「聞ける俳句」は、
テレビ愛媛の夕方のニュースで
これまでに紹介された俳句を
『見て』『聞いて』
楽しんでいただけます。

監修:神野紗希、谷さやん

  • 診察券 ポインセチアの 横に出す

    今日の俳句

    2025.12.24 放送

    作者:加藤かな文

    クリスマスの頃には、ポインセチアの赤が町を彩ります。赤くなるのは葉ですが、花弁のように鮮やかです。病院の受付にもポインセチアの鉢が置かれます。差し出して並んだ無機質な診察券とポインセチアの対比が鮮明です。華やかなクリスマスが過ぎると、「年の暮」、「年の瀬」、「年惜しむ」、「行く年」などの言葉が切実になります。息災に新年が迎えられますようにと願いながら、季語「数え日」を暮らします。

    (監修:谷)

    音声で俳句を聞く/止める
  • 雪の原 おのれに飽きて 消える

    今日の俳句

    2025.12.23 放送

    作者:マブソン青眼

    雪の原は、雪に覆われた野原のこと。真っ白な雪の原にいると、自分が汚れているようで、消え去りたくなったのでしょうか。それとも、雪の原そのものが白いことに飽きてきたとも読めます。解けて消えたのは、雪が己に飽きたのだと。今日の句は、五・七・三のリズムで作られていて、字数の少なさに心もとない雪の感じが出ています。

    (監修:谷)

    音声で俳句を聞く/止める
  • 冬至の日きれい 植木屋 木の上に

    今日の俳句

    2025.12.22 放送

    作者:山口青邨

    今日は二十四節気の一つ、冬至です。太陽の高さがもっとも低く、昼が短いです。弱い太陽の日を背に、剪定している植木屋の姿が映えます。枝を伐る腕の動きが、冬至の日をきれいに見せているのでしょう。「植木屋」「木の上」のリズムも楽しいです。冬至は「一陽来復」とも言いますが、この句の風景に、遠くない春を感じます。

    (監修:谷)

    音声で俳句を聞く/止める
  • 星ぼしは 青く磨かれ 遠凩

    今日の俳句

    2025.12.19 放送

    作者:藤尾裕子(福岡)

    空を覆う木々の葉も飛ばされ、空気も冴えて、星々がよく見える冬の夜です。「青く磨かれ」という感覚的な描写によって、冴え冴えとした光が鋭く輝きます。青という色は、冷たさを感じさせると同時に、若々しさにも通じます。星を見つめるまなざしには、枯れない詩の心が宿っています。

    (監修:神野)

    音声で俳句を聞く/止める
  • ココア練る 木枯の夜や 木のスプン

    今日の俳句

    2025.12.18 放送

    作者:杏乃みずな(長野)

    木枯の吹く寒い夜、ココアの粉にお湯を注いで、スプーンで溶いています。「ここあ」「こがらし」、「こ」の音を重ねることで、リズムが整い、乾いた冬の質感が伝わります。「練る」という動詞も丁寧な印象です。ゆったりとココアを混ぜる感触に、生の実感が宿ります。

    (監修:神野)

    音声で俳句を聞く/止める

テレビ愛媛ではみなさまから
俳句を募集しています!

1月のお題は
「日脚伸ぶ(ひあしのぶ)」 です
応募はこちら

メールアドレスからの応募: 応募先メールアドレス

ハガキからの応募:〒790-8537
テレビ愛媛「きょうの俳句」係

応募フォーム、メールアドレス、ハガキの中からご応募ください。メールアドレス、ハガキでのご応募は、お題を含む俳句(ふりがな)・氏名(ふりがな)・学校名(ジュニアの場合)・住所・電話番号・メールアドレスを記載してお送りください。一人何句でも応募可能です。選ばれた俳句は、EBC ライブニュース「きょうの俳句」コーナーでの放送のほか、テレビ愛媛のホームページ等で紹介します。作者の氏名(ペンネームの場合はペンネーム)、お住いの市町名(ジュニアの場合は学校名)も紹介されます。
(採用された方には放送日を事前に連絡し、記念品を贈らせていただきます。)
※俳句の募集は、毎月第2月曜日、午後6時から開始します。

応募規約

・応募作品は未発表で、ご自身の作品(著作権がご自身にある作品)に限ります。
・他人の作品に著しく類似、または他人の作品の盗用など、第三者の権利を侵害する可能性があると判断した場合は、応募の対象外とします。
・テレビ愛媛は応募作品による権利の侵害等に対し、一切の責任を負いません。

個人情報の取り扱いについて

頂いた個人情報は、優秀句に選ばれた方への事前連絡並びに記念品をお送りする際にのみ使用させて頂きます。

ここから「すべての俳句を聞く」が再生されます。

すべての俳句を聞く
掲載されている句がランダムで再生されます
すべて聞く/止める

最新の俳句

バックナンバー

監修の先生のご紹介

  • 池内恵吾

    神野紗希(こうのさき)

    松山市出身。松山東高時代に「俳句甲子園」で優勝。お茶の水女子大学卒業。東京を拠点に俳人として活躍し、NHK「俳句王国」司会も担当。『日めくり子規・漱石』にて第34回愛媛出版文化賞大賞。第11回桂信子賞。現代俳句協会副幹事長。聖心女子大学・立教大学講師。2022年春から愛媛・伊予観光大使。句集に『すみれそよぐ』他。

  • 神野紗希

    谷さやん(たにさやん)

    松山市生まれ。西条市丹原町で育つ。松山大学卒業。1996年作句開始。句集『逢ひに行く』で宗左近俳句大賞受賞。『芝不器男への旅』、『不器男百句』(坪内稔典/谷さやん共著)、俳句とエッセイ『空にねる』。「船団」(2018年散在)を経て、現在「窓の会」常連。愛媛新聞カルチャー教室「さやんの楽しむ俳句」、「みんなで子規を読む」講師。

pagetop