夏休み特別企画「小学生の俳句募集!」
夏休みの特別企画として、2021年7月に県内の小学生の皆さんから「夏」にちなんだ俳句を募集しました。選ばれた俳句は、2021年8月9日(月)〜20日(金)のEBC Live News「きょうの俳句」のコーナーで紹介しています。小学生優秀句
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2021.08.20 放送
よくしなう飛び込み板や風しずか
飛び込み用のプールの飛び板は、演技しやすいように、弾力性をもたせてあります。飛び込みの瞬間、飛び板はしなやかにたわみ、飛び込んだ人はすでに水の中。そこにはただ、静かな風が吹いています。ほんの一瞬の競技の余韻を、人の気配だけを残して、あざやかに描き切りました。
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2021.08.19 放送
塾帰り父の車と夏の空
塾の帰り、迎えに来た父の車に乗り込むと、車窓から夏の空が見えました。どこまでも広がる、青い空、白い雲。机にへばりついていた視線が、夏空へ向かって心地よく解放されてゆきます。発見した季節のかけらが、繰り返される日常を、一回きりの瞬間として輝かせます。
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2021.08.18 放送
日が落ちてせんこう花火の匂いかな
暑い太陽は西へ沈んで、夜の時間がやってきます。深まりゆく闇に灯すのは、線香花火。火薬の匂いが、煙とともに、鼻をくすぐります。五感を働かせ、夏の記憶を書きとめました。省略の効いた言葉の余白に、ゆたかな沈黙の時間が満ちています。
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2021.08.17 放送
夏の夕ぐんじょう色に光る雲
真っ赤な夕焼けが落ち着き始めた夏の夕暮れ。空には静かに、群青色の雲が光っています。その涼しげな色には、暑い昼が過ぎ去ってホッとする気持ちも漂います。これから訪れる夜へ向かい、刻々と変化する空の表情の一瞬を、逃さず捉えました。
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2021.08.16 放送
夏休み海でイルカが呼んでいる
夏休みには、特別な体験が待っています。その期待感を、海でイルカが呼んでいると表現しました。イルカと心を通わせ泳げたら、どんなに楽しいでしょう。コロナ禍が続き、活動を制限される夏休みですが、想像力はどこまでも、自由にかけ巡ります。
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2021.08.13 放送
あの雲に乗ってみたいと思う夏
雲に乗りたいという夢は、多くの共感を誘います。もくもくとゆたかな夏の雲なら、なおさら。ぽつりとつぶやいた自然な言葉が、願いに真実味を与えます。「あの」と指示する表現も、いま目の前の雲を、臨場感たっぷりに見せてくれます。
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2021.08.12 放送
あじさいやどんな雨でものりきれる
紫陽花は、雨の多い梅雨の時期に、青や紫などの美しい花を咲かせます。出かけられない憂鬱な雨の中でも、紫陽花は今を輝いています。どんな状況になり、どんな雨が降ろうと、きっと乗り切れるはず。紫陽花の一途な姿に、希望を見出しました。
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2021.08.11 放送
甘そうだぷっくり太った入道雲
入道雲を甘そうだと味覚で捉えた、想像力ゆたかな句です。たしかに夏の雲の色や形は、綿菓子やソフトクリームなど、甘そうな食べ物に似ています。ぷっくり太ったという表現も、楽しいですね。ふくらむ入道雲の弾力が、夏のエネルギーを物語っています。
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2021.08.10 放送
あたらしいかんじおぼえるなつのかぜ
国語の勉強でしょう。新しい漢字を覚えた喜びが、気持ちのいい夏の風とともに吹き抜けます。漢字を覚えるたび、心に爽やかな風が吹くのなら、勉強が楽しくなりますね。すべてひらがなのこの句の言葉も、いつか漢字で書けるようになるでしょう。作者の純粋さと可能性を感じる俳句です。
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2021.08.09 放送
赤いかな日々の楽しみミニトマト
ミニトマトは、青い実が赤くなったら食べごろです。育てているトマトの成長を確認するのが、この夏の日々の楽しみなのでしょう。きっともうすぐ、赤く色づいた美味しいトマトが採れるはず。自然の変化に敏感になれば、毎日がきらきらと輝きはじめます。世界の楽しみ方を教えてくれる一句です。
小学生佳作句
- 俳句
- 作者
- せんぷうき過去と未来のパジャマかな
- 藤田 流歌
- おねえちゃんおおきなうきわうらやましい
- 上岡 唯夏
- 忘れない振り子の実験秋近し
- 相原 伽徠
- 体操で今日も始まる夏休み
- 武本 煌音
- うるさいなせみとケンカの夏休み
- 大石 悠翔
- リコーダーセミと一緒に演奏会
- 音地 海里
- コロナ禍の飼ってるカブトは密状態
- 鈴木 悠生
- スイカ割り右に左に迷子かな
- 大久保 蓮斗
- 夏の空さまよう暗きものが来る
- 吉永 一惺
- 平泳ぎがんばる50記録会
- 小林 音香
- セミの声朝の目ざましひびく音
- 砂 達也
- 夏の中みんなの声がひびくよね
- 松末 蓮月稀
- 夏の朝セミ鳴く声で起こされる
- 久保 瑛太