こちらのページでは、視聴者の皆様から応募いただいた俳句をご紹介しています。
毎月ご応募いただいた俳句から5句を選び、EBC Live News「きょうの俳句」のコーナーで放送させていただきます。
2018.10.12 放送
案山子が畦に捨てられ、傾いています。その腕が、ぴーんと、青空へ突き上げられているように見えました。その姿は、つとめを果たした英雄のようで、従来のあわれなイメージを打ち破ります。秋の深まる青空のもと、ふり絞った気骨を見せつける、堂々たる案山子の最後です。
(監修:神野)
2018.10.11 放送
稲刈りが済んで役目を終えた案山子は、引き抜かれて畦や道ばたに転がされます。これが捨案山子です。寝かされた案山子の視界には、石がごろごろ転がります。ボブ・ディランの名曲「ライク・ア・ローリング・ストーン」では、道ばたの石を、社会から見放された存在として歌いました。案山子も石も忘れられた者として、静かに哀しみをたたえます。
(監修:神野)
2018.10.10 放送
物思いつつ畦道をゆくと、案山子が自分に語りかけてきたように感じました。「のたまへり」は尊敬語で「言う」という意味、身分の高い人に使う言葉です。庶民的な案山子と「のたまふ」のギャップが面白いですね。「余所見せず行けよ」と励ます案山子は、故郷のおさななじみのよう。案山子の親しさを、かろやかに表現した一句です。
(監修:神野)
2018.10.09 放送
農業を継ぐはずだった息子は、海を渡って海外へ。もうこの田んぼを継ぐ後継ぎもいないのだなあと、しみじみ見渡す夕暮れに、案山子がぽつんと立ち尽くします。海の向こうで元気にやっていてほしいと、子の幸せを願いながら、自分の代で田んぼをしまうさびしさも、やはり真実。複雑な思いが、夕焼けの金色に溶けてゆきます。
(監修:神野)
2018.10.08 放送
小学生が学校帰りに道草をして、畦道で案山子に、掛け算の九九を披露しています。覚えたてで、嬉しいのでしょう。田んぼで鳥を追い払うために立てる案山子と、友だちのように接する純真な姿が、ほほえましいですね。子どもの成長の日々に案山子が当たり前に存在することの、あたたかさを思い出させる一句です。
(監修:神野)
放送ではご紹介できなかった俳句を「佳作句」として少しだけご紹介。
本棚にコクトー詩集秋刀魚焼く
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俳句を募集しています!
応募フォーム、メールアドレス、ハガキの中からご応募ください。メールアドレス、ハガキでのご応募は、お題を含む俳句(ふりがな)・氏名(ふりがな)・住所・電話番号・メールアドレスを記載してお送りください。一人何句でも応募可能です。選ばれた俳句は、EBC Live News「きょうの俳句」コーナーでの放送のほか、テレビ愛媛のホームページ等で紹介します。作者の氏名(ペンネームの場合はペンネーム)、お住いの市町名(ジュニアの場合は学校名)も紹介されます。
(採用された方には放送日を事前に連絡し、記念品を贈らせていただきます。)
※俳句の募集は、毎月第2月曜日、午後6時から開始します。
・応募作品は未発表で、ご自身の作品(著作権がご自身にある作品)に限ります。
・他人の作品に著しく類似、または他人の作品の盗用など、第三者の権利を侵害する可能性があると判断した場合は、応募の対象外とします。
・テレビ愛媛は応募作品による権利の侵害等に対し、一切の責任を負いません。
頂いた個人情報は、優秀句に選ばれた方への事前連絡並びに記念品をお送りする際にのみ使用させて頂きます。
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〒790-8537 テレビ愛媛「きょうの俳句」係