのご応募は、お題を含む俳句(ふりがな)・氏名(ふりがな)・住所・電話番号・メールアドレスを記載してお送りください。一人何句でも応募可能です。選ばれた俳句は、EBC Live News「きょうの俳句」コーナーでの放送のほか、テレビ愛媛のホームページ等で紹介します。作者の氏名(ペンネームの場合はペンネーム)、お住いの市町名(ジュニアの場合は学校名)も紹介されます。
(採用された方には放送日を事前に連絡し、記念品を贈らせていただきます。)
※俳句の募集は、毎月第2月曜日、午後6時から開始します。
・応募作品は未発表で、ご自身の作品(著作権がご自身にある作品)に限ります。
・他人の作品に著しく類似、または他人の作品の盗用など、第三者の権利を侵害する可能性があると判断した場合は、応募の対象外とします。
・テレビ愛媛は応募作品による権利の侵害等に対し、一切の責任を負いません。
頂いた個人情報は、優秀句に選ばれた方への事前連絡並びに記念品をお送りする際にのみ使用させて頂きます。
メールアドレスからの応募:
ハガキからの応募:
〒790-8537 テレビ愛媛「きょうの俳句」係